特集 2023年4月26日

全長12.2km。都電荒川線を1日かけて歩くと、すべてが愛おしい

東京にのこる唯一の都電、荒川線。

むかし懐かしい雰囲気で老若男女に愛される路面電車だ。

30の停留場を持ちながら、終点の早稲田から三ノ輪橋まで全長は12.2kmだそうだ。

12.2km、思ったよりこじんまりとしている。

あれ、なんだか歩けそうだ。

1日かけて沿線をゆっくり歩くには、ちょうどよい気がする。

実践してみたら、これがたいへん良かったので紹介したい。

平成元年生まれ。令和から原始まで、古いものと新しいものが好き。

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ちょうどよい旅情、ちょうどよい達成感

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薔薇が咲き誇る終点・三ノ輪橋停留場

去年の秋から冬にかけて、早稲田から三ノ輪橋の方向に3回歩いてみた。

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都電荒川線・路線図
しんぎんぐきゃっと, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

12.2kmとはいえ、鉄道路線の全区間を歩くのだ。

ああやっぱり大変だった、でもそれだけ達成感も格別だ!

……なんて記事になりそうなものだが、実際のところ、日々それなりに活動している成人男性が感じたのは確かなちょうどよさであった。

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早稲田大学の最寄り駅でもある西の終点・早稲田停留場

朝、早稲田を出発して、ゆっくりと沿線を散策しながら日暮れ前に三ノ輪橋につく。

非日常にタイムスリップするでもない、生活と地続きのグラデーションなレトロさが、ふつうの休日にはちょうどよかったのである。

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学習院下の長い坂道を登り、
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雑司ヶ谷から池袋方面に進んでゆき、
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雰囲気ある小径を横目に、
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巣鴨にある庚申塚停留場を抜けていき、
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明治通りとの併用軌道(車と一緒に走る区間)となる飛鳥山を越え、
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本屋のある駅・梶原停留場を抜けて、
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薔薇のきれいな荒川遊園地前付近を歩き、
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線路脇の細い道をひたすら進むと、
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最後は終点・三ノ輪橋停留場にたどりつく

全線歩くとちょうどよく疲れるし、ちょうどよくやり切った感がある。

そして、レトロな商店街の親玉みたいなジョイフル三の輪商店街に感動するのだ。

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夕暮れ、賑わいをみせるジョイフル三の輪商店街
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たどりついた先の桃源郷、あめみや
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歩き疲れた体にあんみつが染み渡った

もちろん、疲れて乗りたくなったら乗ればよいし、歩いた分だけたくさん食べても罪悪感ゼロだ。そんなおおらかな旅が都電荒川線には合うと思う。

(ざっくりと9時早稲田、11時庚申塚、13時飛鳥山、15時熊野前、17時三ノ輪橋という感じで途中休憩をとりつつ歩くのがおすすめ)

歩いても楽しい都電荒川線、その魅力を語りたい。

⏩ 歩いた方が電車の姿をたくさん見られる

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