特集 2026年5月22日

大鰐の鰐の字コレクション

もはや違う字に見える鰐 

駅の待合室にあったライオンズクラブ寄贈の鏡に書いてあった鰐の字もすごい。 

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罒と万の鰐

口口が完全に罒(あみがしら)になっている。さらにその下が万。横棒がひとつ消えている。ここまで違うと別の字のように思えてしまうけれど、おそらく鰐でいいのだと思う。

駅前にあった建設組合の看板もよかった。

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建設組合事務所の看板

一・丂の部分を、どうも丁と丁を重ねて書いているように見える。この書き方はここでしか無かったので、これもかなりレアな鰐といえる。

あと、鰐とは関係ないけれど、設、組、事、あたりの字もレアな書き方でぐっとくる。「設」の几をソと略するのカッコいい。

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弘前のホテルで見かけた鰐 

ところで、大鰐温泉に行く前の日、弘前のホテルに泊まったのだが、そこで部屋に展示してあった弘南鉄道のバスの定期券の鰐も実はすごかった。 

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大鰐が書かれた昔の定期券

「大鰐病(院)」の鰐の字のつくりの口口の部分がツになっている。これはかっこいい。口口がツになっている文字は、大鰐の町中ではついぞ見つからなかった。

左の大鰐温泉駅前の鰐の字とわざと違う字で書いてあるのが謎だが、昔は同じ漢字やひらがなが文中に何度も出てくる場合は、わざと全て違う字体で書くことがあるらしいので、そういう意図があるやもしれない。

漢字のゴチャゴチャっとしたところを、ツと略すやりかたは、学(學)とかが有名かもしれない。

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昔の學の字(埼玉県蕨市)
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留の字(東京都千代田区)

上の字は留の俗字だが、田の上の卯みたいな部分をツと略した書き方となっている。略すほどか? と思わなくもないけれど、手書きしてみるとなるほど確かにツの方が書きやすそうではある。

最近は、どれだけ複雑な字でもパソコンで変換すればすぐ出てしまうから、こういった細かな略字はめったに見かけなくなってしまった。

とっても便利にはなったかもしれないけれど、つまんねえなという気もしないでもない。

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日横倒しパターンの大鰐

意外とある鰐の異体字

大鰐町のホームページによると、大鰐は、かつて大きな阿弥陀如来があり、大阿弥(おおあみ)が大阿子(おおあね)となり、それが大きな大山椒魚(大鰐と呼ばれていた)が棲んでいたという伝説と結びつき、大鰐(おおわに)となった⋯⋯という分かったようなわからないような語源説が紹介されている。

そこでしか使われない漢字を使っている自治体。青森だとほかに鰺ヶ沢の鯵だとか、いろいろあるけれど、大鰐のように、町中で異体字がこんなにたくさん使われているのはちょっと珍しいような気もする。

いずれ、塩竈市や葛城市にも行って異体字を探してみたいものだ。

 

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編集部からのみどころ
手書きのはわかるのですが、看板のような印刷文字やレタリングっぽい文字もこれだけいろいろあるのはスゲーと思いました。
注目してほしいのは、途中で話が「鰐」以外の字になった時(日を横倒しにしたやつとか)に出てくるサンプル。脇道の話までしっかり写真が豊富に入ってるのは、さすが西村さんのコレクションという感じです。(石川)

ささやかなおまけ
記事で使わなかった写真

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