丸茹ではコスパがいいはず
丸茹での時代だ!
カレーはうまい。ラーメンも最高だ。寿司もいいな。人類が磨き上げてきた調理技術はたしかに素晴らしい。僕が生きた30余年のなかでも、世の中の飯はどんどん美味しくなっている気がする。
その一方で、人類の料理は行きすぎているのではないかと思うことがある。曰く、どこどこ産の希少な素材を用いて分子ガストロノミー云々……。
食を娯楽として楽しむ分にはそれもいいが、日常の食事はもっとシンプルでよかろう。そこで丸茹でだ。茹でるだけ。下ごしらえ一切なし、野菜と肉をただ茹でる。
調理にかける手間に対するリターンの割合は丸茹でが一番いいと思う。大抵のものは火を通せばそれだけで十分にうまい。「焼き肉」「しゃぶしゃぶ」これらが立派な料理の名前になるくらいなのだから。
さあ、丸茹でようじゃないか!
レッツまるゆで!
スーパーで野菜と鶏肉を買ってきた。
今回はこれらの食材をそのまま茹でる。
茹でただけで美味しく食べられたら料理界に革命が起きるだろう。あの皮むきや、あの茹でこぼしは一体なんだったのかと料理人たちは頭を抱えるのだ!グハハハハ!!
料理人に恨みはないが流れでそういう文章になってしまった。流れってこわいですね。それでは調理に移ろう。
野菜を洗って水を張った鍋に投入して火にかけるだけである。これがクックパッドだったら工程は①でおわる。痛快である。
まな板や包丁を使わないので、その分の洗い物が出ないのもいい。時間もかからない。あとは吹きこぼれない程度の火力で鍋を温めていくだけだ。楽々調理で浮いた時間はソリティアやスリザーリンクなどをして豊かに過ごそう。
ざっくりこのまま1時間茹でた。
のべで1時間半ほど茹でて完成とした。
調味料はなにひとつ入れていないので野菜の匂いがそのままガツンとくる。キャベツの香りがいちばん強いか。好ましい匂いだ。きっと鍋の中でお互いがお互いを美味しくしあっているのだろう。
これが、まるゆで定食だ!
そうしてできたのが、まるゆで定食である。刮目せよ。
いいビジュアルである。人参や大根は生に見えるが、箸を刺してみると奥までスーッと通っていった。問題なく火は通っていて食べられそうだ。