特集 2024年8月20日

ロケットペンダントを見せて、好きな気持ちを打ち明ける・・・

好きな人の写真を肌身はなさずそっと身に着けることができる、それがロケットペンダント。

パカっとかざりの部分を開けると、いつでも好きな人に会うことができます。

また、ほかの人がそのロケットペンダントの写真を見て、持ち主の隠れた想いに気づくなんてことも・・・

玉こんにゃく、かりあげクン、秘めたる「好き」の気持ち、表してみました。

大阪で生まれ育ちました。工作と漢字が好きです。チェキで盆栽を撮影したり、豆腐を千切りしたりしています。

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> 個人サイト 唐沢ジャンボリー

古風なアクセサリ

私のおばがチェッカーズの大ファンです。一緒におしゃれな古書店に行った時、熱心にチェッカーズの暴露本を読んでました。

そんなチェッカーズの2ndシングルのA面曲「涙のリクエスト」の歌詞に、自分が恋人に贈ったロケットに、今では別人の写真が入っている……というくだりがあります。

「好きな女の子にロケットペンダントをプレゼントする」という贈り物のチョイス、「その中に自分ではない人の写真がある」ことに傷心するエピソード・・・

私の周りで一切聞かない話です。(というか「マッチングアプリ」が介在しない恋の話を最近一回も聞いてません)

当時でもレトロ趣味濃厚だったこの歌詞、今だとさらに古色がつきますね。

ロケットペンダントはどういうものかというと、

チェーンの先についたこの飾りの部分が、
パカっと開き、そこに写真などを入れられるといった代物。
肌身離さず写真を持つことができ、ひっそりと眺めたりなんかもできるわけです。

そもそも、今は好きな人の写真をスマホのフォルダで眺めたり、好きな人がアイドルだったら、写真のバッジを堂々とカバンにつけたりできるご時世です。

でも、このロケットペンダントの「秘めたる思い」といった風情、嫌いじゃありません。

さらに、ロケットペンダントの醍醐味のもう一つ、それは「ほかの人に自分の大事な存在を打ち明ける」です。

若い兵士が、同期の兵士にロケットペンダントに入れた女性の写真を見せながら「故郷に恋人がいるんだ」と語る・・・なんてのを私もやってみたい。

ロケットペンダントのロマンチックさたるや青天井ですね。これはもう好きなものの写真を入れるしかありません。

 

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好きなものの写真を入れて出かけよう

私の好きなもの、それは、
 

ぶっちぎりで「玉こんにゃく」です。

とぅるんとした食感、さらにお出汁がしゅんでるときの美味さといったら・・・

好きすぎて無限に食べちゃうのですが、「作家の大宅壮一が晩年にこんにゃくばかり食べたことが遠因で体調をくずして亡くなった」という話を小耳にはさんでから自制しています。

そんな思いあふれる玉こんにゃくの写真を撮影し、

ロケットペンダントにそっと入れました・・・

「玉こんにゃく」を胸にお出かけです。

はたから見ただけでは玉こんにゃくをぶら下げてるとは思えない

仲良しの四谷くんと銀座に映画を見に行きましょう。

銀座の歩行者天国を歩いている最中、「今、私は玉こんにゃくと共にあるのか~」とふとよぎります。

炎天下でも、玉こんにゃくのつるんとしたどごしを思い出して涼をとれなくもありません。

もし、スマホや手帳に玉こんにゃくの写真があっても、こうやって特段思い出すことはなかったでしょう。ロケットペンダントに写真を入れて身に着けると、存在感マシマシです。

「小腹がすいたかも」と思ったら、そっとロケットペンダントを開けました。

四谷くんとシネスイッチ銀座で、『お隣さんはヒトラー?』を見たあと、昼ごはんに行きました。

「玉こんにゃく、付き合いなんや、すまん」と思いながらカルボナーラを食べました。(おいしかったです)
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思いをそっと打ち明ける

そろそろロケットペンダントの醍醐味のもう一つを体験したい。ロケットペンダントを開けて、他人にそっと「好きなもの」を紹介したい。

四谷くんとの会話で「玉こんにゃく」の話題にならないかと様子を伺いますが、全くきざしがありません。

四谷くんに「今日の晩ごはんどうする?」と聞かれ、チャンス到来。

唐沢「玉こんにゃくとかどうかな」

唐沢「実はめっちゃ玉こんにゃくのこと好きで・・・」

ここでそっと見せました

四谷くんの反応は・・・

こわかったようです。

「ロケットペンダントに、ぬめりがあるものの写真が入っていると怖い」とのこと。確かに、ロケットペンダントには家族とか愛犬とか、かわきものの写真が多いことは多いですが・・・

急な玉こん写真の打ち明けは脳が追いつかないのかもと思いました。「戦争が終わって故郷に帰ったら食べるんだ・・・」では同期の兵士もきっと反応に困るでしょう。

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それやったら人や

パッと見せられたとき、もう少し相手の混乱をおさえられるものにしましょう。人にしましょう。

私がロケットペンダントに写真を入れたい人、

かりあげクンです。(©植田まさし)

いたずら好きのサラリーマンのかりあげ正太のすごいところ、それは「自分で考えたいたずらを淡々と遂行してポーカーフェイス」なところです。

誰の轍も踏まない、誰の評価も気にしない姿が本当にかっこいいです。

自分で描いたかりあげクンをペンダントに入れ、引き続き四谷くんと銀座を歩きます。

銀座の蔦屋書店で江頭誠さんの展示を見て笑みがこぼれる

かりあげクンの写真を身に着けていることで、銀座の歩行者天国、ブティック、画廊を見るにつけ「どのようないたずらが考えられるか・・・」と思いを巡らせてしまいます。

四谷くんに、かりあげクンの写真をそっと見せると、

「これはわかる」とのこと。

「かりあげクンというのは一旦置いておいて、アニメキャラの絵が入ったロケットペンダントが売ってるくらいやから、それと同じと思えば問題ない」とのことでした。

だんだん相手の理解の枠に収められるようになってきました。ロケットペンダント3級といったところですね。

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ジャンル無視して好きなものを入れる

食べ物は受け入れられにくい、人なら受け入れられやすいという教訓を得たので、「いっそジャンルを無視して好きなもの入れてしまえ」と決断し、

「司会者の後ろに、視聴者からのFAXが貼られる番組演出」をロケットペンダントに入れました。

視聴者が、出演者の似顔絵やエールをかいてFAXで送ると、貼って紹介してくれる番組ありますよね(朝の情報番組とか24時間テレビとか)。

ファンの存在と、ファンの自己顕示欲が視覚化されて大好きな演出です。

「演出」をペンダントにするのは、あまりにも突飛だという自覚はあります。

しかし、四谷くんにはすでにいろんな好きなもの見せてるし、あと「こういう演出が本当に好きだから仕方ないか」と思い、24時間テレビの話題にかこつけて四谷くんに見せたところ、
 

匙を投げられました。

他人からとても大切にしているものをこっそり見せてもらった場合、反応は慎重にならざるを得ません。見せてもらったものが理解の埒外だったら、リアクション選びに困ります。

「ロケットペンダントの中身を見せることは、相手の負担になることもある」と学びました。以後気を付けます。

ささやかなおまけ
記事に使わなかった写真

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