山よりこっちがお楽しみであった
その山は、四国は香川県にある。香川に行くには、自分ならアレしかない。寝台電車「サンライズ瀬戸」だ。途中岡山までつながって走る「サンライズ出雲」には、過去何回か乗って終点の出雲市まで行ったこともあるが、「~瀬戸」には乗り切ったことがない。一度乗ってみたかったのだ。
今回、高松近辺に行くとあって、これ幸いとキップを買った。この時点で「山登りに行く」という本来の目的を忘れている。まあこの山の場合、道中から到着までずっとそんな感じではある。
初めての四国、お迎えは松
途中の車窓からは、松が妙に多く見られた。しかも、小さい松が野菜に混じって、野菜顔をして畑に並んでいる。
通り過ぎた看板などから、沿線の鬼無地区は全国有数の盆栽松の産地ということがわかった。こんなふうに一列に畑に植わっている松、初めて見た。
現れては去る畑の中に松を探し「あ、松!こっちにも松!」と必死になっているうち、サンライズ瀬戸は終点・高松に着いた。私にとっての初香川・そして初四国である。バンザーイ!ボンサーイ!
時刻は朝の8時前で、通勤・通学客が非常に多い。彼らに混じって、駅の立ち食いうどん屋で朝飯にしよう。立ち食いうどんといってもここは香川、うどんには期待が高まる。
大変うまい駅うどんを食べたところで、山登りのことをまた忘れそうになる。どうも緊張感がなくていけない。気を抜いていると山に返り討ちに合う、心して臨まねば。
さっそく香川県の東の端、その名も東かがわ市に向かうことにしよう。