ピーマンを皮ととらえ餃子にしてみる
続いてなんですが、このスタイルの肉詰めを作ってみて思ったのが、ピーマンって“皮”に近いよな、ということ。ピーマンを餃子の皮がわりに使う、ピーマン餃子いってみましょうか。
以上の定番具材と醤油やごま油などをフィーリングで混ぜ合わせて餡を作ります。
ちなみにここまでの時点で得た気づきをひとつ。
ピーマンに肉ダネを詰める際、入り口が狭いので、スプーンなどで少しずつ詰めていく方法だとけっこう苦労します。が、タネを手で細長く、ピーマン内部の空洞の形をイメージして成形し、それをすぽっとはめ込むイメージだとやりやすいです。それでもまだ空洞があるようならば、親指でぐっと押し込んで、さらにタネを足しましょう。
さて、これを基本の作りかたで焼きあげれば、
急に上の写真だけを見て、これがピーマン餃子であると答えられる方はいないと思いますが、ちょうどいいものがありました。最近趣味で描いている絵に、居酒屋の短冊メニューをモチーフにした「酒場の壁」シリーズというのがありまして、
ほら、どこからどう見てもピーマン餃子。
僕は家餃子はポン酢×ラー油で食べるのが好きなので、それで。
見た目はピーマンの肉詰め。けれども食べてみると、中身は肉と野菜の主張が半々くらいの、おなじみの餃子味。これはちょっと混乱しますね。そこが楽しい。当然美味しいんですが、さっきのつくねほどの相性ではないかもしれないな〜。
というか、目分量でたっぷりめの餡を作ってしまったので、皮を買ってきて普通の餃子も焼いたんですが、
というわけでピーマン餃子は、家で餃子を作る際の変わり種バリエーションとして、少し作るくらいがちょうどいいかも。
餃子がいけるならシュウマイは?
とはいえ、ピーマンが皮として優秀なことはもう立証されました。ならばシュウマイはどうだろう?
シュウマイなので蒸していきます。ちなみにここでひとつお得情報。家で気軽に蒸しものをしたい場合、100均などにも売っているこのような、引っかかりつきのステンレス製ざる、
を、適度な大きさの鍋にセットし、ざるに触れず、それでいてしばらくの間沸騰させておいても蒸発しきらないくらいの量の水を注いでわかせば、お手軽に蒸し調理が可能。本格的に蒸し器でやるのもそりゃあ美味しいんですが、ぱぱっと作れて便利です。
定番のからし醤油で食べてみましょう。
もぐもぐもぐ……ほぉ〜、これまた。ピーマンの肉詰めとも、さっきの餃子ともぜんぜん違う。皮がピーマンに変わっても、味はやっぱりシュウマイです。僕、シュウマイが大好物なんですが、そのことをあらためて思い出させてくれるような味。
焼いてから蒸すのとは違い、ピーマンがまだしゃきしゃきとしていて独特の香りや苦味がしっかり残っているのも、ピーマン好きには嬉しいポイントかもしれません。
ロールキャベツならぬロールピーマン
次に思いついたのが、ロールピーマン。肉ダネを野菜で巻いて調理するという構成の料理、よく考えたらロールキャベツばかりが有名じゃないですか。でもでも、むしろピーマンのほうが作りやすいんじゃないの?
そこで、シュウマイと同じ餡をピーマンに詰め、ロールピーマンを作っていってみましょう。あ、ちなみにその日ちょうど、今季初の家おでんを作っていたんです。
オーソドックスなのはコンソメスープなどだろうけど、おおざっぱに言えば和風か洋風かの違いでしょう。それに、おでんにロールキャベツが入っていることも珍しくないし。
というわけで、少し食べてできた鍋の隙間に、ロールピーマンをどぼん。しばらく煮ておけば、お、いい感じ。
これが大正解でした!
噛み締めるとよ〜くだしを吸って柔らかくなったピーマンの甘味とほんのんりした苦味、それから肉の旨味が口いっぱいに広がり、とっても幸せな味。今後、好きなおでんダネを人に聞かれたら「ロールピーマン!」と答えてしまいそうなほど、僕のなかでは一気に主役級の存在になってしまいました。
ひとつだけ注意したいのは、家族から「だしにピーマンの香りがつくね」と指摘されたこと。不用意に加えると、ピーマン嫌いのお子さんになど恨まれてしまうかもしれないので、その場合別鍋で作ると良いでしょう。まぁ、取り出して食べてまたしばらく煮ておいたら、わからないくらいに薄まってしまったんですが。

