週一往復のみの定期船とは
瀬戸内海には大小の島々とそれらを結ぶ定期船がある。
そんな瀬戸内海に、週たったの一往復しか運行されないレアな定期船があるそうだ。
その定期船があるのは↑の地図の赤枠の部分にあたる岡山県と香川県の間だ。
香川県の佐柳(さなぎ)島と岡山県の真鍋(まなべ)島を週に一往復だけ運行している。
この定期船を使えば、上の地図の通り島から島へ乗り継いで四国(多度津)から本州(笠岡)まで瀬戸内海を渡ることもできる。
これはぜひとも乗ってみたい!
瀬戸大橋で四国へ
週一回の運行は毎週土曜日である。
6月のとある土曜日、僕が住む岡山から電車で向かう。
電車は瀬戸大橋の手前でトンネルに入り窓の外の景色は一旦、閉ざされる。
やがてトンネルを抜け窓の外が明るくなると瀬戸内海が見えてくる。
今回の予定を説明すると、まず岡山から電車で瀬戸大橋を通って香川県の多度津(たどつ)へ向かい、定期船で岡山県の笠岡(かさおか)まで乗り継ぎ、再び電車で岡山に戻る。
もちろんこのルートが使えるのは一週間に一度だけだ。
そのうち電車は大槌島(おおつちじま)を真横に通り過ぎようとしている。
大槌島は岡山県と香川県の県境がある島であり、本州と四国のほぼ中間に位置する。岡山県民や香川県民にとってはお馴染みの島である。
この島が真横を過ぎる頃、瀬戸大橋を半分くらい渡ったことが分かる。
そこからさらに5分くらいで電車は四国の陸地にだどりつく。
瀬戸大橋を渡る前と渡った後では山の形が違って見えるが、これは大昔の火山活動のなごりらしい。
四国の山は本州側の山より傾斜が急で、いきなりぽこっと飛び出したようだ。
そこから更に15分ほど電車に揺られ港がある多度津(たどつ)駅に到着。
多度津駅の3駅手前には宇多津(うたづ)駅があり、字面が似ていたので危うく降りそうになる。もし降りていたら例の定期船には間に合わなかった。
一瞬のミスで一週間のロスとなる。今回の旅程はスリリングだ。