写真が全然上手く撮れない日ってあるよね
この日は最初から最後まで写真が上手く撮れなかった。なぜかタイミングが悪く余計なものと被ってしまったり、見切れてしまったりするのだ。
今回みたいにこのためだけに辺鄙なところまで出向いて写真が上手く撮れないと絶望しか感じないので、もうちょっと練習しようと思います。
スジャータのトラックは良いものだ。街中であのトラックが走っているとつい目を向けてしまう。あの独特のカラーリングのせいなのか、逆さまに書かれたターャジスのせいなのか、理由は定かではないが不思議な魅力がある。
当サイトでは生粋のターャジストであるほりさんが過去の記事でその魅力について余すことなく語っているので、私のような新米ターャジストが改めて語る余地はないのだが、実は今日はトラックの話ではない。
なんとトラックではなくスジャータのバスがどこかで走っているというのだ。スジャータのバスなんて見たすぎるだろう。これは探しに行くしかない。
ほりさんの胸を借りるつもりで、その一部始終を記事にしました。
最初に書いてしまうが、どうやらスジャータのバスというのはスジャータを販売するめいらくグループの従業員専用の送迎バスらしい。しかしネットでいくら調べても、どんなルートを何時に走っているのか全然出てこない。まぁ従業員用のバスで一般の人を乗せるためのものではないので当たり前か。
というわけで千葉県は佐倉駅へとやってきた。なぜかというとこの駅の近くにめいらくグループの工場があるから。この千葉工場でスジャータのバスを見たという目撃情報をネットで見つけていたため、工場の最寄り駅である佐倉駅ならば送迎バスが見られる可能性が高いと踏んだのだ。
送迎バスならば通勤の時間帯の方が見られそうだと思い朝9時前に佐倉駅へやってきたものの、本当にここにバスがやってくる保証はない。佐倉駅は北口・南口にそれぞれバスロータリーがあるが、どちらにもスジャータ専用バス停のようなものはなかった。
バスが来る確証を得られず不安は募るが、とりあえず工場がある側に位置する南口でしばらく待ってみよう。
30分くらい駅前で待ってみたがスジャータのバスは一向に現れず、「ここには来ないんじゃないか」という思いがどんどん増していく。現れる確証がない中で待ち続けるということはなかなか辛い。忠犬ハチ公はそれを10年やったというのだから本当にすごい。俺は忠人にはなれない。
もしかしたら朝の送迎は既に終わってしまったのかもしれない。乳製品の会社ってなんか朝早くから働いてそうだし。
駅前にバスロータリーを監視できるようなカフェもないのでとりあえずめいらくの工場の近くまで行ってみることにした。しかし調べても近くまでいく路線バスが出てこなかったので、近くにあるDIC川村記念美術館への送迎バスで向かうことにした。
バスに乗って5分ほど経った頃だっただろうか。全然知らない町の全然知らない車窓を楽しく眺めていると、なんとスジャータのバスらしきものとすれ違った。
ともに結構な速度で走っていたので全景をしっかりと捉えられたわけではないがあのカラーリングは間違いなくスジャータのバスである。あっ!!と思ってカメラを構えたが写真に収めることは出来なかった。
あと数分駅で待っていればスジャータのバスを見ることが出来たに違いない。今回はスジャータのバスを見つけることが目的なので、それで目的が達成されていたはずだ。
何とも言えぬ悔しさと同時に、簡単には見つけさせてくれないスジャータバスのレアっぷりに「そうこなくっちゃ」という想いも湧いてくる。俄然伝説のポケモンっぽさが出てきた。
先ほど「近くにある」と書いたがここからめいらくの工場までは歩いて40分ほどかかる。駅から歩こうと思うと1時間15分ほどかかるので約半分の距離だ。近い!と自分に言い聞かせ、ここからめいらくの工場を歩いて目指す。スジャータバスのためなら何のそのである。
工場についたものの、敷地の中には入れないし入口にバス停があるわけでもないので、スジャータバスがいつどこにやってくるのかは依然として不明なままだ。
この工場への送迎でスジャータバスが運行されていることはどうやら間違いなさそうだ。
この入口ではないところにバス停のようなものがあるかもしれないと思い別な入口まで行ってみたが特にバス停のある雰囲気はなく、正面口と思われる最初の入口で待った方が良さそうなので引き返すことにした。
と思って入口に向かって歩いていると、なんと工場からスジャータバスが出てくるではないか!
思わず駆け出すも、スジャータバスはどんどん逆の方向へ走り去ってしまう。
駅でのすれ違いに続き、ここでも絶妙にタイミングを逃してしまった。あと数分、入り口で待っていれば見られたのに、こんなことってあるか。
嘘みたいな展開にどんどんスジャータバスへの想いが募っていく。相手に気を持たせるためにLINEやメールの返事をあえて遅らせる恋愛テクニックがあるがまさにそれだ。スジャータバス、駆け引きが上手すぎる。
こうなればもう一度やってくるまでこの入口で待ち続けるしかない。こちとらスジャータバスを見るためだけにここまでやってきているのだ。
先ほどスジャータバスの後ろ姿を見送ってから30分が経った。スジャータのトラックが時たま往来するのでそれを写真に収めたりしていたが、基本的には何もない工場地帯である。時間が経つのが長く感じられる。
帰宅時間の夕方までもうバスは来ないんじゃないかという不安が首をもたげるが、いやいやここで動いたら負けだという想いで粘っていると、トラックではない何かがやってきた。
ついにその全貌を捉えることができた。あのカラーリング、スジャータの文字、どこからどうみてもスジャータのバスである。駅で見た他の会社の送迎バスと比べてもその気合の入れようが段違いなことがよく分かる。
この車種にはこのデザインが一番合うんじゃないかと思わせるほどにマッチしている。それにカラーといいフォルムといい全部がかわいい。タカラトミーは早くこの送迎バスのトミカを販売するべきだ。
待ちに待ってのご対面だったため緊張したのか、興奮したのか分からないが、写真が絶望的に失敗している。ここまで待ったのにこれでは悔しすぎる。時間はたくさんあったのだから他の車で撮る練習でもしておけばよかった。
自分の準備不足を責める以外に気持ちのやり場がないのだが、せっかくなのでもう1台だけ来るのを待とう。大好きな彼女のためならもういくらだって待てる、そんな気持ちになっている。スジャータバス、駆け引きが上手いどころか恋愛マスターかもしれない。
前回からかなり時間が空いたのでもう諦めようかなと思った頃、再びあいつがやってきた。よし、泣いても笑ってもこれが最後だ。
この日は最初から最後まで写真が上手く撮れなかった。なぜかタイミングが悪く余計なものと被ってしまったり、見切れてしまったりするのだ。
今回みたいにこのためだけに辺鄙なところまで出向いて写真が上手く撮れないと絶望しか感じないので、もうちょっと練習しようと思います。
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