「俺んち絶景」それは、自分の家の極上スポット
人それぞれに自分なりの「俺んち絶景」がある。まずはいくつかの例を紹介したい。前回の記事を書いた後で、ライターのパリッコさんが送ってくれた「俺んち絶景」画像である。
ホッピーとキンミヤ焼酎の瓶に電飾を仕込んだものが両側からパリッコさんの関連著作を挟んでいる。後ろには「伝説の天国酒場「たぬきや」跡地で飲む」という記事にも登場した「いらっしゃいませ」の木札など、貴重な酒場遺産も並んでいる。
以下は本人のコメントである。
「自室の机の横の棚です。クリスマスツリーなどに使うイルミネーションを利用して作ったホッピーセットライトの間に、これまでに自分が出させてもらったり関わった本を並べています。夜中に原稿を書いていて「一体これの何がおもしろいんだ……」という気分になってきたときなどに、無理やり自分を鼓舞するために点灯します。この棚には他に、各地の酒場でいただいたりした思い出の品などを並べています。ちなみにホッピーの瓶がなで肩の旧デザインボトルなところが、こだわりのポイントです」
パリッコさんに酒パワーを与えてくれるスポットということか。まさにパリッコさんならではな「俺んち絶景」である。
また、前回の記事でも紹介させていただいたのだが、デイリーポータルZの古賀及子さんの「俺んち絶景」が良い。
「買ったりもらったりした神様っぽいものを全部ここに置いていった結果こういう感じになりました」とのことで、一個一個はよく見るとバラバラなのだが、古賀さんが好きなものをここに集めて奉っているような、プリミティブな祈りの場のような雰囲気が感じられて好きである。
こんな風に、「俺んち絶景」の解釈は人それぞれで、要するにその人が好きな一角であればなんでもいいのだ。
好きなものがズラッと並んでる系の「俺んち絶景」
さて、いよいよここからは記事の公開後にTwitterのハッシュタグ #俺んち絶景 をつけてたくさんの方に投稿していただいた絶景の数々を紹介させていただきたい。
たくさん投稿して下さった方がいたのですべては紹介し切れないのですが、いくつかのジャンルに絞り、印象的だったのものをピックアップさせていただきます!
まずは、自分の好きなものがとにかくズラリと並んでいる、というタイプの「俺んち絶景」である。好きなものがたくさんあるんだからそれはもう、最高に違いない。
例えばこちらである。
見ての通り、まだ組まれていないプラモデルの箱がズラッと並んでいる。「プラモの箱は可能性の箱」だと言う。組んでもいいし、外から眺めて妄想するだけでもいいのだ。
こちらもすごい。
「骨と殻の集まり」だそうである。自然が生み出した「硬いものたち」の饗宴!
こちらはどうだ。
国語関連の辞典ズラリスポット。これからまだまだ増えていきそうな気配を感じる。
お次はたぬきだ。
居酒屋の軒先などで見かけるたぬきの置き物。あれの大小様々なサイズが集まっている。8キロのたぬきをリュックに入れて運んできたという苦労話も素敵だ。
これもいい。
小鳥のかわいいグッズを集めようとしていたところ、「弟が中東出張の度に買ってくれる観光土産が増えていった」と言う。受け身の姿勢で生まれた俺んち絶景。でもすごく統一感があっていい。
なんらかの「神」を感じる「俺んち絶景」
次に紹介するのはなんとなく神々しいオーラを持った、謎の祭壇のようになった「俺んち絶景」である。
これは玄関だそうである。
北海道土産が並ぶ一角らしいのだが、「玄関を守る神々」という感じがしてかっこいい。
一方こちらは「優しい神々」という雰囲気。
なんなんでしょう。一つ一つがなんだかはよくわからないのだが、全体的に癒しのオーラが湧き出ているように感じられます。
こちらも好きである。
息子さんが集めた石と置き物が組み合わさった一角。ほんの小さなスペースだけど、このバランスがとても大事なのが伝わってくる。
こちらは「自分を武装する場所」だという。
香水とピアスが置かれていて、ここで気持ちを切り替えて外へ出るのだと思われる。どことなく祭壇のような雰囲気が宿っている気がする。
こちらは「トイレの神様」とのこと。
パッと見た時、広島カープのグッズが並んでいるのかなと思ったのだが、赤系のものが多いだけであった。しかし何か強いパワーをくれそうな絶景である。
洗面所の高いところに並ぶウルトラ怪獣。
低いところに置いておくと猫が倒してしまうので上へ上へと追いやられたらしい。見上げたところから、いつもウルトラ怪獣が暮らしを見守ってくれている。
こちらも優しく見守ってくれていそうなものである。
部屋の扉とマットレスが「ぬりかべ」に見えたので目をつけてみたという2か所の絶景。目をつければただのドアも絶景になり得るのだと学んだ。
やっぱり本棚が最高!な「俺んち絶景」
好きな本を並べた本棚は、ずっと見ていられるポイント。「俺んち絶景」になりやすい場所であろう。
中でもこちらは壮観。
天井近くまで積まれた本の圧倒的な体積が素晴らしい。下の方の本を取る時のことはその時考えればいいのだ。
背表紙をなんとなく目で追って行くだけでも楽しいものである。
これ以上本が増えたらどうするの?というぐらいのギッシリ具合がいい
こちらも天井まで高く作られた本棚。
本棚の手前に置かれた踏み台に座ってパラパラページをめくる楽しさがこっちにも伝わってきそうだ。
こんな風に、トイレで読む用の本棚というのもいいですよね。
家の中でも一番ホッとできる場所だったりする。
中でも異彩を放っていた本棚がこちら。
「クレヨンしんちゃんの単行本のカバーを外した状態で色別に並べたもの」とのこと。グラデーションのようで綺麗である。カバーを外したらこんな風に色が違っていたとは知らなかった。
貼りまくって壁を飾る「俺んち絶景」
白い壁を見ると何かを貼りたくなる。冷蔵庫のドアにもマグネットを貼りたくなる。お次はそういった貼り物系の「俺んち絶景」である。
たとえばこちらはどうだろう。
調理台前の壁に貼られているのは枝豆のパッケージのキャラクターや、えのき茸のキャラクターを切り取ったものだという。その間にいきなり「いごねり」の文字というのも面白い。
こちらは冷蔵庫のドアらしい。
好きなものを思うままに貼っているようで、そのごちゃっとした感じが美しく見えてくるのが素晴らしいではないか。
こちらも冷蔵庫のドアらしいのだが、こっちはドーンと一点。
「JAF」のシールだ。なんで!?食器棚の扉にも同じシールが貼られているとのこと。
これも冷蔵庫のドアと思われる。
姪っこが幼い頃に描いた鉛筆画やアイロンビーズ作品が貼られている。ぐにゃーんとした絵に「のろい」の文字が最高。
部屋の壁に貼られたフライヤー。
天井近くのオブジェの作用もあってか、ちょっと祭壇めいて見えてくる。
トイレの壁に貼られた味わい深い絵色々。
友達の部屋でトイレを借りて「おっ」と思う楽しさ。
部屋からの眺めも「俺んち絶景」
窓やベランダからの風景も「俺んち絶景」の一つだろう。
窓から公園の緑が見えるというこちら。
新緑の季節は特に気持ちがいいとのこと、うらやましいなー。
こちらの方は寝室から給水塔が見えるのだとか。
給水塔の後ろで暮れていく空がまた美しい。
こちらは家の庭だそうだ。
「四季の雑草を眺めるためだけ」の庭らしいのだが、なるほど雑草の四季折々もじっくり見ればその都度発見がありそうである。
窓辺に椅子を出せばピクニック気分が味わえる絶景。
いつまででもここで飲んでいられそう。
こちらは、江戸時代後期の建物の高い天井だという。
床に寝っ転がって天井を見ながらぼーっと過ごしてみたい。
お次は「朝起きて電気つける直前に目に入る風景」とのこと。
なるほど確かに、あいみょんのMVで見たことがあるような雰囲気の部屋だ。干したTシャツが朝の光を受ける感じが素晴らしい。
この他にも、分類の難しい独特の魅力をもった「俺んち絶景」が多数あり、紹介し切れないのが悔しいが、それにしても、ひとんちの「俺んち絶景」を通じて、見知らぬ人の生活や、その人が何を大事にして生きているかがほんの少し伝わってくるのはなんとも面白い。
みなさんもぜひ自分の住んでいる空間を改めて見直して、自分なりの絶景をたくさん見つけてみて欲しい!
学生時代であれば、友達の家に遊びに行くという機会がたまにはあったものだが、大人になった今、そんな機会はめっきり減ってしまった。誰かが自分の家に遊びに来るということもほとんどない。
なのでこうして「俺んち絶景」を見せ合えるのが、とても楽しかった。他の人のうちの絶景を見れば見るほど、自分とはまったく違う暮らしがあるんだなーと、「ほう」と思う。そして、それを経ると、また改めて自分の部屋を新鮮な気持ちで眺め直せる気がする。
今後も引き続き、#俺んち絶景 のハッシュタグをチェックしていきますので、もしよかったらTwitter上に投稿してみてください!お待ちしております!