特集 2018年12月3日

天然のナメコとエノキは栽培ものとちょっと違う

よく食べる身近なキノコの天然版を探してきました。

我々が普段食べているキノコのほとんどは栽培されたものだが、市販品は天然のものとほぼ同じ姿のものもあれば、ちょっと違う育ち方をするものもある。

シイタケ、マイタケあたりはほぼ同じ。ちょっと違うのがナメコ、そして全然違うのがエノキだ。キノコ図鑑でしか見たことのなかった(と思っていた)天然のナメコとエノキを採りに行ってきた。

趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。

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天然のマイタケとシメジはこうだ

ナメコとエノキの話をする前に、以前採ったマイタケとシイタケを紹介する。

成長具合にもよるのだろうけれど、天然のマイタケはちょっとワイルドで、どこか無骨な感じがするけれど、市販の栽培物とそこまで大きな違いはない。食べてみると樹の香りとざっくりした歯ごたえが強い。

天然と栽培の違いという意味では、魚でいうところのアユみたいな感じだろうか。

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自然環境で育ったマイタケ。


シイタケに関しては、市販されている姿そのままだった。天然の原木栽培である。

味もまさにシイタケであり、自分で見つけたんだぞという気持ちによる加点で風味が強く感じられたが、言われなければわからないかも。

天然と養殖の差でいえば、ホヤくらいといったところだろう。

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肉厚な椎茸。

そして本題のナメコだが、そういえば栽培キットで育てたことがある。

天然のナメコと市販されたナメコの差よりも、自宅で育てたナメコの方が、意外と驚きが大きかったりする。

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想定外の場所から生えてきたヤマタノオロチのようなナメコ。当サイトの「きのこ部」という活動より(こちら)。

そんな話を踏まえまして、キノコ狩りへと参りましょう。

佐渡の山でキノコ狩り

ナメコを求めてやってきたのは、日本海を渡った先にある佐渡島の山の中。ちょうど紅葉まっさかりの雑木林だ。

今キーボードで「ぞうきりん」って打ったら「象キリン」と変換されたけれど、佐渡にはクマやイノシシといった大型哺乳類がいないので、安心して山歩きを楽しめる。

別にナメコが佐渡島の特産という訳ではないのだが、先日佐渡へと行った際、キノコ好きの海野さんという友人に山を案内してもらったのだ。

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年に100日は海か山に入っているという海野さん。

上記の写真だとうっそうとした森に分け入って捜し歩いている風だが、実際は車道の脇にわかりやすくナメコが出ていた。

佐渡はキノコ狩りをする人口に対して、生えてくるキノコの割合が高く、関東なんかに比べてずっと探しやすいのだろう。

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車を降りてすぐの場所にドーン。

「これは最高の状態ですね!」と海野さんが興奮気味に教えてくれたナメコは、市販品よりもずっと大きく、カサが少し開いた状態だった。

天然のナメコは、これくらいが食べごたえもあってうまいらしい。そういえばちょっと品揃えの良いスーパーなんかでも、原木栽培のこういうナメコを見かけるな。

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これが天然のナメコ。虫喰いも少なく、とても状態が良い。
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見上げてごらん、ナメコの胞子を。ナメコも成長すると傘を開くんですね。

ナメコといえばヌメリがたっぷりというイメージだが、このナメコはぬめっているというよりも、少しペトペトしているという感じ。

それでも周りの落ち葉なんかはカラカラなので、だいぶ保湿力は強いのだろう。

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その辺で普通に売られているキノコを、わざわざ自然の中で見つけるというのがいいんですよ。
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この辺はだいぶ育ってきた株。成長するとぬめりが弱まるようだ。
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ナメコ、いいわー。
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近くでみてもいいわー。
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「はい、目線こっちでー」と、キノコとおじさんのグラビアを撮る海野さん。

天然のナメコを収穫する

海野さんの案内のおかげであっさりと見つけた天然のナメコをしっかりと愛でたところで、ありがたく収穫させていただこう。

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海野さんと初めて会ったときは7年前の夏で、海に潜ってモリでイシダイを突いてきてくれた。今日は森でナメコである。

このように密に生えるキノコは下(外側)から順にハサミで足を切っていくのがコツとのこと。

この時点でゴミなどを極力とっておくと、料理の時にがんばった自分を褒めてあげたくなる。

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一本ずつ丁寧に収穫していく。これが楽しいんだ。
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まだ若いナメコは傘の裏に薄い膜があり、食べるならこれくらいが絶妙とのこと。
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入れ物にオヤマボクチというサラサラした葉っぱを敷いておくと、ナメコがくっつかないそうです。あと用足しのときにこれでお尻を拭くと気持ちがいいってさ。

食べ頃のナメコをチョキチョキと収穫していると、その下からかわいいベビーナメコが現れた。

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市販のナメコってこの段階で収穫するのか。

おお、この姿こそは市販品のあのナメコ。なるほど、これはヌメヌメだ。

この大きさで集めてパックに詰めるなんて、ナメコの生産者は大変ですね。

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別の木で見つけたナメコらしいナメコ。虫に食われて弱ったところから生えてきている。

ところで今年は何本のミョウガを食べただろうか。

天然のナメコを初めて見られてやったぜーなんて思っていたのだが、この記事を書くにあたってマイタケの写真を使おうと、「天然マイタケを採ると本当に舞い踊るのか」という記事を確認したところ、これぞナメコというナメコをすでに私が採っていて驚いた。

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あー、そういえば採った!

このナメコを採ったのは3年前か。これはもう記憶の時効でいいだろう。

バカやっちまったよと己の物忘れの激しさを嘆くよりも、まっさらな気持ちでまたナメコとの遭遇を喜べたじゃないかと前向きにとらえて、今後もぼやぼやと生きていきたいと思う。

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これはクリタケの老菌。

 

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