その手があったのか
最近ある方から聞いた、その人がよく作っている定番おかずで、なるほど! と感心したものがあるんです。
それが「丸ごとピーマンの肉詰め」。一般的には半分にカットしてそこにひき肉などを詰めて焼く、ピーマンの肉詰め。しかしその方は、上のヘタの部分だけを小さくくり抜いて、そこにタネを詰めて焼くのがいつものスタイルだそうなんですね。
するとこれが素晴らしい。まず、ピーマンの肉詰めを作る際の最大のネックって、タネをピーマンからはがさずにうまく焼けるかどうか? 問題じゃないですか。それがあるから、たとえばハンバーグよりも一段難しい料理だと感じてしまう。しかし丸ごとスタイルならば、その部分の心配はなし。
さらに、その方は好きな味を絡めつつじゅわっと焼き上げるスタイルがお好きらしく、僕も最後に醤油とみりんを加え、絡めて仕上げてみました。するとこれが、確かにうまいんですよ!
そこで思いました。この丸ごとスタイルならば、ピーマンの肉詰めのハードルがぐっと下がるぶん、なかに入れるタネや味つけなどのアレンジで、かなり自由に遊べるんじゃないか?
というわけで、ピーマンの肉詰めのバリエーションの可能性、思いつくまま探っていってみましょう。
基本の作りかた〜丸ごとピーマンつくね
ネットなどで検索してみると、丸ごとスタイルのレシピもけっこう見つかったのですが、僕がたどり着いた基本の調理法は以下。わりと簡単で失敗のない方式だと思います。
1 . ピーマンのヘタをくり抜き、わたや種をざっくり取り除く。
2 . そこに、ひき肉をベースとした好きなタネを詰め込む。
3 . 鍋やフライパンに薄く油をひき、ピーマンの表面全体に焦げ目がつくくらいまで焼く。
4 . 底から1cmくらい、水か酒を注ぐ。
5 . ふたをして中火でぐつぐつと蒸し焼きにし、おおよそ水気がなくなったら完成。
6 . 最後に味をつけたい場合、水気がほんの少し残っている時点で好きな味を足し、煮絡める。
イメージ的には、餃子を焼くときの感じかな。途中で加える水分を酒にすることで、酒蒸し効果も期待できるでしょう。
ではまず1品目。この基本の作りかたで作ってみるのは、「ピーマンつくね」です。
鶏つくねとピーマンの組み合わせ、近年すっかり定番化しましたよね。焼鳥屋さんなんかでも、生のピーマンにつくねをのせて食べるメニューを目にする機会が多くなりました。その間違いない組み合わせで、肉詰めを作ってみようというわけ。
今回はスーパーで、なんこつや野菜が入った生のつくねを買ってきてみました。ころころとボール状になってパックに入ってるやつ。上の写真は、そのつくねを3個くらいずつ、ピーマンにぎゅぎゅっと詰めた状態。
これを少しの油をひいたフライパンで焼き、途中で酒を足しておおよそ水分がなくなるくらいまで煮詰めると、
これでもう食べられるのですが、今回はたれと塩、2種類の味を試したいので、ひとつをいったん取り出します。で、フライパンに残ったほうには、市販の焼鳥のたれを加えてさらに煮絡める。
それぞれをお皿に盛り、一方には塩、全体に七味をふれば、完成!
まぁ、間違いあるはずないです。
がぶりとかぶりつくとピーマンがとってもジューシーで甘く、中身のつくねは蒸し焼きにしたからふわっふわでなめらか。なんこつのコリコリ感もたまらなく、ごはんのおかずにはもちろん、やっぱりお酒のつまみにより向いてるかな〜という印象。
文句なしに絶品! 我が家の定番化決定!

