特集 2020年3月7日

まず最初につけまつげがあって、そこに全身を合わせていった結果、ギャルになった~ぬっきぃさんインタビュー

月に1度の総集編ウィーク。先月10月に人気だったライター二人へのインタビューと、人気記事のランキングをお送りします。

この記事では、ぬっきぃさんにインタビュー。
ゲームが終わってしまうのが嫌で長年クリアできなかったゲームをついに終える、「16年クリアできなかったゲームをクリアする」が人気でした。

インタビュアーは編集部・石川です。

インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

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ピックアップ記事

16年クリアできなかったゲームをクリアする

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あらすじ
・キャラに感情移入するあまり、終わらせられなかったゲーム
・16年ずっと頭の片隅にあった。クリアしたくなさが極まり売って手放したことも
・ついにクリアした。ラスボスを倒すとさらに追加ボスがいた。ゲームはまだ続く

まだ2がある

ぬっきぃ:
あれからちまちま進めて、ホワイトドラゴン(最終から2番目のドラゴン)2回とブランカドラゴン(最終ドラゴン)1回倒しました

石川:
再戦?

ぬっきぃ:
各ドラゴンは5回戦えるので。そのあいだ、どんどん強くなります。

石川:
師匠はどうなったんですか?

ぬっきぃ:
ブランカをあと何回か倒さないと師匠に行けないんです。そのためにはホワイトドラゴンを倒さないといけなくて、そのために必要なアイテム探しが難航しています。

石川:
ステップが多い。大変だ。かつてはクリアを避けていて、いまはもう本編はクリアしちゃったわけじゃないですか。心境の変化はどうですか?

※編集注:上でドラゴンがどうのと言ってるのは、エンディング後のおまけコンテンツ的な段階です

ぬっきぃ:
でもやっぱり進み具合は緩やかです。師匠を早くフルボッコしたいところですが…もう少し楽しみたい気持ちも。

石川:
前みたいに、ゲーム売ったり手放したりしてでもまだクリアしたくないという気持ちは?

ぬっきぃ:
ないです!2があるので!

石川:
2もやります?

ぬっきぃ:
やります!

石川:
また16年だ。32年楽しめますね。ライフワークですよこれは

ぬっきぃ:
アラフィフになっちゃう。ゲームボーイだから老眼鏡でやってるかもです

石川:
でも50近くなって両方クリアしてしまうと後がつらいですね。生きがいを失って。それ以外のシリーズはないんですか?

ぬっきぃ:
もともとはファミコンの貝獣物語がはじまりなんです。そのシリーズはやっていないので、ファミコンに頑張ってもらってそのシリーズをやろうかな。

石川:
歴代のゲームハードをさかのぼっていくんだ

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ぬっきぃさんがゲームクリアに至るまでの年表
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ゲームの展開にガチ泣きして3日家事が止まる

石川:
ぬっきぃさんって今のゲームはやらないんですか?

ぬっきぃ:
やりますよ!半年くらい止めてるドラクエ11S。

※編集注:ドラクエ11Sは、ドラクエ11のニンテンドースイッチ版

石川:
それも止めてるんだ

ぬっきぃ:
1度3DSではクリアしているのですが、スイッチ版でフルボイスになったので感情移入が大きくなってしまい……

石川:
あ、また感情移入が

ぬっきぃ:
結末を知っているので、進めたくないんです。進めると仲間と別れることになるので……別れたくなくて……

石川:
もうクリアしてるのに(笑)

ぬっきぃ:
はい、クリアしてるのに。

石川:
のめりこむタイプですね。一般的にゲームにのめりこむ人って、RPGだったらアイテムコンプとか、レベルカンストとか縛りプレイとかやるじゃないですか。こういう方向でのめりこむ人初めて見ました。

ぬっきぃ:
ゲームでガチ泣きしますね。3DSで仲間と別れた時は、ご飯が作れなくて3日家事がストップしました。

石川:
3日(笑)

ぬっきぃ:
福山雅治が結婚した時はご飯失敗程度ですんだのに…

石川:
そこそこ頻繁にあるんだ

ぬっきぃ:
夫に心配されました

石川:
そうでしょうね

ぬっきぃ:
でも笑ってました。いい人生だね。と

石川:
いやー、いい人生ですよ。豊か。

ぬっきぃ:
漫画もガツガツ死んじゃうの見ていられなくて。歳を重ねると平和な漫画とかアニメに行きがちです。

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「ポヨンのダンジョンルーム」をクリアして泣くぬっきぃさん

初めにつけまつげがあった

石川:
ぬっきぃさんの記事に、たまにギャル時代の話が出てくるじゃないですか。前も何かの記事で、なんでしたっけあれ

ぬっきぃ:
くせ毛の記事ですかね

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ぬっきぃさんギャル時代。「コンプレックスを克服した話を聞いて欲しい」より

ぬっきぃ:
当時、益若つばさちゃんが流行っていて、つけまつげを買ってつけたんですよ。そうしたらつけまつげが浮いて、つけまつげに合わせて化粧をしていたらギャルになりました

石川:
まず最初につけまつげがあって、そこに全身を合わせていった結果、ギャルになったんですか

ぬっきぃ:
そうなんです。工業高校出身で、就職先も工場とかだったので、初めて化粧したのが21歳で。つけまつげに挑戦したらあれよあれよと

石川:
なるほど、年表によるとちょうど22歳くらいの頃がギャル。じゃあメイク始めてほぼ即ギャルだったわけですね

ぬっきぃ:
そうなんですよ。引っ越して渋谷も近かったのでギャルにすぐなれました

石川:
人間、遅く始めたものほどエクストリーム化しますよね。ゲーム禁止されてた子が大人になってめちゃハマりしたり

ぬっきぃ:
あと、小悪魔アゲハっていう雑誌を毎月読んでた影響もあります。初めはネタ的に読んでたのですが、好きなage嬢がいて、だんだんその子みたいになりたくなって。化粧を真似しました。

石川:
興味本位のつもりが……。ここにものめりこみやすさが出てますね

ぬっきぃ:
そうかも!

石川:
やめたときは?

ぬっきぃ:
無職になったので未練もなく

石川:
え、それは経済的な問題で?

ぬっきぃ:
無職になって真っ先に節約するところは外見だな、と。2月(つき)に1度2万円美容室で使うので。あとカラコンとか、つけまとかお金かかります。

石川:
ギャルの維持費かー。じゃあ、あのゲームを売った金もパーマ代に……。と思ったけど、筋少のCD買ったって書いてありますね

ぬっきぃ:
そうですそうです。オールタイムベストを。

石川:
本物のギャルのナゴムギャル(笑)

ぬっきぃ:
筋肉少女帯は弟の進めで聞いてました。あ、ゲームも弟の進めだ

石川:
けっこう兄弟の影響を受けてるんですね。

ぬっきぃ:
私なんでもハマるとえらいことになるので、自分からはハマらず、周りの影響から入ることが多いです!

石川:
自分からハマることに対しては自制が利いているということでしょうか。ハマらないように気を付けているというか。

ぬっきぃ:
そうなんです、どうせハマるので

石川:
例えば何にはまってえらいことになりましたか?

ぬっきぃ:
最近ではドクターストーン(ジャンプに連載されてる漫画)にハマりすぎてグッズに金を湯水のごとく

石川:
金を使うタイプなんだ

ぬっきぃ:
とにかくオタクもギャルも金がかかります。お金が一番手っ取り早いです。

石川:
僕もわりとガーッとのめりこむタイプなのですが、金よりは可処分時間を全部つぎ込んでいくタイプで。ガリガリ睡眠削って体調崩したりします

ぬっきぃ:
おお!睡眠時間を

石川:
やってることを中断して寝るっていうのができなくて……

ぬっきぃ:
ギターの習得が早いなと思っていたんですよ

※編集注:石川は1月中旬にギターを買いまして、デイリーポータルZをはげます会のFBグループ で練習日記をつけています

石川:
ギターもだし、それこそゲームもそうで。なので僕はわりとゲームを早くクリアしたいタイプなんですよね。睡眠削って生命力を犠牲にしてハマるので、早く死ぬ前にクリアしなければ……みたいな。

ぬっきぃ:
生命力…

石川:
じっくりやった方が楽しいだろうなとは思うのですが。生き急いでる感じがして、損してるなとは思います。16年ハマれるのはうらやましいです

ぬっきぃ:
ポヨンってキャラクターが大好きなんです。ポヨンで16年持った感じです。

石川:
キャラ愛かー

ぬっきぃ:
でも独占欲みたいなのはなくて、あなたのポヨン、私のポヨンそれぞれのポヨンって感じで

石川:
一人ひとりの心の中に…?

ぬっきぃ:
そう…みんなに愛されてほしいです

石川:
16年愛したからこそ言える言葉ですね…

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記事より。「ポヨンの『ぐうたら』で『食いしん坊』なところが自分と重なるところがあり、クリアしたらポヨンに置いていかれる気がしたのです。」
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エッセイがいいぞ

石川:
ちなみに編集部的な視点でいうと、ぬっきぃさんのこういうエッセイっぽい記事良いなと思って。

ぬっきぃ:
自分の話をするのは恥ずかしいですが、もだもだしながら書いています

石川:
デイリーっておもに実験とか調査とかの企画記事をやるサイトじゃないですか。なのでこういうのちょっと避けてるというか、普通あんまりやらないんですけど。ぬっきぃさんうまいなと思って、またお願いしようかなと思ってます

ぬっきぃ:
やったー!

石川:
さっきのギャルの話で思い出したんですけど、くせ毛の記事、これもすごくいいんですよね

ぬっきぃ:
赤入れと一緒にすごく褒めてくれたのを覚えています!

石川:
いやーよかったんですよ、すごく! とはいえあんまりゴリゴリこういうのばっかり書き始めると人生の切り売りみたいになっちゃうので、企画ものやりつつこういうのもやりつつという感じで

ぬっきぃ:
私の考えなんですけど、推しがいて、何年か応援してると中身が見たくなるんです。推しの人生を見たいというか。

石川:
ええ、はい

ぬっきぃ:
なので、たしかライターは4年目なので、もしかしたらそろそろ私を推しライターとして見てくれる人もいるかなと思って。ここだ!て感じで出しました

石川:
ネットの反響でも「ぬっきぃさんが好き」っていうのが増えてきましたね

ぬっきぃ:
そうなんです!嬉しいです!

石川:
あときのう古賀が「ぬっきぃさんが本当に天才」って。

ぬっきぃ:
およよよ

石川:
先日のくじの記事についてだったかな、言ってました。この発想は常人にはないって

ぬっきぃ:
うふふ

石川:
エッセイの話に戻ると、そもそもぬっきぃさんがライターになるきっかけは、おもしろ記事大賞でしたっけ、エッセイっぽいマンガだったなと思って

※編集注:おもしろ記事大賞はオモコロとデイリーで共催した記事コンテスト

ぬっきぃ:
擬似うんこですね。

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受賞作の冒頭。続きはぬっきぃさんのサイト

ぬっきぃ:
ライターになる前は毎日2コマ漫画をアップしてて。エッセイ2コマ漫画研ぎ澄まされてその集大成が擬似うんこて感じです

石川:
そうそう、あのあと、ぬっきぃさんに原稿お願いするときは、林が推してたんです確か。

ぬっきぃ:
授賞式の二次会ですごい褒めてもらったんですよ。構成力がすごいって

石川:
そういう芽を見出してたんだなと思って。いやーいい才能が入ってくれてよかったです。もう4年書いてもらってるので今さらですけど。

ぬっきぃ:
ありがとうございます!嬉しいです!

石川:
あともういっこ、当時のことで思い出したことがあって、いちばん最初にもらったネタ案に、有名人と同姓同名エピソードっていうのがあったなと思って。

ぬっきぃ:
そうです!結婚してはらゆうこになったんですよ

石川:
なんか企画っぽくなかったのでやめた気がするのですが、そろそろああいうのもいいなーと思ってます

ぬっきぃ:
結婚前は珍しい名前だったのにいきなり芸能人と同姓同名で。

石川:
ぬっきぃさんのペンネームの由来は旧姓なんですよね

ぬっきぃ:
そうです。マニュアル制作会社の先輩につけてもらいました。それがしっくりきて、夫もいまだにぬっきぃと呼んでいます

石川:
家庭内に旧姓の名残が。では同姓同名ネタも機会があればぜひ!エピソード貯めておいてください

ぬっきぃ:
はい!貯めておきます!


ぬっきぃさんからのお知らせ

ぬっきぃの通販(カドヤキソバ)にて、グッズを販売中です。

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同人誌「取扱説明書の作り方」
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この記事で作った、さるかに合戦の図Tシャツ

などなど、ほかにもたくさんあります。

石川:
カドヤキソバってなんですか?

ぬっきぃ:
最初の会社のの新人研修で、上司に隠れて焼きそば食べてたらついたあだ名をサークル名にしました。

石川:
カドは?

ぬっきぃ:
部屋のカドで隠れて焼きそばです。取締役が講師でした。

ぬっきぃの通販(カドヤキソバ)

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