日本最北のロマン
お米の産地と言われると、「魚沼産コシヒカリ」でお馴染みの新潟県や、「あきたこまち」で有名な秋田県などが思い浮かぶ。2024年の都道府県別の作付け面積を見ると1位が新潟県で、3位が秋田県、そして2位が北海道となっている。
最北にロマンを感じる。これ以上の北はないということだ。そんな場所には行ってみたいと思うし、そんな場所で作られるものも当然食べてみたいと思う。上手く言語化できないのだけれど、端的な言葉で言えば「ロマン」になると思う。以前、ロマンを感じすぎて、日本最北端の地「宗谷岬」に行ったこともある。
今回はお米の「最北」の地に行きたい。お米はやはり主食なので、よく食べる。そんなよく食べるものの最北には、めちゃくちゃロマンを感じるのだ。つまり食べたいに決まっているということ。ということで、北海道の羽幌町に行くことにした。
うるち米の最北
羽幌町は、北海道の道北にある日本海側の街だ。この街が日本最北のうるち米産地ということになる。地図を見るとその上にもまだ多くの街があるけれど、羽幌がうるち米の最北なのだ。
羽幌町は江戸時代前期に砂金が採取されたため、地名は古くから知られていたそうだけれど、未開の地だった。開発が始まったのは明治20年からで、本格的な原野の開拓は明治29年から。明治32年からは稲作の試作が始まる。
最北だからと言って、他の地域の水田と変わりがあるかと言えば、稲作に特別に詳しいわけではないので、変わりないように見える。ただ最北なのか、と思うと特別な感じがして、嬉しく思う。プレミアム感があるのだ。
私がよく行くのは道東で、道東ではほぼ水田を見た覚えがない。調べてみると、北海道をざっくり縦に半分に切った時の日本海側で盛んなようだ。羽幌より上にも街はあるけれど、気温などの問題があるのだろうか、最北は羽幌となっている。
最北の水田
水田だけを見ると、最北は実は羽幌ではない。お米には「うるち米」と「もち米」があり、羽幌はうるち米の最北であり、水田としての最北は「遠別町」ということになる。こちらでは、もち米を育てている。
遠別町のサイトを見ると、遠別より北部でも稲作は行われているけれど、そのほとんどが自生種や陸稲で、水稲としては世界的に最北であろう、とある。自生種は簡単に言えば野生のもので、陸稲は畑で栽培される米のことだ。
遠別の道の駅に行くと、遠別のもち米を使った大福を売っていた。当然買った。もちろん美味しいし、最北のもち米なので、さらに美味しく感じた。限定品と言われると欲しくなるのと似ている気がする。
「はくちょう」という品種のもち米を作っているそうだ。そのはくちょうを使った日本酒もあった。聞いた話では新たにもうこの日本酒は作らないそうで、いまあるだけです、と言われた。もともと買う予定だったけれど、さらに飲みたくなった。限定品なのだ。
飲んでみると美味しい。甘みにキレがある感じだ。考えてみれば、そもそももち米で作った日本酒を飲むのは初めてかもしれない。基本的には日本酒は酒米で作る。酒米はうるち米の一種のはずだ。もち米の日本酒はとても美味しかった。



