自由ポータルZ 2020年3月6日

ロマンスカーの後展望席を満喫・時限式ボーガン~自由ポータルZ

石川です。これはオフレコですが、久しぶりにデイリーポータルZ新人賞をやることに決まりました!

新人賞はかつて2014年2017年に開催した、新人ライター発掘のための記事コンテストです。現在活躍中の江ノ島さんやハナウタさん、ネルソン水嶋さんや辰井さん、オカモトラボなど、多数のライターを輩出しました。

3年に1回開催…というわけではないのですが、たまたま気づいたらその周期になっていました。

募集開始は今月後半を予定。もちろん自由ポータルZとの重複応募もOKです。

今のうちに自信作の発掘&新作の書き溜めをお願いいたします!

自由ポータルZは毎週金曜日に更新の記事投稿コーナーです。読者の方が執筆した記事をご紹介しています。

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【入選】追加料金なし。小田急ロマンスカーの後展望席で車内販売を満喫する。

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[投稿者]山田窓さん (畳の夢
[コメント]小田急ロマンスカーの後展望席が最高だったというエントリーです。でも新幹線の合理的な感じも好きです。

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古賀及子のコメント

行きと帰りの物語ですね。がっつり旅行の部分をカットして電車の部分にフォーカスする、新幹線編とロマンスカー編に分ける、それで一気に「企画記事」になることにオッ! と思いました。
あとはとにかくここ、ここすごかったです。
>常温のお弁当って、なかなか口の中に詰め込めない。舌が美味しさを認識するのに一瞬の間がある。唾液がでにくいのだ。
小田原に到着するのが早すぎてお弁当を食べるのに焦る部分なんですが焦りの感じ方がすごく丁寧に書けていて、こういうものが読みたいんだ! と興奮しました。
>旅行者としてはすっぴんのまま小田原へと降り立った。
ここも気の利いた冗談で好きです。
後半のロマンスカー編ももう少し凝った文章が出てくると満足感もさらに高まる記事になったと思います。
何も言わずに行きも帰りもおなじカツサンド食べてるの、バグみたいで笑いました。

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石川大樹のコメント

古賀と同じで、要所要所にさしこまれる小粋なフレーズに震えました。僕のお気に入りはこれです。
>カロリー計算を覚えると、甘い物も辛い物もカロリーの名の下には平等であることに気づく。
あと、最初の新幹線のパート、文中にもある通り帰り道の引き立て役として書いてあるだけなんですが、ここを安易に否定的に書いてないのがすごくいいと思いました。
>ただ、こういう旅先でのちょっとしたドタバタはいい思い出になるものだ。計画通りにすべて進めばいいというものでもない。
むしろ褒めてるんですよね。こうやってポジティブにとらえていく/書いていく姿勢って、読み心地のいい記事を作るうえですごく大事だと思います。 

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林雄司のコメント

旅行の帰りにロマンスカーの後展望席に乗るのは風流な発明ですね。「この後ろ髪を引かれる感じは旅行帰りに合ってると思う。」なるほど。
だんだん街になっていく景色の変化、「自分の横顔を照らし続けた夕陽」なんて表現も良いです。

タイトルもこの旅行の帰りの寂しさ、いつもの新宿が違って見える感じを持ってくるのはどうでしょうか。

 

【入選】「金田一少年の事件簿」のトリックを再現してみた

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[投稿者]kenoさん (雨降りの庭
[コメント]「金田一少年の事件簿」の作中でボーガンを使ったトリックが出てくる。あれは本当に実現可能なのか、実際に作って検証してみました。

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石川大樹のコメント

前回につづいて「金田一少年の事件簿」ネタ。
個人的にこの記事すごく好きなのですが、何がいいって普通こういうネタは、検証したら終わりなんですよ。河原でペットボトル倒したらそこで終わりでいいんですよね。でもこの記事は違う。そこから作品の考察が始まるんです。つまり「金田一少年の事件簿」ガチ勢が書いた記事ですよ。
しかも絶対狙って書いてないと思うんですよね。ファン受け狙ってちょっと考察しとくか、みたいな下心は全然ないと思うんです。トリックの検証が終わったら考察に入るのが当たり前、みたいな感覚でやってる。このちょっと愛があふれちゃってる感じがすごく好きです。
結局一番おもしろい記事って、何かを好きな人が、その好きな対象について書いている記事です。そういう意味で、幸せな記事だなーと思いました。

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林雄司のコメント

これはいいですね。まんがのトリックや道具が簡単にできることについては前々から不満に思ってました。あれだけで1冊描けるぞ、と。
仕組みを作ったり身体がだるかったり物理の世界はたいへんですよね。
私がこの記事で気に入った点はフィクションを検証するために作っているところです。
作ることが目的ではなく「金田一少年の事件簿を検証する」になっているので、間口が広い記事になりました。
作ることが目的だと工作をしている人が読む記事になってしまって、上手さを求められてしまいます。
しかし最後の川原でペットボトルを倒しているGIF、あれだけで作った人の嬉しさが感じられるのはなんででしょうね。

 

Tips:食べたら顔

先日公開した「よけいなこと特集」、お読みいただけたでしょうか。食べる系の記事が6本ありましたが、そのうち4本は、食べるシーンで顔写真をはさんでいました。食べたときは顔の写真を入れるといいんです。理由は
・口は顔についているので、顔が映っているのが流れとして自然
・表情で味や感想がわかる
・文字で書いている感想も、表情が裏付けとなり説得力が出る
もちろん顔を映さない表現方法もいくらでもあるわけですが、基本の型としては「食べたら顔」と覚えておくとよいかと思います。

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