特集 2024年5月20日

木の節が目みたいで怖いから盛る

木の樹皮や節が人間の目のように見えて怖い。怖いけれど、お化粧をしてあげたら可愛くなって素敵になるんじゃないかと思う。そういう少女漫画ってよくあるだろう。

この手のことは思いついたときの勢いでやったほうがいいので、まずは目に見える木の枝を探すことにした。
 

1993年生まれ。京都市伏見区出身、宮崎県在住。天性の分からず屋で分かられず屋。ボードゲームと坂口安吾をこよなく愛している。

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榊の木の皮がすごく怖い

林の中で掃除しているときにふと榊の木の皮を見て驚いた。めちゃくちゃ人間の目みたいだったのだ。

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めちゃくちゃ目だ。
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こういうことですね。下の方に口みたいなのもある。
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口裂け女とかより余裕で怖い

怖い怖いと言いつつも目のモチーフが好きなので、つい夢中で眺めてしまう。くさいと分かっているものを何度も嗅いでしまうような感じ。

見つめているとどんどん親近感が湧いてきて、しまいにはこの子を可愛くしたくなった。しなければ。もはや義務感と言っていい。

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おれがなんとかしてあげないと
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化粧する枝を用意する

そうは言っても立木にイタズラをするわけにもいかないので、いい材がないか祖父に尋ねてみる。祖父は林を持っていて、僕の願いを高い精度で叶えてくれる。

ちょうど邪魔になって伐採する予定の榎(えのき)があるというので場所を教えてもらい、また翌日に様子を見に行ったらすでに切り倒されていた。仕事がリニアくらいはやい。

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自分で倒すつもりだった…と立ち尽くす図
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いい目のある木!
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使う部分を切った

木は1本だけあればいいとちゃんと伝えておいてよかった。下手したら祖父は僕のために山中の木をすべて切り倒していたかもしれない。日頃の甘やかしっぷりからするとそこまでやりかねないのである。

正月に季節外れの椎茸狩りをしたいという幼い僕のために、ビニールハウスを建てて暖房を入れて無理やり椎茸を発生させてくれたこともあるくらいだ。

椎茸を発生させるという、聞いたことなさすぎる溺愛。

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木を盛る

目がたくさん付いた木が手に入ったのでメイクアップしてあげよう。化粧道具は100円ショップで手当たり次第に買ってきた。

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目元に関わるものすべてを買ってきた(はず)
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コスメをさわれてちょっとうれしい。憧れ、ありますよね。
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やっていきますよ

ふだん化粧をしないので、道具の使い方をネットで調べながら塗りたくっていく。

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グラデーションが全く表現できない

やってみてすぐ分かったのは、化粧道具は樹皮を盛るために作られていないということである。

道具を強く押し付けるとなんとか色はつくが、のっぺりしてあんまりかわいくならない。でももう後に引けないのでこのままいく。

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アイラインでデカ目を作ろう。ついでに黒目のふちも塗った
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つけまつげもある

 

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…かわいい!!!!

つけまつげを貼ったらチビるほど可愛くなった。

これはいい。好きです。

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「インスタ教えなよ」返事はない。
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最終形。木がどうとかの前に下手だ

楽しくなって盛りまくったら原型がわからなくなってしまった。でもそれくらいのほうがいいのかしら?

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遠目で見たらイケてるかもね

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