特集 2024年3月13日

ローソングルメに「ロォーソン」ちょい足しアレンジ集

中華食材専門店で見かけた、未知の食材「ロォーソン(肉鬆)」。

気になったので買ってみて、店を出たら目の前にコンビニの「ローソン」があったんです。これは天啓? というわけで、ロォーソンを、ローソングルメにあれこれちょい足しして味わっていきたいと思います。

1978年東京生まれ。酒場ライター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。ライター・スズキナオとのユニット「酒の穴」としても活動中。

前の記事:発見! 自宅で気軽にアブラマシマシ、夢の「豚脂汁」


出会いの宝庫、中華食材店

地元の駅前にいつの間にか、小さな中華食材専門店ができていたんです。

おもしろそうだな、と入ってみて、店内の棚をくまなく眺めていると、興味深い商品を発見。

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これなんですが

ぜんぜん知らない食材ではあるものの、かろうじて「ロォーソン」という日本語が書いてあるので、商品名はそれなのでしょう。また、どんぶりメシ(?)の上にたっぷりとかけてあるように見える写真から、なにかおかず的な食べものなのかな? という推測ができます。

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ごはんのおとも的な?

しかしながら、まだまだ実態はわからない。想像のみで5%くらいしかわからない。そこで当然、原材料表示などを見てみようとパッケージを裏返してみると……。

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な〜んにも書いてないっ!

そこにカルチャーの違いを感じつつ、約1500円という値段も考えると、いきなり買って帰る勇気は出ません。そこでいったん家に帰り、このロォーソンについて調べてみると、以下のようなことが判明しました。

・ロォーソンは、台湾では誰もが知る定番食品で、漢字表記は「肉鬆」。
・原材料は豚肉、大豆粉、醤油、砂糖のみ。
・肉ではなく魚を原料とした「魚鬆(イゥソン / ユーソン)」もある。
・日本で言うと「でんぶ」に近いもの。

なるほど、でんぶか。たまにお弁当に使われている、ピンク色の「桜でんぶ」的な。あれ? そもそもでんぶってなんだっけ? そこから曖昧かも。

というわけで、でんぶについても調べてみました。すると、でんぶ、田麩とは、日本では魚肉を使って作ることの多い畜肉加工品のひとつで、佃煮やふりかけ的な食品。よく見るあのビビッドなピンク色は、食紅による着色。

要するに、肉や魚を原料に味つけして細かく加工したものが、日本でも台湾でも、でんぶということで間違いなさそうです。

よ〜し、基本がわかったところで、やっぱり味が気になる! 買ってきてまずは味見をしてみよう〜。

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ロォーソン
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味見!

開封してみて驚きました。日本のでんぶとは違い、水気一切なしの、さらっさらの粉状。ひと口つまんで食べてみると、さくっさくっという食感とともに、口のなかから消えてゆく。まるでパウダースノー。よくも豚肉を原料にここまで粉っぽい食品が作れるな。

味のほうは、甘じょっぱくて肉の旨味がきちんと感じられて、なるほど美味しいです。ただなんだろう? ほんのりとした焦げ風味というのかな。そこに特徴があり、あと、絶対にどこかで感じたことのある風味なんだよな、これ……。

と、食べても食べても口のなかから消えていってしまうので、なかなかそのしっぽをつかむことができません。焦げたトーストから落ちた粉? なんかの駄菓子? う〜んう〜ん……と、しばらくの間、さくさくと食べては考えていたんですが、わかった! この口のなかの残り香、ベビースターラーメンだ!

結論、僕のなかでロォーソンは「甘じょっぱい肉味の粉で、食感はさくさくしていて、ベビースターラーメンの香りがする食べもの」と判断されました。

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これは天啓?

ところで突然話が変わりますが、僕がロォーソンを買った中華食材店の目の前に、こんなお店があるんです。コンビニのローソン。

となれば、誰でも一度は思いつきますよね。

「ローソンの商品に、ロォーソンをちょい足ししたアレンジグルメってどうだろう!?」

と。そして次の瞬間には、そんなダジャレを思いつき、ほんのりとテンションが上がってしまった自分が恥ずかしくなり、人知れず顔を赤らめた後、また普段の生活へと戻っていきますよね。

ところが僕はごぞんじのとおり、一般的な感覚のうち、変な箇所のネジがいくつか外れている人間なので、その勢いのままローソンへ入店。つまりここからは、ローソングルメにロォーソンをちょい足ししてアレンジするという、いまだかつて(くだらなすぎて)誰もやったことがないであろうチャレンジをしていきたいと思います!

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シンプルうどんに足してみる

台湾ではごはんやお粥にたっぷりかけて食べられることが多いというロォーソン。基本的になんにでも合いそうではあるんですが、特にシンプルな味のうどんなんかは間違いなさそう。まずはカップ麺で試してみましょう。

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ローソンの「肉うどん」
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普通に作ってどんぶりにあけ
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ロォーソンをたっぷり!

「ちょい足し」とか言いつついきなりどさどさと加えてしまってますが、味の変化がわかりやすいよう、今回はこの方針で進めていきます。

で、実際に食べてみた感想。もともとは上品なだしが香るものすご〜く安心する味わいなんですが、ロォーソンを足した瞬間に、一気に異国味になります。甘じょっぱさとB級感が増して、夜市で現地のソウルフードとして出てきてもまったく違和感がないような。うどん自体がもともと完成されてるのでベストとまでは言わないけど、途中からの味変要素としてはありかな。

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3種のサンドイッチに足してみる

続いてはこちら。

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ローソンの「ミックスサンド」

ツナ、ハムチーズレタス、玉子、3種類のサンドイッチをぱかっと開け、そこに豪快にロォーソンを挟み込めば、

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ローソンサンドのたっぷりロォーソンアレンジ!

するとこれが、どれもいい! こんなに容赦なく加えたにも関わらず、ツナと玉子サンドは印象がほんのり変わった程度、ただ、さくっとした食感と旨味が加わって、そのまま食べるよりもごちそう感が格段にアップしてます。

そして特に、ハムチーズレタスサンドがいい! もとがあっさりとした味わいだからか、ロォーソンの存在感をいちばん強く感じるし、レタスのしゃきっとした食感との組み合わせもばっちりです。これはまたやりたい。

⏩ 納豆に足すと化ける…!

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