うまいラーメンうまい
ヨシタケ：
あと、べつやくさんのうまいラーメンうまい。
林：
あれですか！
ヨシタケ：
はやいランボルギーニはやい。あれはけっこうしびれましたね。どこを選ぶかというのと、どう転がすかというのと、二段階あるじゃないですか。あれが2つとも飛距離がでかい。
林：
ああいうところ、べつやくさんは意外な言葉を持ってきますね。
ヨシタケ：
手が届かない感じ。ああいうのは震える感じがしますね。
林：
みんなすげー喜ぶだろうな。黙っとこうかな。
身の回りの3mに世界が入ってる
ヨシタケ：
レンジでチンするやつとか。あれも誰でもできるけど、結局熱がってる様子だったりとか、その後のコメントが面白いわけで、結局やってる人の価値観が面白くて見てる。
林：
炊飯器を叩くとか、レンチンにしてもすごい近くなんですよね。遠くじゃなくて。
ヨシタケ：
僕も3mの範囲、椅子に座った状態で見えるものだけでどこまでできるかみたいなことが好きなんで、地球の裏側まで行っても水たまりの跡が面白いみたいな、見てるところがそんなところだったり。
結局そういうものなんじゃないか。身の回りの3mに地球全体のなにか同じものがフラクタルみたいな状態で入ってるんじゃないかって。
林：
地球の裏側の水たまりが面白いって思うけど、そんなのを面白がっていいんだろうかっていう焦りもありますよね。ちゃんとタージマハルとか行ったほうがいいんじゃないかって。
ヨシタケ：
そういう贅沢さ。そこのプライドにみんなしびれているわけで。
最小限の手間で最大の効果
ヨシタケ：
書き出し小説とか、自分の着眼点を持ち寄るプラットフォームとして他にない場所になっている。書き出し小説とかみなさんのクオリティーの高さとかすごいじゃないですか。
林：
クオリティー高いですよね。
ヨシタケ：
わぁーっと思いながら見てるし。
あと、それこそ地味ハロウィンの「友達の友達」。あれもプレート1枚ですべてをガラッと変えてるわけじゃないですか。あの一言で世界を反転させる感じ。最小限の手間で最大の効果。思い出すたびにゾッとするなって思います。
ヨシタケ：
大きなアイドルのポスターにマジックでちょっと鼻毛書くだけで台無しになるじゃないですか。5mmの線が全体の美しさを台無しにする。そんなちょっとで価値観が全部変わってしまうみたいな。そういう美しさ。
大変ですよ、という優しさ
ヨシタケ：
林さんの前のなにかのインタビューのときに、「楽しそうですね」って嫌味を言われたときに、「楽しいですよ！」って答えるっていうがありましたが、あれすごいって思ったんですよ。
そこで「いや大変なんですよ」っていうのが優しさだろうに。
林：
それを求めてたのか、あのインタビューは。
ヨシタケ：
そこを突き放すなーって。
林：
絶対に辛いとか言わないぞと思って。
ヨシタケ：
そこのプライドがけっこう震えましたね。「大変なんですよ、これはこれで」って僕なら言っちゃう。お互い大変ですよね、よしよし頑張ろうぜってなるけど。
林：
「楽しいっすよ」って言うと、会話が終わりますね。
ヨシタケ：
終わるだろうなって
林：
気づかなかったな。
ヨシタケ：
でもそれは大事だと思いますよ。それをやめちゃダメだと思う。
林：
楽天的にいてやるっていう意地悪さがありますね。
ヨシタケ：
意地悪さなんだと思うし、強さってそういうことなんだろうなっていうか。悲観的になってやるものかって。悲観的になる方がよっぽどラクだし、ブツブツ文句言ってるほうがラクなので。
