鰐の字だけに注目する
鰐(わに)という漢字を名称に含む自治体(市区町村)は、青森県の大鰐町だけだ。かつては、島根県に鰐淵村という村があったのだが、合併で消えている。
そんなわけだから、大鰐町では鰐という字がとりわけ目立つ。目立つから気になってしまう。写真を撮る。見事な三段論法だ。大鰐の鰐にはどんな字があるのだろうか。
大鰐町へ行くには、弘前からJRで行く方法と、弘南鉄道の大鰐線に乗って行く、2つの行き方がある。
中央弘前駅の鰐の字こちら。
鰐の字は、魚へんに口口と書いて、一、丂(こう)と書くこの形が、いちばん多いかもしれない。普通に「わに」と打って出てくるフォントもこの形になっているのが多いと思う。
この漢字は爬虫類のワニを表すほか、サメの古称がワニであってサメの事を表すとも言われている。
漢和辞典を調べると、鰐の読みとして、わに以外にガクという読み方もある。「口口一丂」が、顎にも鰐にも入っているのは偶然なのか、意図的なものなのかはちょっとわからないけれど。ワニもサメも、顎が強そうなイメージは確かにある。
基本的に、弘前の駅にある鰐はどれも同じ形の鰐だ。が、ホームにあった行き先表示機の鰐が良すぎた。
普通の鰐じゃない鰐をみると、にわかに色めき立つ。
魚へんの下の灬が大となっている𩵋だ。しかも、つくりの口口がつながっている。まだ弘前なのに、大鰐に行く前にかなりレアな鰐を発見してしまう。
魚を𩵋と書く例、寿司屋の鮨の字で使っているのをたまに見かけるが、茨城のつくばの神社で書いてあるのを見かけたことがある。
これは、神社に寄付をした人の名前が書かれている玉垣(柵)だが、魚へんに生で「さけ」と読むらしい。ただし、この名前は「すけがわ」と読むそうだ。
𩵋だけでなく、つくりの部分の口を2つつなげた形もいい。日を横に倒した字は、単体としては漢字には存在しないようで、少なくとも、文字コードにはそういう字はないっぽい。(あるよ! という方はお知らせください⋯⋯)
この日を倒した字は、品などを書くときの略した書き方ではよく見かける。
日の横の字。比較的よく見かけるけれど、いずれも口口が並ぶ部分で使われている。が、日として書いてあるものも見かけたこともある。
探せばわりとある日の横倒しパターン。だが、これ単体の漢字は存在しないのがなんだかおもしろい。
大鰐駅周辺で鰐さがし
弘南鉄道大鰐駅の鰐は、日の横倒しパターンで書かれているものが多い。
しかしながら、JRの方は、一般的な鰐が使われている。
鰐の表記が、JRと弘南鉄道でなぜ違うのか? というのもよくわからないけれど、特に深い理由はないと思われる。
JRの駅前には巨大なワニのモニュメントがある。
大鰐町には、あじゃりんと呼ばれるワニのキャラがいるのだけど、その下に書いてある大鰐町の鰐の字が、かわいい。
口口が目になっているところがかわいいのだが、それ以外に注目したいのは、口口の下の丂が万のようになっているところ。
この一・丂のところをどう書くのか? この部分にもバリエーションがある。
口、口の下が、丁・丂になっていて、簡体字の专(専)みたいになっている。ここがこのパターンになっている字は駅周辺にいくつかあった。
駅近くにある、農産物直売所を兼ねた日帰り温泉施設「鰐の湯」の鰐の書き方も丁・丂の書き方に見える。
これは、駅前にあった手書きの看板だが、この書き方(丁・丂)になっている。手書きだとこのほうが書きやすいのかもしれない。
大鰐交通の鰐は、一・丂が、テ・マのようになっており、また一味違う風格がただよう。他のどの鰐とも違っていておもしろい。
魚へんの点の付け方のクセが強い、斎場の看板。4つ目の点の位置がみたことない打ち方でかっこいい。

