まるで先生がいない片付け番組
参加するのはこの4名
きだてたく:文房具コレクター。家の壁一面が文房具を入れる棚
伊藤健史:バレンチノ、ゴミ分別看板、ハブ、犬シールなど集めている。
西村まさゆき:ライター。家に地図と辞書が100冊以上。
林雄司:デイリーポータルZ編集長。断捨離を倉庫に入れることだと思っている。
まるで片付け番組の体験者のような4人である。違うのはここに片付けの達人がいないことだ。
メンツと服装が廃線散歩と同じだなと思った人は正解である。あの撮影の後に撮った
エントリーNo1 平べったいルービックキューブ
冷静に考えればおれの文房具のコレクションはゴミですからね。でも今日はこれです。
3×3×1のルービックキューブ
ゴミを見せても「いいじゃん」「欲しい」と肯定する会となった。やさしさ地獄である。
そこに伊藤さんがすごいゴミを持ちだした。
エントリーNo2 カップ焼きそばの中ぶた
伊藤さんのだいじなゴミ
理由は分からないんですけど捨てるに忍びなくて。それぞれ湯切り口の形が違うんですよ。車で言えばグリルの表情が違うような味わいがある。
この人たちはインスタント焼きそばの中ぶたを見てロールスロイスだベンツだと話してます
UFOはジェット湯切りで特許とったんですよね。だから穴が違う。
これ実は大切で、ゴミって後で見ようと思ってもないんですよ。みんな捨てるから
(「そりゃゴミだからね」と皆さん読みながら突っ込みをお願いします。)
誰かが持ってないと歴史に残らない。メーカーですら捨てちゃったりしますから。
歴史を残すために僕らは自宅のスペースを提供している
情報量が多い。味わうポイントが多い
開ける線をどのメーカーも強く言ってる。手順も ABCと123がありますね。
指をあてるところの表現が星だったり丸だったり。おもしろいですね。
ふたの下で手を切らないでください。ってどこも書いてある
トップバリュのやつは日清が作ってる可能性が高いですね。穴の形が全く一緒じゃないですか
左がマックスバリュのPB、右が日清UFO
エントリーNo3 旅行中のゴミをまとめたノート

海外旅行に行った時のゴミを全部持って帰ってるんですよ。一旅行一冊です。
日本を出発したときから集めてます。レシート、ホテルカード、旅先で食べたカップラーメンのふた
「牛肉麺、これ辛かった~」(西村)
もちろん路線図も
これは路線図ですね。路線図がゴミとして落ちてるんですよ。で、ゴミを拾うんです。
僕もハブ探しに行ったときのアイスの袋はとってあります。
これは何だ?
これは弁当の周りに巻くやつ。お弁当温めてもらうと熱いからこれをつけてくれるんです。
コンビニで袋くれないから。手で持って帰るようにです。
ほかにも電柱に貼ってあった紙をはがしてきたものとか、現地で買った石鹸の箱とか…
「思い出すなー」
ということで西村さんの旅行ゴミノートは近日中に1本の記事として公開されます。ご期待下さい。
2019/4/24加筆 記事になりました
旅行のゴミを持って帰る「旅行ゴミノート」を作るとマジでたのしい
きっと記事で公開されるミャンマー編からすごいところをチラ見せ。
ホテルのWiFiのパスワードまで貼ってあった
観光地で売ってた絵葉書を列で買ってきてた
エントリーNo4 家庭教師のチラシ
スーパーの荷物まとめる台にささってるやつ。あれ同じように見えて違う会社なのだ
家庭教師のチラシを集めてるんです。このまえ家で台割のパターンをまとめてました
でね、どこもまず1ページめで勉強が苦手な子ほど大丈夫、勉強のやりかたをわかってないだけって書いてあります。
それおれが家庭教師やってる頃からそう言えって教えられました
そのあとは体験学習、電話番号、Q&A、先生紹介という流れです。
手描きなんですね。汚い字ですが頑張って作りました!とある
でも問い合わせ時に○番のチラシを見たと言ってくださいと書いてある
Q&Aの「お茶は出したほうがいいですか?」は定番である
先生紹介はニックネームで、ポーズはガッツポーズが決まりです
1時間前の別の撮影で全員やってたことは忘れてる
エントリーNo5 不用品回収チラシ
紙がものすごく薄い
ポストに入ってるやつですよね。これは捨てるな。さすがにおれも
違う会社でもどこもチラシの周囲に地域が書いてあるんですよ
欄外にサービス地域がぐるっと書いてある
シアン100、マゼンタ100、イエロー100(CMYKという印刷で使う4色をそのまま下地に使っている)
CMYKひとつずつ。次は黒一色ですね。ただ、どの時期のチラシかがわからないんですよ。
「これほんとゴミなんですけど」と伊藤さんが差し出したものは
石垣島で喉が渇いたんで近所の商店で買った乳酸飲料です
ゴミのチラシの上に置くからごっちゃごちゃに
パッケージがいいなと思ったので近くの公園で洗って持って帰りました
旅先で見かけたローカルの牛乳パックは持って帰ろうかいつも迷います
これ、立体のまま東京に持って帰ってきたんです。で、東京でたたみました。手で
エントリーNo6 30年前のプロ野球選手名鑑
1989年。宝物
野球に興味ないんだけど、データがたくさん載ってる本は大好き
データが集まっていることに興奮する西村さん
うちのかみさんが野球好きだから買ってくるんですけど、ずっと見ている
宝塚の名鑑も楽しいですよ。相撲も。左右の握力が書いてあるんです
政治家の情報がカタログ的に載ってる政官要覧という本があるんですが、それでも好きです
選挙ポスターも選挙期間のあとは見られなくなっちゃうじゃないですか。だから選挙の度に一枚ずつ撮ってるんです
選挙ビラのなかにドクター中松のお面があった
ドクター中松がいるみたいだけど生気がないからすごく不気味です
博物館を作るしかない
伊豆あたりにライターが持っている物を集めた博物館を作ろうという話をよくしている。僕らが館長となって来た人を捕まえて長い説明をするのだ。
20年後の北村ヂンさんみたいなライターがやってきて『どうかしてる博物館があって館長がまたおかしい!』という記事を20年後のデイリーポータルZみたいなサイトに書くのだ。
輪廻だろうか。
きだてさんが持ってきた機構がおもしろいフリスビー。「これはゴミじゃない」「紙じゃないからすごい」など絶賛の嵐だった。