いいぞ山梨
山梨は果物もほうとうもワインも美味いなんて反則だと思う。隣の神奈川県に住んでいるのに知らないことだらけでした。また来たいと思います。
みなさんからの投稿だけを頼りに旅をする企画、今回は山梨県です。
今回もたくさんの投稿をありがとうございました(こちらで募集していました)。
行く前は正直富士山とほうとうくらいしか印象になかった山梨県ですが、投稿を頼りに行ってみたら、とんでもなく濃い場所だったのでご報告です。みんなすぐに行った方がいいです。特に印傳と鉄道喫茶は僕からも強くお勧めします。
※これまでいろいろな場所で取材をした記事を読めば誰もが知ったかぶりできるはず。「知ったかぶり47」は、デイリーポータルZと地元のしごとに詳しいイーアイデムとのコラボ企画です。
※姉妹企画「地元の人頼りの旅」もよろしく。
みなさんからの投稿だけを頼りに旅をする企画。道を調べる以外はガイドブックもネットでの評判もまったく下調べなしです。だから行ってみたら閉まってる、とか平気でありますが、それもまた楽しい。
まずはこちら。やはり一番多かった投稿が信玄餅。じつはこの工場テーマパークには去年個人的に行ったことがあるのだけれど、投稿で勧められたから、という理由でもう一回行ってきました。ただ行きたかっただけ、という話もあります。
ここ桔梗信玄餅工場テーマパークの売店では、当日消費の信玄餅を詰め放題で買うことができるという。なんと何個詰めても220円。
この日はすでに黄色いパレット20枚分くらいが詰められていったのだとか。日本人、毎日いくつ信玄餅を食べているのか。
この詰め放題につては予約は受けておらず、当日の9時半の時点でお客さんが多い場合には整理券を配布するらしい。僕はこの日はたまたまふらりと行って入ることができたのだけれど、そんなことは夏場や休日ではまずないという。
たくさん入れるコツは最初に袋を伸ばしておくことらしい。でも伸ばしすぎて少しでも破れたら最初からやり直しになるので注意だ(失格ではなくやり直しというのが優しさ)。
僕もがんばって15個詰めた。「これは記録なのでは」とホクホクしていたところ、向かいにいたカップルが20個詰めたと言っていた。お店の人に聞くと30個くらい詰める人もいるのだとか。手品か。
向かいのカップルにどうやったのか話を聞かせてください、とお願いしたところ、恥ずかしそうに20個詰めたというその袋だけを撮らせてくれた。
この信玄餅の詰め放題、1月2月は寒いので客足が落ち着いていてねらい目なのだとか。しかしその分寒さで袋が伸びにくいので、夏に比べて入る数も少なくなるという。
あと消費期限が当日なので、たとえば20個詰めて持って帰ったらその日のうちに20個食べることになる。売店には他にも美味しそうなものが見たことない値段で売られていて、他にもいろいろ買ってしまうのでそのあたりも考えた方がいい。
詰め放題と売店をチェックしたあとはいよいよ工場見学である。
工場内は見学ルートに限り、お昼休みの時間以外は誰でも自由に見て回ることができる。時間によっては案内の人が説明してくれることもある。
この工場は見学用に作られたものではなく、ふつうに信玄餅を大量生産している現場なので作り手は全員プロだ。その動きには無駄がない。見学させてもらう側としても背筋が伸びる。
工場見学を終えたら見逃してもらいたくないのが一階にある展示ゾーンである。ここには茶花というお菓子で作られた花が飾られている。
工場から出たらすぐ向かいにあるコンビニものぞいてみよう。
このコンビニには信玄餅アイスなど、信玄餅関連のお菓子はもちろんのこと、工場で働くみなさんのために弁当が売られている。
どうだろう、正直この工場だけで記事1本書けるぞと思ったけど、まだ先は長い。とにかくここは朝いちばんで行った方がお得なので、山梨に観光に来る際はこの順序で予定を立ててみてください。
山梨ではワインが一升瓶で売られているって投稿にあったが本当だろうか。
本当ならばどこかの酒屋で買って帰ろう、と思っていたらなんと信玄餅工場の売店に売られていた。
中でもいくつかのワインには表のラベルすら貼られていなかった。聞くと一升瓶ワインは、主に組合員が内部で消費するために作られているため、外に向けて販売するためのものではないのだとか。この工場では会社の偉い人が組合員なので毎年ある程度の量を確保しており、好きな人向けに採算度外視で販売しているのだという。
ワインは毎年タル単位で入荷し、年明けから一升瓶につめて販売される。量は毎年まちまちで、去年は11月くらいまで買うことができたらしい。かと思えば2年くらいまったく入って来ない年もあったというので、いつ行っても買えるというものではないのだろう。
ワインのことは正直あまりよくわからないので味とか香りとかを評価するのは難しいのだけれど、僕はここで赤の一升瓶ワインを買って、このところ毎日にこにこしながら飲んでいます。
山梨に来てまず最初に驚くのは、なんといっても山の近さではないだろうか。特に甲府市は周りをぐるりと高い山で囲まれていて、小学校の頃にならった盆地というやつを感じることができる。
上の写真のせまる山並みのふもとに、なにやら宮殿みたいなものが見えないか。実はこれも投稿いただいていた物件である。
ドン・キホーテといえばいつでも営業していてほしいものがなんでも売っている、いわば夢の城なのだけれど、山梨のドン・キホーテは本当に城なのだという。
どういうことなのか。近くまで行ったらその意味がわかりました。
城だ。いや、城というかインドあたりの宮殿とでも言った方がいいか。色使いがポップなのでまるでマンガの世界から飛び出してきたみたいに見える。
お城に見えるのは大通りに面したお店の裏側で、入口の側はいたって普通だった。
印傳(いんでん)は聞いたことがあるが、10万円の型紙っていうのはどういうことだろう。
印傳といえば偶然だが数年前、渋谷のヒカリエで印傳の財布を購入したことがある。何かの記念に実家の父にプレゼントしたのだ。
今回、話を聞いているうちに、どうもあれは印傳の山本さんの作品だったのではと思ったのだが、その話を山本さんに話すと、確かに渋谷をはじめ全国の百貨店でも販売しているのだという。あの時買った印傳の作者に、今こうして偶然取材しているのだ。めぐり合わせというものはある。
山本さんは日本でただ一人、印傳の部門で伝統工芸士(総合部門)という国家資格を与えられた人である。
日本でただ一人の、というので仙人みたいなおじいちゃんが出てくるかと思っていたら、僕より若い人で驚いた。
子どもの頃からゲームクリエイターになりたかったという山本さんは、中学まで将来の夢がファイナルファンタジーの竜騎士になることだった。ところがある日、父の持つ「伝統工芸士」というタイトルに触れ、頭のてっぺんから電流が走ったのだという。
「伝統工芸士というジョブが竜騎士と同じくらいかっこよく思えたんです。」
その日から山本さんは伝統工芸士を目指すことになる。人生の勝負時が来たら待ったなしなのだ。それは明日かもしれないし、10年後かもしれない。
さっそく作業場を見せてもらった。
そもそも印傳(いんでん)とはなんなのか。
山本「印傳というのは、なめして柔らかくした鹿の革に漆で模様をつけた工芸品のことを言います。」
印傳には基本的に鹿革が使われる。言葉の由来は「インド伝来=印傳」とも言われているのだとか。なるほど、そういえば印傳にはちょっとオリエンタルな雰囲気もある。
印傳が鹿の革を使うのは、柔らかくて軽く、かつ耐久性に優れているから。鹿革は戦国時代の武具なんかにも使われており、うまく手入れをしないとボロボロになる牛革などにくらべ、鹿革の武具はなんと今でもそのしなやかさを保っているのだとか。
「鹿の革は丈夫でなめらかで、人の肌に近い感触だと言われています」という山本さんの言葉通り、たしかにずっと触っていたい感触だった。
「この部屋が型紙が保管してある部屋です。」
次に山本さんに案内された部屋には「鶴」「うろこ」「正倉院」「本」など、聞いたことのありそうでなさそうな単語の書かれた木枠がずらりと収納されたいた。これら一枚一枚がだいたい10万円以上する型紙なのだとか。
型紙は三重県の伝統工芸である伊勢型紙。一枚一枚職人さんが和紙を手彫りして作っているというから、道具の域を超えてすでにこれだけで工芸品である。
気に入った型紙をひとつ選んでください、というのでかわいい「ひょうたん」を選んだ。こちらも人気の柄らしい。
型紙を選んだらいよいよ山本さんが毎日8時間以上座って作業しているという作業場へ移動する。印傳は特に学校関係の記念品として贈られることが多いらしく、一年のうちでも冬から春の卒業・入学の時期にかけてが一番忙しいのだとか。このお店の印傳はすべて山本さんが手で刷っている。
漆は山本さんがオリジナルで顔料を混ぜて練ったもの。漆なのでやはりかぶれる人はかぶれるらしいが、ある程度触れていると体内に抗体ができるようで、子どもの頃から親が漆を使う環境で育ったという山本さんは「もう半日触っていてもかゆくならないです」と言っていた。
「はい、では安藤さん、ここから先はお願いします」
え!
今回は印傳作りを体験させてくれる、ということだったのだけれど、ここでいきなり登板が回ってきた。
目の前にあるのは一枚10万円の伊勢型紙である。うかつに触ることすらはばかられる。さっき山本さんは「型紙は何度も使っていると破れる」って言っていたが、僕の時にちょうど破れたりしたらどうしたらいいのか。
しかしめったにできない体験である、腹をくくって座らせてもらった。
先々代から受け継がれているというこれまた貴重なへらを使って漆をすくう。
漆は木工ボンドより少し硬く、練って持ち上げるのにかなり力が要る。しかもさっき抗体がないとかぶれると聞いたばかりである。おそるおそる僕の考える「適量」をすくい、10万円の型紙へと乗せる。
もうやるしかない。えいや!とへらを手前に滑らせた。要領はTシャツなんかにプリントするシルクスクリーンと同じだ。
なんとなく最初から気が付いていたが、漆の量が少なかったようで途中でかすれてしまった。
山本さん、これって失敗ですよね。
「失敗ですね」
ここからリカバリーできるものですか。
「できないです」
つらい。体験というのはだいたい簡単に達成感が得られるおいしいところだけをやらせてもらえる場合が多いと思うのだけれど、印傳の場合はちゃんと失敗するのだ。シビアな世界である。
でもこのままでは鹿が可愛そうなので、なんとかリカバリーすべくもう一度漆を乗せさせてもらった。さっきよりも均一になるよう、山本さんの言うように下向きに均一に力をかけながら引く。
塗り終えたら漆が乾く前に革をはがす。
印傳の良さは細かくて単純で正確な模様の繰り返しだと思う。一つ一つの漆が、ぷっくりと盛り上がっていて可愛いのだ。
しかし僕の刷った印傳は場所によって漆の乗り方が違っていて、たぶん2度付けしたところだと思うのだけれど、ひょうたんの形がつぶれてしまっている場所もある。これを一発で均一に塗ることなんてできるものだろうか。山本さんの技を見せてもらいたい。
「ではやってみますね。」
最初から最後まで漆の厚さが均一で、僕みたいに足りなかったり余ったりもしていない。漆を引いた跡が美しい長方形である。
これをいとも簡単そうにやってのける山本さんの技を先に見てしまうと、自分でもできるんじゃないかと思ってしまうかもしれない。だからきっと先にお手本を見せなかったのだろう。自分で体験したあとに山本さんの技を見ると、そのすごさがわかる。
これは富士山を印傳のドットで表し、その周りに山梨ゆかりの武田菱と宝石を表す模様を配置した山本さんオリジナルの柄。つやつやした漆が本当に宝石みたいに見えた。
後日、僕が刷った印傳で作ってくれた小物入れが送られてきた。今回はとくべつにお願いして作ってもらったのだ。
これは本当にうれしいです。大切に使います。
投稿をもとに訪れたこのお店、何のお店だかわかるだろうか。
写っているのはオーナーの村松さん。村松さんの隣にあるのは鉄道の信号機である。村松さんが小さいのではなく、鉄道の信号機がでかいのだ。
ここは甲府市にある鉄道喫茶「パンケーキコンテナ」という喫茶店である。
村松さんの営む鉄道喫茶「パンケーキコンテナ」はその名のとおり、鉄道関係のグッズで外観および店内が装飾された喫茶店である。
装飾されているというか、構成されている、といった方がいいかもしれない。そのくらい、ほとんど鉄道関係のグッズに囲まれて、村松さんがコーヒーを入れてくれるのだ。
コーヒーのいい香りが漂ってくるころ、村松さんの前に電車が来る。
いまちょっと話に飛躍があったように思うが、事実なのでしようがない。コーヒーができると、電車が来るのだ。
つまり電車が店員さんなのだ。
村松さんによると、電車がないとわざわざカウンターから出て客席までコーヒーを運んでいく必要があるため困るのだとか。
僕もかつて身勝手なお店を運営していたことがあるのでわかるが、こういうのは店主がそうだといえばそうなのだ。ここは村松さんのお店なのだから、村松さんが法律であり車掌さんなのである。
店内の鉄道グッズは村松さんが集めたもの。
鉄道フェアなんかで買って集めたのかと思ったら、同好の士が持ち寄って置いていったものが多いのだとか。機会を与えることで場が作られる良い例である。このあたりは村松さんの人当たりの良さによるところも大きいのだろう。
お店の奥には「レイアウト」と呼ばれる鉄道のセットが組まれており、ここでお客が持ち込んだ車両を走らせながらコーヒーを楽しむことができる。そんなの楽しいに決まっている。
村松さんはこのお店を運営するとともに、鉄道レイアウトのペーパーモデルのキットを自作して販売している。
そもそもは自分のお店に巨大なレイアウトを完成させるため、市販の風景キットを買っていたのではきりがないので自分で作りだしたのがきっかけなのだとか。つまりはすべて好きはじまりなのだ。
村松さんはお父さんが写真家さんだったらしく、僕がカメラが好きだというとどこからともなく貴重なカメラを出してきて触らせてくれた。
「そうそう、非常ボタンもあるんですけど、安藤さん、押したくないですか」
村松さんが持ってきたのは駅のホームにある非常ボタンの本物である。どこから持ってきたのか。そんなの押したいに決まっているでしょう。
ホームの非常ボタンは誰もが一度は押してみたい(ただし有事の際ではなく)と思っているボタンのひとつではないだろうか。それを押すことができるのもパンケーキコンテナならではである。
非常ボタンは予想以上に押した感が強く、ガッチャ!という気持ちのいい音とともに押し込まれる感覚は癖になる(駅にあるやつはむやみに押しちゃダメですよ)。ちなみにこの非常ボタンも知り合いから譲り受けた物。どういう知り合いがどういうタイミングで非常ボタンをくれるというのだろう。
あまりにも店内がすばらしいので後回しになってしまったが、パンケーキコンテナは喫茶店であり、コーヒーも本格的なのである。
僕の注文した大陸コーヒーは、大陸かどうかは別として、たしかに軽く爽やかな味わいだった。
あまりに見どころが多すぎて長くなってしまったが、以上パンケーキコンテナからお送りしました。次行った時にはちゃんとパンケーキも食べます。
山梨といえばほうとう、ほうとうといえば山梨、そう言い切ってしまっても過言ではないくらい、山梨の郷土料理といえばほうとうである。知ったかぶり47の対談でも現役のほうとう屋さんに話を聞いている。
僕はたまに山梨県で開催されるウルトラマラソンやトレイルランニングのレースに参加しているのだけれど、レースの前日にはよくほうとうを食べている。長い時間走るレースでは直前に「カーボローディング」といって炭水化物をたくさん食べるのが有効と言われており、これにほうとうは最適なのだ。
ここ「小作」は聞いたことはあるけど行ったことのないお店だった。山梨でほうとうを食べに行くというと「どこ?小作?」と聞かれるくらいの有名店らしい。
山梨に来たからには美味しいほうとうが食べたいところだが、投稿頼りの旅ということで強い気持ちで投稿いただいた小豆ほうとうを注文した。本当はかぼちゃほうとうが食べたかった。
ほどなくして出てきた小豆ほうとうを見て、カルマみたいなものを感じた。
僕は小豆文化圏である愛知県の出身なのだ。なのでこういう「ボリュームのある名もなきあんこの食べ物」は実家でなじみが深い。まさか山梨の有名ほうとう店で再会できるとは思わなかった。
小作の店員さんいわく、かつてはこういう甘いほうとうが地域に根ざしていたのだとか。ところが今では小豆ほうとうを出すのは小作をはじめいくつかしかないという。
これ、お汁粉と同じでいつ食べたらいいのかわからない。量的に「小腹が空いたときに」なんていうレベルではないし、かといって甘いので「晩ごはんに」という感じでもない。ただ、あつあつの小豆ほうとうは、お汁粉よりも一年を通して食べられるような気がした。
味は言うまでもなく美味しい。
ほどよい甘さの小豆に太くてこしのあるほうとうが丁度いい具合にからむ。ほうとう自体にさほど味はないので、このくらいインパクトのあるつゆにも対応できるのだろう。外が寒かったこともあって夢中で食べた。
山梨で信玄餅というと先に行った桔梗屋を思い浮かべる人が多いと思うが、他にも信玄餅は存在する。その一つがここ金精軒の信玄餅なのだとか。
お店には誰もおらず、奥に声をかけると「はいはいー」と声がしておばちゃんが出てくる。
信玄餅ください、というと「生ですかー」と聞いてきた。おばちゃんいわく、信玄餅は生が格別に美味しいのだとか。
そんなこといったら桔梗の信玄餅だって生だろうと思うのだけれど、金精軒のおばちゃん曰く、ここのはまったく違うのだとか。
ほうとうでおなかが一杯だったので家に帰ってから食べてみた。
金精軒の生信玄餅は丸く大きな餅が一つ入っていた。きな粉と黒蜜はあとからかけるいわゆる信玄餅方式。
食べてみると甘さが控えめで、たしかに美味しい。でも他とまったく違うかというと、どうかなとも思った。
きっと好きなものについてのちょっとした違いは大きな違いなのだろう。山梨の人が信玄餅をいかに愛しているのか、よくわかる味でした。
投稿でもいただいたが、この遊亀公園は先に取材した印傳の山本さんも薦めてくれたのだ。
公園の中には付属動物園がある。いつでも行ける動物園や水族館のある街はいい街、というのは全国的に言えることだと僕は思っています。
こぢんまりとした動物園ではあるが、ゾウやライオン、トラなど、僕たちが動物園と聞いて連想する動物はしっかりと押さえている。この動物園、日本で4番目に古いらしく、古い方から順に「上野動物園」「京都市動物園」「天王寺動物園」とメジャーどころが続いたあとの4番目がここ遊亀動物園なのだ。1919年開園。
上野のパンダのように込み合っているわけでもなく、動物と人間との関係が近くて対等な雰囲気があるからだろうか、ずっと眺めていても悪い気がしない。動物もたくさんいるのでのんびりと時間をかけて見て回ることができる。
ライオンやトラなど、大きな動物園と同じような動物がいるのだけれど、全ての展示にどこか手作り感が残っている。小さいぶん係の人の目が行き届いているからかもしれない。
この遊亀公園、たまに昔ながらの紙芝居屋さんがやってくるらしい。公園の紙芝居屋さん、その存在は知っているが見たことがない職業のひとつではないか。僕はいまだ実物を見たことがない。
この日は平日だったのだけれど、いるのだろうか。
公園を掃除してくれている人がいたので、紙芝居屋さんのことを知っているか聞いてみた。
紙芝居屋さんは子どもが主なお客さんなので、平日だと学校が終わる夕方以降によくやってくるのだとか。残念ながら今日は会えなかったので、いつもいるという場所でかわりに写真を撮ってきました。
ジュエリーミュージアムは山梨県防災新館ビルというきれいな建物の中にある。県警本部なんかも入っている建物なので、駐車場で警備員さんにどこへ行くのか聞かれるかもしれないが、ジュエリーミュージアムです!と元気よく答えると大丈夫です。
このミュージアムは中が撮影禁止だったので写真がないのだけれど、無料でいいの?と不安になるくらいの充実の展示内容だった。
宝石の採掘から加工から、最新のジュエリーアーティストの作品まで、好きなだけ眺めていられる。目が肥える、というのだろうか。出た後は少し高貴な気分になれた。
投稿にはなかったが、同じ建物内に甲府城の石垣跡が眺められる井戸がある。
この建物を作るときに甲府城の内堀の一部が見つかったらしい。それを保存、展示する場所が地下にあるのだ。
歴史のある町だと工事をすると遺構が出てくることがよくあるが、こうやってちゃんと残して展示してあるのはあまり見たことがない。
というわけで、急ぎ足だったけれどみなさんからの投稿のおかげで「自分一人だったら行かないな」という場所にも行くことができた。
今回は車でまわったけれど、東京からでも電車で2時間くらいである。ふらっと来るには本当にちょうどいいと思います。
山梨は果物もほうとうもワインも美味いなんて反則だと思う。隣の神奈川県に住んでいるのに知らないことだらけでした。また来たいと思います。
▽デイリーポータルZトップへ | ||
▲デイリーポータルZトップへ | バックナンバーいちらんへ |