お香の作り方
僕がテレビで見た限りでは、お香の材料である木や草、花などのパウダー、オイルなどを混ぜて練ってお香にしていた。なるほど、ああやるのか。テレビってちゃんと編集されてるしわかりやすいし便利だ。
なので真似してみた。大体覚えている通りに真似してみた。
よくテレビでやってた事を真似してひどい目に合う子供や大人がいるが、今の僕は大体そんな感じだ。撮影後にこれを書いているので色々知っている。
スパイスを皿にあけ、水で練って固めた。水をはじくタイプのスパイスも、少しレンジでチンすればお湯になじんで練れるようになる。普段使い出来ないこと甚だしいライフハックだが覚えておいて欲しい。スパイスはお湯でなら大体練れる。
さて、その練ったスパイスを適当な形に成形して干すとお香になる。それが果たしてお香なのかどうかはわからないが、それをお香と僕が呼ぶならお香なのである。それが世の常人の常。そして、失敗の常。
制作過程なんてのは大体こんな感じですっとばして、さっさと出来たお香に火を付けてみよう。空気が乾燥していて朝から晩まで消防車のサイレンが鳴り止まない今日この頃、火の元とお香には気をつけたい。
こうして出来たのが自作のスパイスインセンスだ
予想外にお香っぽいものが出来てしまってうろたえた。もしかしたら僕は新たなトレンドを作ろうとしているのだろうか?そんな事まで考えた。スパイスお香界の第一人者になれるチャンス!ってね。
もしかしたらどこかで誰かが同じ事をしているかもしれないけど、それを僕は知らないし知りたくないので知ってても教えてくれなくていいです。
と、ここまでは夢が広がっていたというか、おお、イケる!これはイケる!来年の年末アンケートで良かった記事トップ10にランクインできる!と思った。
でも実際は、ダメな意味でダメな記事になりそうな結果が待ってたんだ。いや、みんなは最初から気づいてるかも知れないけど。
本物のお香を燃やしてみる
本物のお香を知らずしてお香の記事を書くわけにはいかない。そういう事で、オレンジの香りがすると言うお香の匂いを嗅いでみた。基準というか、判断のベースというか。
これは「かゆらぎ」という名前で、箱の裏には「甘くて苦いオレンジの香り」と書かれていた。火を付けるとまさにそれ以外に表現しようがない煙が立ち上る。うむ、説明の通りだ。
ちゃんと作られたお香はちゃんとした匂いがする。不快感は無く、スパイスをいじってインド雑貨店みたいな匂いになっていたのが中和されていく。お香、凄い。
さて、本物がわかったところで、次からは悪夢の始まりだ。
オールスパイス
ジャマイカ産のオールスパイス。ラベルには「シナモン、ナツメグ、クローブをミックスしたような香り」って書かれている。「ミックスしたような」と いう記述から、輸入した人が配合を知らない事がわかってしまう。賞味期限を見ると2000年の6月で、10年近く前に切れていることが改めてわかった。ス パイスってたくさんは使わないもんね。
火を付けてみると、これが結構ちゃんと燃えて煙を出す。おお、打算で始めた企画だったけどそれなりにちゃんとお香になった。
でも、匂いとしてはまったくお香とはかけ離れていて、むしろお灸。千年灸の匂いそのもの。もしくは野焼きの匂い。鼻の奥に来る。鋭く刺さる野焼きの香り。収穫後の田んぼを思い起こさせる。
これは幸先が悪い。
クミン
名前が可愛いクミン。久美って名前だったらクミンって呼ばれるかも知れない。ただ、クミンは「わきがの匂い」とも表現される微妙な匂いのスパイスだ。だから、もしあだ名がクミンだった場合、陰で「あいつ、臭い」って言われているのかも知れない。
そんなクミン。火を付けるとプラスチックを燃やしているような匂いの煙が漂ってきた。オールスパイスが田んぼの野焼きなら、これは産廃業者がやる違法野焼きの匂いに近い。すぐに火が消えてしまったのだが、それで良かったと思う。
これは、ちょっとマズイ。そう思い始めたのはこの辺(遅い)。
シナモン
ぼくシナモン。はい、低いながらも甲高い声で、「ぼくシナモン」。クミンに次ぐ可愛い名前だ。でも匂いは甘くて美味しそう。これはきっと良いお香になるに違いない。
着火。シナモンそのものの匂いだ。焼けたシナモンという、それ以外に言いようがない匂い。これはこれでいいのだが、強すぎる気がする。なにか他の材料と混ぜて使いたい。そして、よく燃える。燃え方で言えばトップ。
ここにきて一筋の光が。いや、うん、一筋で終わるんだけど。
あと7種類のスパイスお香は次と、次の次のページ。大体こんな感じで、スパイスからでる煙がどれだけ臭かったかを書いていくことになるので本当にごめんなさい。思いついたときはもっとイケると思ってたんだけどなぁ。