ぽんぽこを見に行く
1994年に公開されたスタジオジブリの映画「平成狸合戦ぽんぽこ」。多摩ニュータウンの建設に立ち向かう狸たちのお話だ。「金曜ロードSHOW!」で定期的に放送されているので、年齢に関係なく見たことある人も多いと思う。
この映画に「六代目金長」という狸が登場する。この狸が宮司をしているのが、徳島にある金長神社なのだ。そもそもこのあたりには「阿波狸合戦」という江戸時代におきた狸たちの争いの伝説も残っている。
金長神社には狛犬はなく、代わりに狛狸的なものがある。それ以外にもとにかく狸だらけの神社だ。この辺りはいま開発されようとしているようで、周りは囲われているけれど、神社は今も参拝することができた。
金長神社から少し車で走った場所には「狸ひろば」というものもあり、巨大な金長たぬきが鎮座している。これが本当に大きいのだ。狸は化けると聞くけれど、化けた姿かもしれない。映画でもいろいろなものに化けていた。
大きいことは素晴らしいことと常に思っている。昔、ある写真家の写真展までを追ったドキュメンタリーで、写真家が「インパクトのある写真を展示したい」と言って、展示したのが馬鹿でかく引き伸ばした大きな写真だった。結局、インパクトとは大きさなのだ。
小松島線を歩く
金長神社のある小松島市には1985年まで「小松島線」という路線があった。1913年に開通し、1922年には徳島-小松島間が小松島線となったけれど、1961年に徳島-中田間が牟岐線となったため、中田-小松島が小松島線となり、「国鉄最短の鉄道路線」となった。
中田駅から小松島駅までは1.9キロ。確かに短い。線路があった場所は遊歩道として整備されており歩くことができる。中田駅から歩けば途中までは牟岐線と並行しているけれど、途中からそれは終わり、家々が並ぶ中を行く。
牟岐線は電化されていない。もちろん小松島線もそうだった。小松島線が廃止されてからはバス輸送に転換されたそうだけれど、そのバス路線も廃止されたようだ。ただ遊歩道があるので歩きやすい。夕方頃に歩いたので、多くの学生が駅に向かい歩いていた。
遊歩道を歩いていると、当時の名残を発見することができた。信号だ。1985年に廃止されたので、もう30年以上この信号は信号としての働きはしていないということ。でも、発見した私を喜ばせてくれる。そういう人に私はなりたい。
小松島駅は現在は小松島ステーションパークとなっている。公園だ。駅舎の位置は厳密には異なるようだけれど、当時の雰囲気を味わうことができる。ちなみにこの小松島ステーションパークの向かい側が狸ひろば。見所がギュッとなっていていい。
阿波ういろを食べる
運動すると甘いものを食べたくなる、ということで、「阿波ういろ」を食べようと思う。江戸幕府11代将軍の時代にサトウキビの栽培が阿波の国に伝わったのが始まりだそうだ。そのサトウキビで阿波和三盆糖が作られ、そのお祝いに食べられたのが「阿波ういろ」だ。
ういろうは白かったり、黒かったりするけれど、阿波ういろは黒い。ういろうは米粉がメインだけれど、阿波ういろは小豆がメイン。また和三盆糖が入っていたりと、思い浮かべるういろうとは異なる。そもそも「ういろう」ではなく「ういろ」だしね。
食べてみるとめちゃくちゃ美味しい。確かにういろうよりは、羊羹に近いが、米の甘さがあるというか、キメが細かいというか、美味しいのだ。個人的にはういろうと羊羹の間のような、新しい食べ物な気がした。