専門的な記述はいっさいありません
上野駅、13番線ホームに「あけぼの」が入ってきた。この寝台特急で、これから青森へと約12時間半の旅をするのだ
ところでこの調子だと、最後まで「寝台車って、いいよねいいよね」というような、寝台車好きのための記事になりかねず、それに列車に興味ない方に「13番線」なんて思いをこめて(こめてたのです)書いても、さてね、といったところだろう。
よって今回、「いかにあけぼののB個室ソロがオモシロ狭かったか」に絞ってレポートしてみたい。まだ寝台初心者なので、詳しい歴史やデータは他の方に譲りたい。
しかしまず概要は説明せねばなるまい。私の取った席は、今申したように「B個室ソロ」。あけぼのの個室はこの上に「A個室シングルデラックス」というグレードのものがあり、そちらはスペースも広く洗面台やらアメニティーグッズまで用意されている。
本当はそちらがよかった(グッズが欲しかったので)。しかしお金を浮かせるため(JRの「フリーきっぷ」だったので)、やむなくB個室に。グッズは手に入らないが、面白いことが待っている予感が大いにする。なぜなら・・・
ソロ寝台の集まる号車に乗り込んだとたん、自分が でかくなったような、小人の国に迷いこんだような錯覚におちいった。上の写真がその通路で、わかりづらいかもしれないが、ドアが明らかに低い。茶室のにじり口かというような低さ(ここ伏線)。
乗り込む他の乗客とすれ違うのにたいへん苦労しながら、やっと自室にたどり着くと、まるで夢に出てくるような体験だと思った。ドアが、低い上に幅もすごく狭い。でかいカバンは、やっとねじ込んだという感じ。何かの操縦室かってくらい、思い切った狭さ。
B個室ソロには1階席と2階席があって、今回は1階席に乗車する。事前に室内写真を調べたら、2階は憧れの屋根裏部屋みたいになっていた。まあ屋根裏のような狭さもいいが、1階なら上部にこのような面白構造がついてきてお得感がある。
もちろん天井は直立できないほど低く、横幅は上の写真のとおりだし、まるでカプセルホテルだ。
狭いところがダメな方には、この部屋は絶対向いてない。でも私は昔から、廊下の隅っこに座布団でバリケード作って遊ぶのが好きな子供だったので苦にならない。かえってこの「こもり具合」が、ぬくぬくと気持ちよい。
車掌の個別訪問を終え、鍵をかければもうそこは自分の世界。家にいる感覚でぐだーっとしていても、なぜか仕舞いには目的地についてしまっている。そういうところが本当に好きで、今後も何度でも乗りたい。
まあ、広い個室はそれはそれで「こんな立派な部屋まるごと運んでくれてるのか!」という興奮はあるが、この狭ーい個室も「こんな穴蔵のような部屋まるごと運んでくれてるのか!」という別の興奮があるのだ、ということは感じてくださるだろうか。
とはいえ、写真ではなかなか実際のスケールを伝えづらいところである。もっとこの、ガンガン迫ってくる狭さをうまく伝えられないか、なおも北上しながらいろいろ考えよう。