朝ごはんのことを忘れていた
そして翌朝、午前5時前に自然と目が覚めて、そこに映った景色が日常と違い過ぎて驚く。
そうだ、キャンプをしているんだった。
普段の生活では考えられない起床時間。
二度寝をするのももったいないので、キャノピーを倒さないようにテントから抜け出して、背伸びをして体をほぐし、ぼんやりと海を眺めていたら、お腹が空いていることに気がついた。
そういえば、朝食というものの用意をしていない。完全に忘れていた。普段は朝食をほとんど食べないのだが、キャンプ生活だとやたらと腹が減る。
こんな朝から観光をする訳にもいかないので、しばらく時間を潰さないといけない。これがベテランキャンパーであったならば、お気に入りのコーヒー豆をガリガリと削ってブラックコーヒーをドリップし、昨日焚き火で燻製したベーコンのホットサンドでも作るところだが、今の私にやれることはなにもない。
またアジでも釣って食べるかと昨日の場所に戻ったが、エサで釣っている人は入れ食いなのに、私のルアーにはまったくの無反応だった。
まだ時間は午前6時半。釣れない釣りに見切りをつけて、キャンプ中の食事としてはかなり反則だけれど、車で40分ほど走って、山を越えた先にある最寄りのコンビニまで出向き、ハンバーグのお弁当とコーヒーを買って食べた。
「これから田植えをするんですよ」という顔で食べた。
そんなコンビニエンスな朝食を済ませてテントに戻り、ごろりと二度寝をしてみたのだが、すでにテントの中はしっかり暑くなっていた。寒いのは厚着や寝袋で対抗できるけれど、暑いのはもうどうにもならない。
今日は夕方まで予定がないのだが、キャンプ場では意外と時間が潰せないので、早めにテントを畳んで撤収することにした。
コンビニの弁当を食べるのではなくて、白米などを買ってここで朝食を作るべきだったかなと思い返すが、でもお腹がぺこぺこに空いていたしな。こういう独り言というか、自問自答の回数が増えてきた気がする。
テントを一人で元の袋に収納するのがどうしても無理だったら、適当に丸めて車に放り込み、今日の夕方合流する友人に手伝ってもらおうかと思っていたのだが、意外と一人でもどうにかなるもので、30分ほどで多少不格好ながら元莢に収まった。
一人だからこその面倒臭さだが、一人だからこその達成感。久しぶりに大人の階段を登った気分。隣のキャンパーから「手伝いましょうか?」と声を掛けられたら、「お願いします!!」と言っていたと思うけど。
それにしても、昨日も今日も晴れていてよかった。
こうして私のソロキャンプは無事終了。
反省点はいくらでもあるのだが、二日とも天気に恵まれたし、ちゃんとテントが張れて仕舞えたし、夕飯のおかずは釣れたし、それが最高においしかったし、そんなに虫にも刺されなかったし、温泉は気持ち良かったので、大成功といえるのではないだろうか。
せっかく道具も揃えたし、使い方もだいたい分かったので、今度は秋頃にでもまたテントを張ってみたいと思う。一人で芋煮会でもしようかな。そして突然の雨に降られて泣くんだろうな。

