チーズが伸びていると美味しそうに見える

チーズが伸びてると美味しそうに見える

原宿に限らず、チーズが伸びているところを見ると直感的に「美味しそうだな」と思う。人はとろけたチーズに弱いのだ。

実際にチーズをとろけさすにはオーブンだったり料理のテクニックだったりが必要となる。しかし、そんな準備があるなら僕だって原宿にお店を出しているわけで、今日はその前段階として、見た目だけで美味しそうに見えるのかを試したい。

つまりびろーんと伸びたチーズの部分だけを他の素材で作っておき、それをアタッチメント的に食べ物に合わせることで美味しそうに見せるのだ。いわば「見せチーズ」である。

材料選び

「見せチーズ」はチーズであってはならない。なぜならチーズは食べ物であり食べ物で遊んではいけないからだ。

というわけでホームセンターでチーズの代わりとなる材料を探すことにした。選定のポイントとしては

・黄色くて
・伸びる

だろう。レッツ買い物。

単体でチーズに見える素材はなかなか見つからなかった。シリコンに黄色を混ぜて固めて作るか、でも面倒くさいからもうちょっと探そう、などと悩みながら店内を歩き回っていると、板ゴムコーナーでちょうどいいものを見つけてしまった。

完全にチーズである。素材は天然ゴムなのでよく伸びる。これしかないだろう。厚さ0.5ミリのバンド形状のものが最高にチーズっぽかったのでこれを1メートル買ってきた。

これが口からびろーんと伸びていたらチーズに見えるに違いない。いいぞ、早速やってみよう。

言いたいことはわかる。でもなんか違う。

きっと幅が広いんだと思う。こんなにぜいたくにチーズを溶かしてるお店はないから違和感があるのに違いない。

どうだろう。これに食パンを合わせてみたところ

見えた。この人が食べているのは熱々のチーズトーストである。それかバカならゴム。

本人としてはいたく満足したのでSNSに投稿したところ友だちから「チーズに見えない」という意見をもらってしまったが、事例を増やしてそんなことないということを説明したい。

チーズが伸びて美味しそうなのはなんといってもピザだろう。今は冷えているが、見せチーズで魅力復活だ。

自宅のキッチンで撮っているとどうもテンションが上がり切らない。というわけで着替えて海までやってきた。外で食べる伸びチーズはさぞ最高に違いない。

三脚を立てて撮影していたら、上の写真を撮った直後、トンビにパンをさらわれてしまった。きっとトンビにも美味しそうなチーズトーストに見えたんだろう。悔しいがこれで成功を確信した。

ポケッタブル見せチーズ

サイズを小型化して持ち歩けるようにしたバージョンも作ったのでもう少しお付き合いいただきたい。法事に向かう新幹線の中で試した。

いまや車内販売すらなくなってしまった新幹線の、どこでそんな熱々の食べ物が手に入るんですか！なんて聞かれたらどうしようと思ったが、特に僕のことを気にしている人なんていなかった。こんなに美味しそうなのに。

このあと法事でお茶菓子なんかが出たら取り出して見せチーズを伸ばしてやろうと思っていたのだけれど、まったくそういった雰囲気ではなかったのでやめた。法事は原宿ではないのだ。故人を偲べ。

成功と言い張って終わります

以上、チーズが伸びると美味しそうに見えるか、でした。答えは是！ほかに言うことがないのでとっとと終わります。法事はお寺さんの説教がためになりました。