らくがきせんべいを描きたい
お祭りの屋台にある「らくがきせんべい」をやってみたいと密かに思い続けていた。私の地元では見かけるのだが、地域性があるのか、知らない人も多いようだ。
たこせんにシロップで絵を描き、色付きの砂糖をふりかけるものである。いわゆる砂絵みたいな感じだ。屋台にスペースがあり、そこで自分の好きな絵を描ける。
関東のお祭りの屋台で多いようで、場所によってはチョコスプレーをかける場合もあるそう。
見かけるたびにやろうかなと思うのだが、屋台でやるにはかなりスピード感を求められる。暗黙のルールだが、ほぼ一筆書きしか許されない雰囲気なのだ。後ろで待っている人もいるし、あの緊張感の中でうまく描ける気がしない。あと味が美味しいのか疑問もあり、一度もチャレンジせずに大人になった。
でも、これ家でもできるんじゃないか。たこせんはスーパーで買えるし、シロップや砂糖も探せばネットで買えるはず。しかもそんなに高くなさそう。
調べてみると「らくがきせんべいセット」という商品があった。40枚セットで2000円程度である。2000円で手に入る夢なら叶えておいた方が良いと思い、迷わず注文した。
届いた
小さいビーズのような、荒めの砂糖である。シロップもついていると思ったのだが、セットに入っていなかったのでスーパーに買いに行くことに。
……でも、シロップって何!?練乳とか……?
調べてみると、ガムシロップのようだった。ネットでは小分けになってない大容量のペットボトルがたこせん用に売っていた。流石にスーパーにはないので、普通に売っている小分けのものを買ってきた。
描いてみよう
どんな感じなのか、1枚試してみよう。
全面にシロップを塗ったら、砂糖をまぶしていく。
本当にその部屋全体が甘い匂いに包まれた。砂糖の影響力が凄まじい。普通の砂糖と違うのだろうか。
そしてどう考えても皿が小さいが、アトリエにはこれ1枚しかない。確実に皿1枚でできる作業量じゃないので後で買ってこよう。砂糖をまぶした後、軽く払う。
持つところを定期的に変えないと割れるということが分かった。全面にシロップをかけたはずだが、ものすごくムラになっている。きっとシロップが塗れてなかったのだろう。透明だからどこを塗ったかよく分からないのだ。
どうしよう。全然うまく行く気がしないぞ。とりあえず、 本番はたっぷりシロップを塗ることを心がけよう。
ムンク
せっかくなので名画をたこせんに描きたい。まずはムンクの「叫び」を描こう!4色で描けるだろうか。
塗り絵でもなんでも、最初は薄い色から塗る癖がついているので、まずは黄色から塗ろう!
次は赤をのせようとしたら、砂糖が固まっていた。
もしかして、暖房で溶けてる……??
温風が直で当たってる場所だからかな……。もしくはこういうものなのだろうか。よく分からないけど、とりあえずエアコンを消すことにした。たこせんって、こんな寒い中やるものなの??修行!?
結構いいんじゃない!?若干肩幅が狭くなったけど、どう見ても叫んでる!!
細い線も綺麗に描けた。4色で描けるか心配していたけど、ポップアートのような可愛さがあってこれはこれで良いぞ。ユニクロとコラボして欲しい。

