三葉虫っぽい湯たんぽ
湯たんぽが生き物だとしたら、絶対三葉虫じゃないですか。
絶滅した古代生物であるが、見るたびに「湯たんぽだな」と思っていた。きっと同じ思いを抱えている人も多いはず。化石の状態なんて、完全に湯たんぽである。
幼少期からずっと湯たんぽと一緒に寝ていたので、未だに冬は毎日使っている。子どもの頃は湯たんぽの独特のフォルムがかわいいと思っており、ペット感覚で愛でていた。お湯を入れるとあったかくて生きものっぽいのも良い。
三葉虫形の湯たんぽがあったら欲しいと思っていたが、なかなか出会えないので自分で湯たんぽカバーを作ることにした。
型紙とり
買った時についてきた湯たんぽカバーを型紙にして、布を切っていこう。
薄すぎると火傷してしまうし、程よい厚みで三葉虫っぽい生地が家にあるだろうか。 というか、三葉虫って実際何色……?
湯たんぽの袋を裏返して型紙をとる。意外とカットや縫い代に雑さがあって、市販品だけど親近感が湧いた。ベースをこの大きさに揃えておけば、どんな装飾をしても湯たんぽは入るだろう。ヒダヒダした部分はなんとなくの大きさで合わせて切っていこう!
縫う
パーツがたくさんあるので、ミシンでガガガッと縫っていく。
柔らかそうな外骨格ができてきたぞ!真ん中部分は少しぷっくりしているようなので、中にウレタンを入れてその上からミシンで抑えて凹凸を作っていく。
ぬいぐるみだったら、細長いパーツには針金を入れて形を出すのだが、 あくまで湯たんぽカバーなので柔らかさは確保したいところ。ふにゃっとした長い触覚をつけよう。
腹側
お腹側に足をたくさんつけるのだが、一旦袋状にしたほうがやりやすいのでとりあえず背側と腹側を縫い合わせよう。
一回糸をほどいてやり直した方がいいだろうか。でも表側に変な縫い目ができるかも……。
ちょっと迷ったが、市販の湯たんぽカバーもまぁまぁ裏側が雑だったことを思い出して気にしないことにした。
ぺたんこの袋状だと下側の布を縫ってしまうので、中に湯たんぽを入れたらすごく縫いやすくなった。あったまる以外に湯たんぽにこんな使い方があったなんて……!!今後袋物にアップリケなどするときは中に湯たんぽを入れよう。
ちょっと飽きる
あとは足を作るだけである。三葉虫の腹側を画像検索したら、虫感が強くてすぐに画面を閉じた。恐怖を感じる足の数である。収まりきる範囲で出来るだけ多く作った方が良いだろう。
毎回糸を切るのが面倒くさくなってきたので、途中から繋げて縫うようになった。この技を三葉虫縫いと名付けよう。
ずっとグレーの同じのパーツを作っていると、全然関係ないカラフルなものが作りたくなってくる。
三葉虫を作っていたはずなのに、途中からルービックキューブを作り始めて気づけば夜になっていた。 夜になったら普通に湯たんぽを使うので、続きは明日に持ち越すことに。残りの足は明日作ろう。
全体をベタッと縫い付けてみたが、それだと足っぽさがなくなる。ちょっと浮いていた方が足っぽいので、部分的に点で留めることにした。
あとは袋をキュッと縛る紐を通せば完成だ!!
完成
ついに完成!!
絶滅してるから本物見たことないけど、どこからどう見ても三葉虫!!
でも、尻尾にしたらかわいそうで紐を持てない。やはり別パーツで作って正解だ。
ウレタンで作った真ん中部分は分厚くて熱伝導が悪い。でも生き物としてはこれくらいの温もりが普通だろう。というか、本物の三葉虫ってあったかくなさそう。湯たんぽゴツゴツしてる感じが、三葉虫っぽくてリアルだ。
通常の湯たんぽを運ぶように持つと、すごくひどいことをしている気持ちになった。
三葉虫の腹側の画像検索をしたときはちょっと怖くて愛着が持てるか不安だったが、作ってると好きになってきて今は三葉虫を超かわいいと思っている。
今日から布団の足もとに入れて一緒に寝ます!
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