CMでは謎の座談会を真っ白い部屋でやりがち
真っ白い部屋で座談会をやっている、というイメージを共有するために、まずそういうCMの例を一つ挙げたい。
上から下まで白い空間で、座談会をやっているCMだ。
たしかにあるなと思ってもらえるだろうか。こういう白い部屋を白ホリゾント、略して白ホリというらしい。撮影用のスタジオとか美術館とかがよくこうなっている。
面白いなと思うのは、その話をするためにわざわざ白い部屋に集まる状況ってないよね? というCMだ。
・「最近、お酒の量を減らすように言われて・・」と言い合っている
・「乾燥肌が本当にひどくて・・」と言っている
・「アプリで個別銘柄が見られるの、嬉しいですよね」と言っている
それぞれ薬や投資のCMだったりするのだが、どれも実際には存在しない状況だと思う。これを自分たちでもやりたい。
白い部屋を借りた
というわけで、編集部にお願いして真っ白い部屋を借りてもらった。
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撮影用のスタジオである。
この左側にある空間が「白ホリ」だ。いまは薄暗いが、天井の照明をつけて正面から見るとこうなる。
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奥行きがよく分からない感じになった。こんなところで乾燥肌の悩みを相談したり絶対しないだろう。
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さっそくみんなに協力してもらって椅子をならべる。早くもそれっぽくなってきた。白ホリすごい。
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座ってもらった。これじゃん!
座談会のテーマは「目玉焼きの食べ方」
この静謐な空間を借りて話す内容は「目玉焼きの食べ方」についてである。参加してくれたのは、会議のために集まっていたライターのみんなだ。ありがとう。
せっかくなので、CM座談会あるあるを再現しながらこの座談会のようすを紹介していきたい。
あるあるその1「最初は腰から下だけが映る」
30秒以上の長いCMでは、まず参加者が集まってくるシーンから始まることがある。
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その際、映るのは腰から下だけ。これから何が始まるんだろう?と思わせる仕掛けなのだろう。
残念ながらこれから始まるのは目玉焼きの食べ方の話である。
あるあるその2「冒頭でテーマが明かされる」
冒頭で人々の頭上にテーマが浮かび上がることも多い。
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最後まで何のCMなのか分からないパターンもあるが、座談会の場合は早めにテーマを開示したほうが得策なのだろう。
あるあるその3「話者の手前がボケている」
いよいよ一人ずつ話しだすのだが、その際の状況に鉄則がある。
こんな感じで、必ず話者の手前側がボケているのだ。前ボケという。
こうなるためには、
・必ず他の参加者の肩ごしに
・レンズを選んで(F値の小さなレンズで、または望遠で)
意図的に撮る必要がある。
こんな感じでふつうに撮ってもいいはずだが、そうはならない。たいてい他人の肩越しに映ることになっている。
あるあるその4「チェックリストが浮かび上がる」
話者の頭上に自動的にチェックリストが浮かび上がることもある。
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話の内容に沿ってリストが表れる。ああ、自分にも当てはまるなあと思ってもらうためだろう。そうやって話題を自分ごとに感じてもらうことで、商品へ誘導しやすくなる。
この場面では、話者である林さんが、本当は好みがあるのに、そういうことにこだわりは特にない俺を演出したい、という話をしている。ちょっとこれは共感しづらいかもしれない。
あるあるその5「突然、商品のメリットを説明しはじめる」
みんなで困りごとなりを話していたはずなのに、唐突に商品のメリットを語り出す人もいるのである。
たぶんなんらかの商品の説明をしており、それは他にはないメリットなのだろう。熱弁するのはいいが、君はただの参加者じゃなかったのか。
あるあるその6「最終的には検索させる」
結論めいた会話の後も人々は何かを話しているようなのだが、その会話はもう聞こえない。そのかわり示されるのは検索フォームである。
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「目玉焼き 食べ方」で検索して欲しいのだろう。このキーワードで辿り着けるということは相当SEOを頑張ったに違いない。
そのページで売っているのはなんだろうか。ソースとしょうゆをいっぺんにかけられる謎の道具なのか。

