目次
- ターャジス定点観測。同じ場所は同じトラック?
- 四桁の数字について調べたら真理に近づけるのか
- ターャジスグッズ。シャツとチョロQ
- ターャジスボードゲームを勝手に作った
「ターャジス」と書かれたトラックがある。街でたまに遭遇する、独特な色彩のトラックである。私はこのトラックが大好きで、見つけては撮影している。好きすぎるあまり、Twitter上で #ターャジスあつめ というハッシュタグを作り、共有している。今回はターャジスについてもっと語らせてほしい。
ターャジスと書かれたトラックはスジャータめいらくグループのトラックである。あのトラックはコーヒーフレッシュやアイスや飲み物を飲食店やスーパーに運んでいる。
スジャータを右から左に読むとターャジスとなる。いわゆる、「逆トラック」や「逆向き看板」と呼ばれ、走行するトラックを進行方向から見た際、読みやすい表記となっている。かつてはターャジス以外にも逆トラックが結構あったが、ふつうに左から読んだほうが早いので近年は減ってきている。生き残った逆トラックの代表がターャジスだ。(しかし、実はそのターャジスも減ってきているのですが、それについては後で説明します)
ターャジスについて私が記事を書くのは今回が2回目である。1回目の記事ではターャジスの読み方についてスジャータめいらくグループに問い合わせた。「人類がまだ発音できていない言葉」とまで言われたターャジスの読み方について尋ねたが、対応してくださった広報の方にかたくなに「『スジャータ』と右側からお読みください」と言われてしまった。そういうことじゃないのに。ターヤジスとか、タージャスとか、そういうのを聞きたかったのに。
さて、かねてよりターャジスが大好きで個人ブログでターャジス写真を集めては批評するなどをしていた私だが、1回目の記事でターャジスの内部事情について知り、余計にターャジスが好きになってしまった。愛が止まらない。1回目の記事で分かったことを整理する。
とくに、ターャジスが減っていることは衝撃的だった。実は、長年の観察でなんとなくそんな気はしていたのだが、公式に言われるとショックだった。(聞いておいてなんだが。)
しかし、明日から全部ターャジスがなくなるというわけではない。少しずつ、新車両への交代によって減っていくのだ。ならば我々ターャジスト (ターャジスを愛する人のこと)にできるのは、最後の1台のターャジスがなくなるまで、観察し続けることだ。
前置きが長くなったが、この記事は減るターャジスと増えるスジャータについての記事である。語りたいことがたくさんあるので好きに語らせてほしい。ここからが本題。語りたいことが多いので目次を作った。
豪華4本立てです!
さて、平日の昼間に街を歩いていると、東京23区内だとほぼ100%の確率で例のトラックに遭遇する。(いま、「そんなことはない」と思った方はたぶん、遭遇してるのに見逃しているだけです。) ターャジスを見つけるたびにターャジスを撮影していると、「前と同じ場所でターャジスを見つけた」という事案が発生する。そうなると気になるのが、「同じ場所には毎回同じトラックがいるか」だ。過去の同一場所撮影事例からそれを調べた。
下北沢の駐車場には高確率でターャジスに出会えるスポットがある。
さて、3つの写真に写るトラックの右上の赤い円に注目してほしい。4桁の番号がある。どの写真も5693と書かれている。
この番号は何を表しているのか。私の勝手な想像だが、この番号はトラックの管理番号で、同じ番号のトラックは世の中に2つと存在しないと思う。つまり、先ほどの写真のトラックはいずれも同じトラックということになる。トラックごとに配送ルートが決まっているに違いない。
新宿駅前にも高確率でターャジスに出会える場所がある。アディダスの前だ。
上の写真の赤い丸の番号は6229。真ん中の写真も6229。そして、下の写真を拡大すると…
画質の関係で見にくいが、6229!つまり、すべての写真は同じ番号である。
ところが、2019年8月撮影の写真では、
ターャジスではなくなっている。両面スジャータだ。これは大変なことだ。新宿のターャジスは両面スジャータに置き換わった。ターャジスが減り両面スジャータが増えるという現実を、定点観測が可視化した瞬間である。
もちろん、そうじゃないのかもしれない。たまたま両面スジャータが止まっていただけなのかもしれないし、何かの事情でたまたま配送ルートが変わっただけなのかもしれない。わからない。わからないが、いつものターャジスの場所に当然のように両面スジャータが止まっているのを見た時はとても衝撃的だった。
さて、トラック右上の四桁の数字。どうもあれが気になっている。あの数字はトラック識別番号だと思う。
ここで仮に、新しいトラックが作られるたびに数字が増えているとしたらどうだろう。古いトラックほど小さい数字で、新しいトラックほど大きい数字になる。そして、新しいトラックはターャジスではなく両面スジャータであることを踏まえると、ある数字を境にターャジスが両面スジャータになっているのが分かるのでは?
実は四桁の数字に注目するのは、Twitterの#ターャジスあつめ 参加者の中で前から指摘されていたことだ。しかし、まだ誰も真相を明らかにしていない。なんか、明らかにするのが怖いのだと思う。わかる。近づいてはいけない森にずかずかと入っていく感覚がある。
森に足を踏み入れる。Twitterに投稿された写真や、私が過去に撮った写真、また、その他インターネットの画像検索で見つけた写真を片っ端から調査し、トラックの右側に書かれている文字と、赤丸の数字をひたすら記録していく。
61件の画像を調査した結果がこちら。
ターャジスの最大値は6298で、両面スジャータの最小値は6306。この間にスジャータショックが発生したとみてよさそう。ただし、6269だけ例外的に両面スジャータである。6269にはスジャータ坊やが描かれていることから、何か意味のある例外だと思うが、何を意味するのかは分からない。試験的な両面スジャータの導入か、なんらかの記念の数字か。
また、今回の調査で、全国に5台しか走っていないスジャータ坊やのうち、3台の番号が判明した。6100、6269、6306。あとの2台の番号も気になる…。
四桁の数字を調べたら真理に近づいた。よかった。これからは左スジャータを目撃しても、慌てる必要はない。なぜなら…
これは左スジャータであるが、番号が6300より小さいので、右側はターャジスである。落ち着いて右側に回り、撮影すればよい。
ターャジスが好きすぎてグッズを買った。グッズが売られているということはターャジス好きが他にもいるということなので嬉しい。
まず買ったのはチョロQ。
さて、番号が3388ということは、6200よりも小さい。すなわち、
他にも、Tシャツ。これはこないだBEAMSのコラボ企画で売られていたTシャツだ。
ターャジスを身にまとえる幸せ。これ以上語るとひかれそうなのでやめておく。
さて、ターャジスが好きすぎてターャジスのボードゲームを勝手に作った。その様子をご覧いただきたい。
ルールはとても簡単だ。2チームに分かれ、トラックを移動させてターャジスを観測する。
1. 両チームともターャジストの駒を3つずつ好きな場所に配置する
2. 手番のチームは目的地カードをめくり、目的地へ最短経路でトラックを動かす。 (最短経路ならどんなルートでもよい)
3. 移動の途中、トラックの右側を観測したターャジストのチームはトラックカードをめくる。トラックカードがターャジスの場合は1点。それ以外の場合は0点。
4. 両チームともターャジストを移動させることができる。(移動は1ブロック分のみ。) その後、手番を入れ替える。
5. トラックカードか目的地カードがなくなるまで2~4を繰り返し、獲得点が多いチームが勝ち。
戦略要素と運要素の両方がある、とても平和なゲームだ。ターャジスを観たつもりが両面スジャータだった時のがっかり感をゲームで表現している。
実際に友人たちに遊んでもらった。
トラックを動かしている様子。「ターャジス権」(トラックカードをめくる権利のこと)など、新しい言葉が生まれている。
「思ってたより頭を使う」「結局運ゲー」「駒の配置がめっちゃ重要」など、いろんな意見が出た。楽しんでもらえて何より。
このボードゲーム、商品化したいけど、スジャータめいらくさんやいろんなお店に怒られそうなので無理だ…。
広告記事じゃないのに、ターャジスのトラックだけでこんなにも掘り下げてしまった。ただのマニアだ。
なんだか気持ち悪い記事になってしまったが、伝えたかったことはあのトラックのかわいさである。トラックの色もフォントも冷凍品の取り出し窓も全部がかわいい。そしてターャジスの発音のできなさが憎らしい。よい。
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