特集 2023年4月6日

つくばの謎の橋を渡る

茨城県のつくば市に、誰が渡るのかよく分からない不思議な橋がある。子どもの頃から気になっていたので、見に行ってみた。

1976年茨城県生まれ。地図好き。好きな川跡は藍染川です。(動画インタビュー)

前の記事:偉い人は遠くを見ている?(デジタルリマスター)

> 個人サイト ツイッター(@mitsuchi)

土浦に向かうたびにくぐる橋が謎

茨城県のつくば市に高校を卒業するまで住んでいたのだが、その間ずっと、なんとなく気になっていた橋がある。

つくばから土浦まで向かう道(土浦学園線)の途中に現れるこの橋だ。

DSC00068.jpg
この真ん中にある橋
これです

当時、つくばには鉄道がなく、どこに行くにもまずはバスで土浦駅に出る必要があった。そのたびにこの橋の下を通るのだが、一見すると薮と薮を繋いでいるようにしか見えず、いったい何のための橋なのか不明なのだ。

つくば民ならきっと「ああ、あるね・・」と思ってくれると思うのだが、県外の方に少しでも分かっていただけるように今回地図をご用意しました。

左端がつくば中心部、右端がJR常磐線の土浦駅。赤い線はバス路線で、中央左のピンが問題の橋だ。

比較のために、つくば中心部の一般的な橋を見てみる。

こんな感じだ。歩行者用の橋で、渡った先に団地か住宅がある。一方今回の橋がこれだ。

いったい誰が渡るための橋なのだろうか。

つくば民に聞きたいのだが、この、花室交差点を過ぎたところのこの橋を渡ったことある人いますか? たぶんほとんどいないと思う。というわけで長年のうっすらとした謎だったこの橋を渡ってみたい。

つくば小ネタ:その1
つくばのバスといえばこれ。元つくば民は関東鉄道の青いバスを見ると安心して涙を流すと言われるぞ。
いったん広告です

いよいよ渡るぞ

もったいぶるつもりもないのでさっくりと渡ろうと思うが、近寄る手段がまず分からない。

足元に来たが、橋の上に登るための階段などはない。 反対側も同じだった。

もっとも近いところにある脇道は私有地で、進むことができなかった。地図に寄ると、いっかい後ろに戻って回り込む必要があるようだった。

赤いピンの辺りが橋なのだが、地図には何も描かれておらず、そこに近寄るための道も描かれていない。不穏だ。(地図に花室城址と書かれている。後で少し触れる。)

「お食事処 花むろ」と書かれたあたりの裏手に道(赤く描いた)があるようなので、そこから近づいてみる。

道は急な上り坂で、道沿いには立派な門構えの家があった。そしてその先に橋の方に向かう分かれ道があった。

絶対この向こうに違いない。上の地図で赤く描いた線が途切れた辺りだ。ここを先へ進む。

進むほどにいい景色になってくる。そしてその先に見えたのがこれだ。

おおお。これだ。これに違いない。

この景色が見えた瞬間はとてもうれしかった。「こうなってたのかー」と口に出た。今まで見えてたのに行ったことのない場所に、初めて行ったときの感慨ってあるでしょう。ゲームのドラゴンクエストで最後の竜王の城に辿り着いたときに実は最初から見えてたあの城だとわかる感じ。この瞬間は、この橋が竜王の城に見えていたのだ。

つくば小ネタ:その2
つくばでは反対に、今まで行けていた団地に行けなくなっていることも多いぞ。ぼくの実家の団地も取り壊しを待っているところだ。

⏩ むこう岸には何が…!?

▽デイリーポータルZトップへ つぎへ>
20240626banner.jpg
傑作選!シャツ!袋状の便利な布(取っ手付き)買って応援してよう

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ