練馬大根
練馬大根とは練馬地域で作られた大根の総称で、練馬大根という品種があるわけではない。「練馬秋づまり大根」と「練馬尻細大根」が基本となる。「練馬秋づまり大根」が煮物に、そして「練馬尻細大根」がたくあん用大根となる。
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明治7年の「東京府志料」によると東京府(現在の東京都)のたくあん産額の80%以上を練馬区が占めていたそうだ。練馬はたくあんの一大産地だったのだ。つまりたくあん用の練馬大根がたくさん作られていたことになる。
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私は練馬大根を食べたことがない。今ではかなり限られたところでしか販売されていないからだ。その理由は戦後、練馬大根の生産量が減ったことにある。畑も減っているだろうし、キャベツへの作付け転換の増加もあった。だったらもう自分で育てて食べようと考えた。
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たくあん用大根
練馬で育てられるから練馬大根なわけで、上記の畑は練馬にないので、どうしたって練馬大根にはなりえない。また純粋な練馬大根の種も手に入らなかったので、「練馬たくあん」という品種の種を買った。練馬大根の肉質を受け継いだ、たくあん用の大根だ。
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「練馬たくあん」という品種は、厳密には練馬大根である「練馬尻細大根」とは異なるけれど、たくあん用の品種なので、味の方向性は一緒なはずだ。
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どちらもたくあんに加工しやすい特徴を持っている。水分が少なく乾きやすいのだ。細長い見た目からもそれがわかる。バスタオルを短く丸めて干すよりも、細く丸めて干した方が速く乾くのと一緒だ。バスタオルだと広げて干すのが一番速く乾くけれど。
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練馬で料理だ!
収穫した練馬たくあん大根を普通に料理して食べるために、収穫した大根を持って練馬にでかけた。せっかくの練馬大根(厳密には「練馬たくあん」ってやつだけど)なので、練馬で作った料理が食べたいと思ったのだ。
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私は練馬に住んでいるわけではないので、料理をしてくれる練馬在住の知り合いを探した。運良く料理系のお仕事もしているTさんが作ってもいいと言ってくれたので、ありがたく料理してもらうことにした。
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Tさんは練馬に住んでしばらく経つそうだけれど、練馬大根は食べたことがないそうだ。細いですね、と言っていた。そう細いのだ。プロが育てれば、もしかするともう少し太くなるのかもしれないけれど、どのみち細いという感想を持つフォルムにはなる。そういう大根だから。
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本当は自分で料理をしようと思っていたのだけれど、私が料理をすると基本全部醤油味になる。頼んでよかった。ちなみに出汁という概念は20年前に捨てた。
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Tさんは練馬たくあん大根を生で食べて「辛みがあるけど後に引かない」と言っていた。ちなみに練馬区が出している『練馬の伝統野菜 練馬大根 練馬大根の「知りたい」がここに。』という本には「練馬尻細大根の美味しい食べ方と言えば沢庵漬け」と書いてある。
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本に書いてあることを全て無視して、普通に料理をしてもらっている。「貴重な体験ではあるね」とTさんは言っていた。ちなみに練馬区で練馬大根の販売があると長蛇の列ができて早々に売り切れるそうだ。
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実際に私も練馬大根を買うことのできるイベントに出かけた。販売開始の30分後に現地に着いたら、もちろん長蛇の列で今から並んでも買えないと言われた。大人気なのだ。結局買えなかったけれど、アンケートに答えて練馬区のキャラが描かれた小袋をもらった。
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