空母を見たい
2025年8月28日から9月2日まで、イギリスの航空母艦プリンス・オブ・ウェールズが東京湾に寄港した。いいな~。見たいなぁ。東京湾に空母。どんな感じなんだろう。しかし、それを知ったのは8月31日の夜であった。
平日は会社員として都内で勤務している私としては、東京湾の空母を見るチャンスは出勤前か退勤後の2択だ。しかし、やっぱり空母は青空の下でこそ映えると思う。ということは、出勤前に見るしかない。やってやろうじゃないか。エクストリーム出社を。
2時間早く起きる
月の始まりであり週の始まりでもある。清々しい朝だ。支度をすませ、6時30分には家を出る。いつもより2時間早い。
駅までの道はいつもより日影が多く、夏なのに涼しい。小学生の夏休みのラジオ体操の帰り道を思い出す。こんなに涼しいなら毎日この時間帯に出勤しようかしら。いや、やっぱりなし。ふつうに眠い。
いつもと違う色の電車に乗って、いつもと違う場所に向かう。朝から何をしているんだ。
いつもより2時間早いが、それでも電車はいつもと同じぐらいの混み具合だ。私にとってはエクストリーム出社だが、この時間帯が普通の人も大勢いるのだ。一人ひとりの「朝」が交錯する電車。
いよいよ引き返せないところに来たという実感がある。個人的には「ゆりかもめに乗るのは遊びでお出かけにいくとき」というイメージがある。平日の出勤前に乗る乗り物ではない。
ゆりかもめの車内はぎりぎり座れないくらいの混み具合だった。サラリーマン率は少ない。どの駅でも人が全然降りず、みんなどこへ向かっているのか気になった。まさかみんな軍艦を見に……?
そんなにめちゃくちゃ珍しいというわけではないんだろうけど、東京湾に軍艦が止まっているのは異質で面白い。横須賀ならわかるのだが。
東京国際クルーズターミナル駅だ。東京国際クルーズターミナルという施設は5年前に出来たばかりのピカピカの建物である。
果たして、軍艦を良い位置で見られるのだろうか。もし無理だった場合、先ほどゆりかもめからチラッと見えた姿が唯一の撮れ高ということになる。2時間早起きしてそれはあんまりだろう。頼む、見えてくれ。

