インドのクリケット人気
クリケットというのは、イギリス発祥のボールをバットで打つ野球のようなスポーツだ。でも、そういう説明よりもまずはインドのクリケット熱について説明したい。
クリケットと言うと日本ではだいぶマイナーなスポーツだが、インドではそうではない。
インド国内の人が全員クリケットをするだろう、という試算に基づくと世界の競技人口はサッカーに次ぐ第2位だそうだ。
”インド国内の人が全員クリケットをするだろう”というところがミソだが、あながち間違いだといいきれないほどインドにはクリケットが溢れていた。
街を歩けばクリケット関連のものに必ず出くわす。
はじめのクリケットユニフォームもそうだが、スポーツ用品店を見れば、ショーウインドウに飾ってあるのは必ずクリケット用品だし、ファストフード店なんかでもクリケットの選手を広告に使ったり、クリケット関連のキャンペーンをやっていたりする。
クリケット、やるのも人気
見るだけがクリケットではない。やってる人もいた。公園でやっている大人から、人通りの少ない裏道で子どもまで、インドの街を歩くとよく見かける光景のようだ。
サッカーや野球をやっている人はまったく見なかった。
インドではいたるところがクリケット場になっている、ということかもしれない。
僕たちが、デイリーポータルZの記事を書くために、撮影場所を確保していたら、もの珍しさから子どもたちが寄ってきた。彼らは一通り僕たちが何をしているかを物色し終えると、「さっさとどこかへ行け」というのであった。
そこは子どもたちのクリケット場だというのだ。ぼくはクリケットのせいで冷たくあしらわれた! と思った。
そういえば、インドには馴れ馴れしくしてやがて紅茶を売ろうとする人がたくさんいるのだが(通称:五分間フレンド)、その人の一人とちょっと会話していてこんなことがあった。「日本ではどんなスポーツが人気があるんだ?」と聞かれて「サッカーと野球かな」と答えたら、野球が通じなかったのだ。
その人が知らなかっただけか、僕の英語が変だったか分からないが、僕が野球のバットを振るポーズをしたら「テニス?」と言われた。インドではクリケットが野球を侵食しきっているのかもしれない。
以上が僕が知る限りの、インドにおけるクリケット人気の全てだ。
そんなこんなで「クリケットってすごく人気があるんだ!」と少し洗脳された僕はクリケットのバットを買って帰国したのであった。(しかし持ち帰る途中で重いしでかいしで、かなりうんざりするのであった。)