イベントに増して、会社も人も謎だった
イベントを主催するのは、カレーにまつわる企画を実施する「CHANCE THE CURRY」という会社の代表であり、また、カレーユニット「カレー三兄弟」の三男としても活動するタケナカリーさん。
イベントも分からないが、カレーにまつわる企画を実施する「CHANCE THE CURRY」も、「カレー三兄弟」の三男、という肩書もよくわからない。
まずはそこから聞いてみる必要がありそうだ。
ーー本日は、タケナカリーさんが代表をつとめられている「株式会社CHANCE THE CURRY」の事務所におじゃましていますが、まずこちらはどのような会社なんでしょうか?
タケナカリー:僕はもともと、WEB制作会社をやっていたんです。それは基本的に現在も変わっていなくて、うちの会社ではその部門を「ライスワーク」と呼んでいます。ごはんを食べるためにやっている仕事という意味で(笑)。
ーーカレーライスの「ライス」の部分(笑)。
タケナカリー:それで、僕がきちんとカレーを食べ出して、つまりカレー活動をしだして7年目なんですが、カレーというものを使って、なにか面白い企画やイベントなどができないか? と思った時に考えた屋号が「CHANCE THE CURRY」なんです。その活動にどんどん本気になっていった結果、会社名もそっちにしてしまえというわけで、4年前にできたのがこの会社で。
ーーなるほど。覚悟を感じます。
タケナカリー:ありがとうございます。カレー活動に関しては、最初はカレーイベントを企画して出店したり、食べ歩いたカレーを記録するコンテンツを作ったりというところから始まりました。その後「カレーとなにかをかけ算する」というテーマが固まってきまして、アパレルブランドの「niko and ...」さんと組んで、いろいろなカレー屋さんのグッズやTシャツをキュレーションしたポップアップショップをやったり、「CURRY&MUSIC JAPAN」という、カレーと音楽のフェスで、レシピ監修やトークショーしたり
毎日カレーを食べていて自然と集まった「カレー三兄弟」
ーータケナカリーさんはまた、3人組カレーユニット「カレー三兄弟」の三男としても活動されていますよね。こちらは具体的にどのようなことを?
タケナカリー:これはCHANCE THE CURRYとは直接の関係はなく、毎日カレーを食べるという活動を続けていると、おのずと同じような人が目に入ってくるようになるんですよね。「この人、連続何年目だ。すげぇ!」みたいな(笑)。現在でいうと、長男が16年目、次男が11年目、僕は連続記録はやめてしまったんですが、7年間くらいはほぼ毎日カレー食べてますね。
ーーみんな本気すぎる!
タケナカリー:自分でもけっこう食べているつもりだったんですが、上には上がいるなと。そういう人たちとはやっぱり、カレーのイベントや、それこそカレー屋さんで出会ったりするんですよ。
ーーユニット結成のいきさつは?
タケナカリー:実は、きっかけはまさに「東京カルチャーカルチャー」さんだったんです。僕の活動をおもしろがって、「なにかカレーのイベントをやりませんか?」と声をかけてもらって。その時に「僕よりもすごい人たちがいるんです!」と紹介して、一緒にやることになったのが、そのふたりだった。
ーーそこでカレー三兄弟が結成されたわけですね。
タケナカリー:はい。やるならなにか名前が必要だなと思い、3人それぞれ1歳違いだし、兄弟と名乗るのもおもしろいかなと。
ーーキャッチーで、一度聞いたら忘れない名前です。
タケナカリー:ありがとうございます。3人だと、なにかと広がりもあったりするんですよね。長男は日本的なカレーライス、次男はインドなどの現地志向、僕がイノベーティブな最新型のカレーと、それぞれに特に強い分野が違っていたりして。
スパイス陰陽師に、もったいないおばけ祓い?
ーーそれではいよいよ、本日の本題、3月18日(土)に東京カルチャーカルチャーで開催される「スパイス陰陽師のカレー店 〜もったいないおばけ祓い〜 powered by 渋谷渦渦」について伺いたいのですが、タイトルだけだと要素が多すぎて(笑)。イベントはどのような内容になるのでしょうか?
タケナカリー:ちょうど、イベントのCMができたところなので、ごらんになっていただけますか?
ーーえ〜と……より混乱が増しました(笑)。
タケナカリー:ですよね(笑)。すみません。
ーーこれ、出演されているのはもしかして?
タケナカリー:予算ないので僕です(笑)。顔を真っ赤に塗って「スパイス陰陽師」というキャラクターになりきりました。大きなコンセプトは、このスパイス陰陽師が「もったいないおばけ」を祓うというもので。
顔に貼ったスパイスやDJブースに見立てた野菜たちも、撮影後にカレーにして美味しく食べました。
ーーなるほど! だんだんわかってきた……のか?(笑)
タケナカリー:要は、本来なら廃棄されてしまう食品を使ったカレーのイベントなんです。もともと僕が、料理が残ってしまっているのを見るのがものすごく嫌なタチなんですよね。たとえば、なにかの機会に立食パーティーに参加したりすると、チキンとかポテトとかが当然のように大量に残っていたりするじゃないですか。それをもらって帰ってカレーにしたりしてたんです。
ーー確かに、ビュッフェって基本、足りなくならない量を提供することが前提のシステムですもんね。
タケナカリー:そうなんです。また、コロナの影響で仲のいいカレー屋さんから「鶏肉が10kgあまっちゃった」なんて話を聞いて、それをこの事務所に持ってきて、フリーカレーのイベントをやったりとか。
ーータケナカリーさんの主義と、カレー活動が直結していると。
タケナカリー:ただ、そういう活動を真面目にやっちゃうと、あまりおもしろくないし、伝わらないんじゃないかと。なにかおもしろい切り口でできないかな? ということは、ずっと考えていたんです。やりたいことは、カレーを使ったフードロスの愉快な啓蒙。だけど、SDGsとか、サスティナビリティといった言葉を使っても、広く一般には伝わりづらいじゃないですか。そこで、もっと楽しく伝えられないかなと。