特集 2025年9月10日

「三保の松原」で宇宙一のソフトクリームを食べる

これが三保の松原!

「三保の松原」という言葉だけは知っていた。

ただそれがいったい何なのか、正体を知らなかったしいままで知る機会もなく過ごしてきたのだ。

行ってみたら「三保の松原」は最高の観光地だったのでした。

行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。愛知県出身。むかない安藤。(動画インタビュー)

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先日、春から住み始めた静岡の家の近所に登呂遺跡があることを発見して行ってきたのだけれど、今度は「三保の松原」があることを知った。

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「三保の松原」

単語としてはもちろん聞いたことがあった。だけどそれがなんなのかまでは知らなかったのだ。

言葉の成り立ち的には三保にある松林なんだろうな、くらいに思っていた。でもそんなこと言ったら松林なんて日本中にあるだろう、なぜ三保にある松だけを特別視しているのか。

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三保松原

三保の松原という響きには鴨長明(人)とかアベノハルカス(ビル)らにも通じるところがあるので、もしかしたら人とかビルがあるのかもしれない。でもそれならそれで別にいいや、くらいに思ってこれまでやりすごしてきたのだ。

そのくらいの認識だった三保の松原だが、登呂遺跡と同じく、いま住んでいる家の近所にあることをたまたま知った。

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三保!

いままでずっと家と職場との往復の毎日だったのだけれど、ちょっと道を曲がると有名スポットがいくつもあるのだ。やばい、有給とるしかない。

というわけで今回は休みをとって三保の松原に行ってきたので、そこに何があったのかをお伝えします。

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三保の松原とは

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きた

来る途中、待っていたバスが来なかったのであきらめて自転車で来たこととか、途中の自販機でジュースを買ったら写真と違うのが出てきたこととか(写真は500のペットボトルだったのに短いボトルが出てきた)、そんな話はいまはおいておいて、いきなり三保の松原に着いたところから話をはじめたい。

みんなみてくれ、これが三保の松原である。

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三保の松原

そう、正解は三保という場所にある松原、つまり松林だった。

おそらくそうだろうなとは思っていたのだが、僕の予想は当たっていたということだ。ミホノマツバラ(アベノハルカス的な)ではなかった。

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三保の松原には松がある

松原なのであたりまえだが松がたくさん生えている。

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松だ。

松原だから松があって当然だし、それ以上をもとめてはいけないのかもしれないが、三保の松原には松以外にはとくに目立つものはなかった。

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神社はあった

ということはみんな純粋に松を見に来ているのだろうか

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松林の先は海
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足もとは石

何もないというのは語弊があるかもしれないので説明すると、よく観光地に見られる塔だとか橋だとか、展望台みたいなものがいっさいない、ということである。あるのは松林と海と、石、あと空気。

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なにもないのが逆にいい

だけど考えてみてほしい、こんなに有名なスポットなのに、来てみるとほぼ手つかずの松林と海しかないのだ。これはある意味、着飾った観光地に対する強いアンチテーゼなのではないだろうか(適当に言っています)。

いま大阪で万博が開かれているという。そこには巨大な空中回廊が架かり、各国のパビリオンには行列ができているらしい。もちろんお店なんかもたくさんあるんだろう。いいな行きたい。

しかし、三保の松原に来てみて思ったのだ。これはこれでかなりいいぞ、と。

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見方を変えると逆にアリだなと思えてくる

大阪まで行けない負け惜しみではない。

ただただ松林と海と空があるだけである。そこにわざわざ休みをとって来ている自分を思い返してみると、なんともぜいたくな気分になれるのだ。

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万博じゃなくてこっちに来てる人たちはみんなそんな満たされた気分になっているのではないかと思う

この体験はよかった。ごちゃごちゃしていないからこその没入感というか、満足感がある。一人で来るとびっくりするくらい人生について考えることができるぞ。

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売店がある

とはいえ国が誇る名勝「三保の松原」である。松林に行く前にはちゃんと感じのいい売店がいくつかある。

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なんともたまらん雰囲気のよさなんです
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いいわー

宇宙一のソフトクリームを食べる

売店のひとつに「日本一、世界一、宇宙一」と書かれたソフトクリーム屋さんがあった。

また万博を引き合いに出して恐縮だが、たとえば万博会場で「世界一」とか謳おうものなら、各所からつるし上げられるんじゃないかと思う。

しかしここには何を言っても全員が穏やかに許してくれる空気がある。

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なにを言っても許される雰囲気があります

宇宙一のソフトクリーム、もちろん注文させてもらった。

お店のおかあさんが「うちの抹茶ソフトは濃いわよー」と言っていたので「静岡ですもんね!」と返したところ「京都の抹茶だけどね!」と爆笑しながらソフトクリームをしぼってくれた。

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「京都のだけどね~」
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産地はどこであれ、世界一うまかったです

なにもないなにもないと何度も言ってしまったが、観光地としてはきちんと整備されていて売店も、広々とした駐車場もあるので誤解はしないでほしい。無料の案内所や休憩施設なんかもある。

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この建物が案内所兼休施設。ものすごく立派
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中には富士山や三保の松原来訪記念品が買える売店もあります
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案内所に置かれていた背景写真。晴れて富士山が見えるとこんな景色になるらしい

案内所によると、三保の松原は秋冬の晴れた日に富士山がどっかーんと見えると最高にかっこいいのだとか。今日は残念ながら曇っていて富士山が見えなかったが、だからこその何もなさを体感することができたとも言える。こういう観光地もいいのではないか。

もちろん富士山どっかーんな日にもまた来てみたいと思います。

なにもない、でもそれがいい

このところ仕事にエネルギーを取られ過ぎていて、趣味だとか観光だとか、自分自身に向ける時間が確保できずにいた。

そんな折、なにもない三保の松原に来てみて、おおげさではなく本当に、完全に、見事なまでに、元気になって帰ってきた。帰り道で食べたインドカレーもよかったのかもしれない(バターチキン、ナン食べ放題)。

もう一度言うが、三保の松原にはなにもないことが逆によかったのです。

編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
三保の松原はなにもなさが強調されてますが、そうであることで逆に安藤さんの筆致が引き立つ記事だと思いました。それから「京都のだけどね~」のお母さんの表情の良さ!そのあとの安藤さんの写真も、日光でなんかサイケになってるておかしいですよね。(石川)

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