特集 2026年6月9日

続・建物の汚れカタログ

建物は汚れるものだが、そこには実はパターンがある。以前にも書いた記事以降に発見したすごい汚れを紹介したい。

1976年茨城県生まれ。地図好き。好きな川跡は藍染川です。(動画インタビュー)

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おさらい:建物の汚れとは

以前、「建物の汚れカタログ」という記事を書いた。

建物の外壁について、その汚れ方のパターンを紹介するというものだ。その後もさまざまな汚れを収集しているので、前回の記事をおさらいしつつ、すごい汚れたちを紹介したい。

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庇パターン

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まずは以前のおさらいから。換気口の下に2本の筋が見えている。

これは、換気口の庇(ひさし)の上に積もったホコリが雨で両脇に流されて壁に付着したものだ。外壁にはこういう汚れがよくある。これを庇パターンと呼ぼう。

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支柱パターン

つづいてはこれだ。ブロック塀の真ん中のところだけがひどく汚れている。

なぜかというとその上に支柱が立っているからだ。

雨が降ったとき、水滴が支柱を伝わって集中的にブロック塀に流れてくる。そのとき、塀の上部にあったホコリを巻き込んでここだけが汚れるのだ。それをもとに菌類や藻類が繁殖して黒くなっている。

支柱パターンと呼ぶことにする。 

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目地パターン

こういうのもある。緑色に苔むしたような筋が縦に並行している。

答えは、矢印のところにタイルの目地があるのだ。上部に降った雨はこの目地を通って集中的に下に流れるので、同じように上部につもったホコリがここを汚すのだ。ホコリと水をもとに藻類が繁殖しているので緑っぽくなっている。

ここまで、庇、支柱、目地のパターンを見たが、いずれも雨が集中的にどこかを通って、その際に上部のホコリが壁に付着するというものだった。

しかし建物の汚れのパターンはまだまだいっぱいある、というのが今回の話である。

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雨の跳ね返り

壁の下の方だけが汚れている。これはなんだろうか。

実は雨の跳ね返りなのだ。その際に地面のホコリが壁に付着して、藻類が繁殖してやや緑色になっている。

このパターンでおもしろいのは、跳ね返った地面のようすが壁に転写されるということだ。

すぐ隣の壁なのだが、こちらでは下の方が茶色になっている。その下の地面に土があるからだ。壁の下の方の汚れは、地面のようすを反映する。

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換気口の吹き出し口

冒頭で換気口の両側に雨汚れがある例を見たが、こちらは同じ換気口でもまた別の汚れだ。

換気口のフィルターにホコリがたまり、それが吹き出された際に静電気によって壁に付着したのだろう。家のエアコンの吹き出し口にホコリがたまるのと似たような理由だ。

雨から逃れても、こんどは吹き出し口が汚れる換気口。つらい運命である。

あらかじめ塗っておくパターン(以前の記事より)

こんなふうに換気口はなにかと大変なので、あらかじめ塗っておく対策もとられるというわけなのだ。

人の営みによる汚れ

長い間の人々の動きによって生じる汚れもある。

知人の磯部さんという編集者が集めている、雨の日の階段のようす。右側だけ汚れている。なぜだろうか。

駅の階段は左側通行なことが多いので、右側はくだりになる。雨の日は濡れたホームから人が降りてくるので、そちらだけ汚れるのだ。

それが繰り返されると、とくに雨が降ってない日も右側だけが汚れた状態になったりする。 

 

こちらでは駅のベンチの上が、席ごとにぼんやりと丸く汚れている。

おそらく、ここに座った人の頭や背中の跡なのだろう。よく見ると黒い輪郭の内側はむしろキレイになっている。髪や服がモップとなって、壁を掃除したのではないだろうか。

似たような例は赤瀬川原平『超芸術トマソン』でも紹介されており、整髪料による汚れではないかと書かれていた。

⏩ 植物の営みによる汚れ

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