「きりざい」はモンゴルで教えてもらった
きりざいは新潟の郷土料理なのだが、その存在を教えてもらった場所はモンゴルの草原だった。
草原の食事は、肉と乳製品をふんだんに使ったモンゴル料理だ。私と同行者たちは、日本では食べられない食事を大いに楽しんだ。
3日くらいたって、目の前にあるものの話題が出尽くしてくると、そこにはないもののことが話題に上がるようになる。そこで誰かが話してくれたのが、きりざいだった。
草原のゲルで「お漬物や野菜を刻んで、納豆と混ぜて、それをご飯の上にのせて......」などと説明を聞いていると、まるで奇妙な異国料理の話を聞いているような不思議な感じがした。それでも、帰ったら絶対に試してみようと思った。
食材をひたすら刻む
きりざいの「きり」は切り刻むの「切り」、「ざい」は菜で野菜のことだという。納豆が必須だと思っていたけれど、意外なことに人によっては入れないこともあるということを返ってきてからネットで調べて知った。
ご飯の上に切った野菜を乗せて食べるという、コメどころの新潟らしいごくごくシンプルな家庭料理に、納豆や胡麻といった要素がプラスされたのが発祥なのかもしれない。
現代では、きりざいは
・納豆
・野沢菜
・たくあん
・胡麻
を最低限入れて作るのが基本の型と認識されているらしい。
まずはこの必要最低限の要素を揃えて、基本のきりざいを作ってみよう。
調理時間のほぼ全てが具材を切り刻むことに費やされる。
細かいことに気を配る必要がなく、頭を空っぽにして無心で作業できる。それでこそ日常食というもので、たいへんに良いと思う。
2種類の漬物が入っているから塩気はそれで十分だろうと思ったので、納豆のタレは使わないでおいた。
うん、美味しい。当たり前に美味しい。
納豆のネバネバに漬物のシャキシャキがプラスされただけでもグッと食感が良くなった。
そもそも私は、ただの納豆ご飯でさえ毎日食べていても飽きないくらい大好きなのだから、これを美味しいと感じないわけがないのだ。


