こんにちは、JUNERAYです。
突然ですが皆さん、
どなたも一度は耳にしたことがあるフレーズでしょう。
日本郵便株式会社が提供するサービス、レターパックを使って現金を送らせる詐欺が後を立たないが故のことですが、そもそもレターパックに現金を入れて送ると郵便法違反になるとのこと。
X線まで用いて現金が封入されていないかの検査が行われているとのことですが、筆者は普段からこんなことを思っていました。
レターパック、現金よりいいものが入れられるんじゃないか?
もちろん貴金属など高価なものをレターパックに入れることはできませんが、もっと根本的に「いいもの」を……
そこで今回は、5府県より5名のデイリーポータールZのライターに協力を仰ぎ、レターパックに「自分がいいと思うもの」を詰めて送ってもらうことにしました。
名付けて、「レターパックで○○送れ選手権」です。
ご協力いただいたライターは、こちらの方々。
また、うっかり金塊などを送られた場合記事にすることができないため、下記のルールを設けました。
・日本郵便が定める「レターパックで送れないもの」は送らない。
・ポストに投函される「レターパックライト」ではなく、対面受け取りの「レターパックプラス」を使用。
・せっかく日本各地のライターが参加してくれたので、「ご当地のいいもの」を送ってもらう。
・入れるものの予算は一人3,000円+税、送料別
・送られてきたものはJUNERAYとデイリーポータルZ編集部で吟味する。
このルールとレターパックの送付締め切りを参加ライターにお伝えしたところ…
理解の早いライター陣のおかげで、無事に撮影日までに全員分のレターパックを受け取ることができました。
それでは開封の儀に取り掛かりましょう。
デイリーポータルZ編集部の会議室で、編集部の古賀さん、安藤さんと共に開封していきます。
古賀:人によって封筒の厚さが全然違うねえ!
JUNERAY:ですねえ、ぶ厚いやつは期待が膨らみます。
安藤:逆に薄いやつはトリッキーなものが入ってるのかなと思ってワクワクする。
まずは静岡より、鈴木さくらさんの作品
JUNERAY:東京から近い順に開けていきましょうか。まずは静岡の鈴木さくらさんから。
古賀:鈴木さんのレターパックは一段とぶ厚い〜!
JUNERAY:あ!!
JUNERAY:めっちゃいっぱい入ってる…!!
古賀:わあ〜い!
安藤:お菓子がぎっしりだ。
JUNERAY:静岡だから、お茶が入ってるかな?と思ったらやっぱり入れてくれてますね。
古賀:パッケージがかわいいよう!
安藤:ティーバッグのお茶を選んでくれているのに心遣いを感じますね。すぐ飲めるように。
安藤:間違いない布陣だ…
古賀:直筆のお手紙まで入ってる!
古賀:なんだか…お母さんから来た仕送りみたいで心温まりますね…
JUNERAY:鈴木さんいわく、「あれやこれや悩んだのですが、肩肘張らず、自分がおいしいと思うものを詰めました。」とのことで
安藤:一番いい。
古賀:優勝では?
JUNERAY:早い早い!!せっかくなのでいくつかいただきましょう。
古賀:嬉しい〜!!いい撮影!!
JUNERAY:なんだか…高級な香りがします!いつも家で飲んでる安い緑茶とは格が違う。
安藤:直接かいで分かるほどいい香りなんだ。
古賀:ちょっと撮影とは思えない気分になってきましたね。
JUNERAY:このお茶、ほんとに渋さがゼロでおいしい。
安藤:しかもお茶菓子天国だ。どれから開けましょう?
JUNERAY:この、緑のフィナンシェ?みたいなやつ気になりませんか。
古賀:なんだこれ!甘い…甘いんだけど、ちゃんとお茶を感じるよ。いい香りだね〜っ!
安藤:渋さが思ったよりしっかりある。
JUNERAY:めちゃくちゃ上品、フィナンシェの貴族って感じ。
古賀:あ!安藤さんなに食べてるの!
安藤:しょっぱいもの食べたくなっちゃって…
安藤:うに煎餅はしっかりうにの匂いするし、塩トマト煎餅もナポリタンみたいな味しておいしいです!
古賀:静岡、お茶と茶菓子が強すぎるよ。
JUNERAY:この企画、バリエーションで攻められるとシンプルに最強かもしれない。しかも鈴木さんのチョイスは全部それぞれがちゃんと美味しいから、スキがない。
審査員(JUNERAY+DPZ編集部)総評
お茶+お茶菓子という堅牢なコンボ、しかもバリエーションで魅せてくれる余裕まで感じられて素晴らしかったです!お茶は特にさすがの美味しさ。ティーバッグを選んでくれる心配りもすばらしい!
余談ですが、JUNERAYはくるみにアレルギーがあるので、たこまんの「あんじぇんぬ」は古賀が美味しくいただきました。
続いて新潟県より、つりばんど岡村さんの作品
古賀:そうそう、つりばんどさんは「これを用意しておいてほしい」と言伝があって
JUNERAY:でかっ。なんですかこれ
安藤:「こっちにあらかじめ何かを用意させる」って、ルールの裏をついてきたね。
JUNERAY:確かに。禁止はされてないですからね。
JUNERAY:え、なんだこれ
古賀:なになに〜!?
JUNERAY:箸です。
古賀:箸!?
JUNERAY:しかも3膳。
JUNERAY:あ、米が入ってました!2パック!
古賀:新潟は米どころだものね〜っ
安藤:米は2パックなんだ。箸と、米でおわり?
JUNERAY:いえ、まだ何か…
安藤:これ、この間つりばんど岡村さんの記事で使ってたやつだ。
JUNERAY:つりばんどさんに問い合わせてみたところ、「米どころ新潟の甘くて粒が輝く新品種、〝新之助〟のパックごはん」と、「新潟県民のほとんどが今のところ存在を知らないつりばんど岡村が記事で制作したのぼりです。JUNERAYさんと編集部の皆さんの戸惑う顔が見たくて送付いたしました。」とのことです。
古賀:戸惑っているよお…
安藤:新潟の「いいもの」はつりばんど岡村さんてこと?
JUNERAY:米はうれしい、うれしいが……
審査員総評
??????????
(米はかなりうれしいです)
京都は強いぞ!こーだいさんの作品
古賀:さて、お次は京都から参戦のこーだいさんですが…
JUNERAY:このへんは個性が出ますね。
古賀:私もテープでとめちゃうから分かるっ!
JUNERAY:あーっ!!!!
古賀:なになに!?
古賀:これ知ってるよ!京都水族館で大人気の、オオサンショウウウオのぬいぐるみ!
JUNERAY:でーっかいやつもいるんですよね。オンラインストアでずっと売り切れなのに!!
安藤:京都水族館まで行って買ってきてくれたってこと!?
JUNERAY:そうかも…!激レアアイテムだ!
古賀:お手紙によるとこのオオサンショウウオちゃん、押すと鳴く(本物のオオサンショウウオは鳴かない)らしいです!
JUNERAY:そんなの一番かわいいが…。せっかくだからお菓子もいただきましょう!
古賀:こんな、きなこのクリームが入った洋菓子みたいな和菓子なんて、みんな好きなやつじゃない?
JUNERAY:知らない土地のお土産にもらって、ちょうど嬉しい味がします。たまーに家にあってほしい。
安藤:古賀さん、一時期阿闍梨餅に大ハマりしてなかったっけ?
古賀:わたし阿闍梨餅のことが本当に大好きで仕方なくて…でもぜんぜん買えないんだよ!送ってもらえてうれしい!
古賀:おいしいよう、おいしいよ阿闍梨餅…
安藤:餡子が上品で最高においしい。これ、何個でもいけちゃいますね。
JUNERAY:京都はお菓子の底力がすさまじいな…さすがすぎる…
審査員総評
歴史あるお菓子で守備をがっしり固め、ぬいぐるみというかわいいアイテムで攻守ともに完璧な布陣だったのではないでしょうか!
彩りのために添えられた五色豆も「ちょっとカラフルないい感じのお菓子がほしいな」と探してすぐいいものが見つかる、京都の余裕を見せられたようで悔しさすら感じました。
ちなみに…
ぐーんと南下して長崎!山本千尋さんの作品
JUNERAY:南の方になってきた!ここからは本当に知らない食べ物が飛び出しそう。
古賀:これ、巻いてあるの地元のチラシみたいなやつじゃなーい!?読もう読もう!
安藤:これは緩衝材なのに価値があるパターンですね。技術点が高い。
JUNERAY:自分が住んでない土地のローカル新聞って、なんでこんなに面白いんでしょうね。
(※ほんとはレターパックに割れ物を入れることはできません)
古賀:豆のピクルスだと〜!?
JUNERAY:山本さんいわく、「地元の野菜をとことんピクルスにしちゃうぜ!という気概が感じられるメーカーさん」だそうで。
古賀:そんなのおいしいじゃん!
安藤:こっちのずっしりした平たいの、なんだろう。
古賀:知ってる知ってる!かんころ餅、前に山本さんが記事でも書いてたやつ〜!
JUNERAY:さつま芋を干した「かんころ」と、餅を混ぜて作った長崎市五島列島の郷土料理だそうです。長崎まで来たら急に知らない食べ物が…!
安藤:あご(トビウオ)ってそのまま食べていいの?…って思ったけど、よく考えたら煮干しみたいなものか。
JUNERAY:山本さんからのお手紙によると、「平戸のあご旨だしはなんにでも使えます、こんな人間になりたい」だそうで
古賀:山本さんが羨むほどの万能感…!
JUNERAY:…これ、なんだかオレンジというか、みかんみたいな味しませんか?
古賀:わかるわかる!味はしっかりおいしいピクルスなんだけど、どこかに柑橘がいる。
安藤:ほんとだね、原材料みるとふつうのピクルスなのに、みかんっぽいフルーティさがある。
JUNERAY:これは豆のポテンシャルが高いのかも…あとこの瓶では足りない、無限に食べてしまえるから1ガロンほしい。
古賀:わはは!けっこう固いねこれ!
JUNERAY:もののけ姫のサンくらいの勢いで噛みちぎらないといけない。
古賀:でもおいしいよ〜これ!噛めば噛むほどに味が!
JUNERAY:旨味がすん〜ごい。満足感あるから、ダイエット中のお菓子にいいかも!
審査員総評
お菓子で攻めるのではなく、「地元のうまいもの」で揃えるストイックなスタイルが素晴らしかったです!しかも全部おいしいし、出汁用のあごだしパックと、そのままかじる用の2種類で食べ比べられるのもいい。
ただ、レターパックに入れられないガラス瓶が入っていたので、そちらだけが惜しかった点です…!
そして気になる「かんころ餅」は自宅でいただいてみましたが…
かんころ餅、こんなうまいものが世に広く知られていないのはおかしいと思う。今回の食べ物のなかでも、個人的に大ヒットでした。
次でいよいよ最後のレターパック!レターパックで○○送れ選手権、初代優勝者は誰だ!?
沖縄より、はじめましてのお菓子と、いつもお馴染みのお菓子のコラボ!やんばるたろうさんの作品
古賀:さてさて、最後はダークホース・沖縄ですが…
JUNERAY:何が入ってるか全く見当がつかない。
JUNERAY:やんばるたろうさんいわく「隙間を埋めるために、割とファンが多い久米島のみそクッキー、沖縄伝統菓子のタンナファクルー、乾燥梅干しが入ったキャンディー」を入れたとのことです。
古賀:スッパイマンの梅キャンディーって沖縄の会社が作ってたんだね〜!
古賀:このタンナファクルーってなあに!?初めまして!
安藤:うわー懐かしい!昔食べたことあるけど、そのときはあまりおいしいとは思えなかったな…
古賀:あれっ…なんだか知ってる匂いがするよ。なんだっけこれ。
JUNERAY:やんばるたろうさんより、「カラギ茶は沖縄県北部のオキナワニッケイという植物の葉から作られるお茶で、シナモンっぽい不思議な味がします」とのこと。
古賀:あー!そうそう!シナモンの香り!落ち着くいい匂いだねえ
JUNERAY:謎の荘厳さと修行っぽさがある。偉いお坊さんがお寺で飲んでそう。
古賀:わかるわかる。匂いがお香っぽいからかな?自動的にリラックスさせられちゃう。
安藤:味はほとんどないんだけど、香りがいいだけで「お茶っていいな〜」って思わされるね。
古賀:そぼく〜!!いいねいいねえ、郷土のお菓子って感じがする!
JUNERAY:すっごく優しい黒糖の味。食感がちょっと独特かも…?
安藤:僕の記憶にあるタンナファクルーよりおいしい!これはついついもう一個手が伸びちゃうかも。
審査員総評
知らないお菓子が入っているだけでこんなにも嬉しい!やはり沖縄の底力には脱帽です。からぎ茶も神秘的な雰囲気を漂わせる魅力的なお茶だし、黒糖の食べ比べのような「おっ」と思わせる面白アイテムが入っているのも素晴らしい。毎月レターパックで何か送ってほしくなりました。
ちなみに八島黒糖ですが…
以下、全種類食べ比べた筆者の第一印象をメモしておきます。
・伊平屋島→苦味がしっかり、コクがある
・与那国島→しょっぱい!!!!味が複雑!ほうじ茶っぽさがある
・多良間島→カリカリしてて軽め、しょっぱい
・西表島→ゴリゴリしてるけど口溶けはあっさり 1番知ってるタイプの黒糖かも
・伊江島→ホロホロ砕ける、甘さとしょっぱさのバランスがよくて食べやすい
・粟国島→シャリシャリだけどねっとり さっぱりしてて食べやすい ちょっと旨味がある
・小浜島→ポクポク食感だけど甘さはそこまで強くない
ぜーんぶおいしかったよ!仕事中の糖分補給おやつとして重宝しています。
第一回「レターパックで○○送れ」選手権、優勝者は誰だ!?
JUNERAY:これ、おひとりの予算が3,000円なんですけど、どう考えても3,000円よりいいものが入ってると思いませんか?
古賀:思う思う!何かもらえるだけでうれしいのに、ご当地のおいしいものをこんなにたくさんもらえるなんて…!
安藤:鈴木さんのレターパックなんて、一週間分以上のお茶とお茶菓子セットが入ってる。
JUNERAY:優勝決めるの本当に難しいな、お二人ともお気に入りはどちらでした?
安藤:僕は山本さんが送ってくれた豆のピクルスが面白くて好きだった!ずっと食べていたい魅力的なおいしさがある。あとやんばるたろうさんが送ってくれたタンナファクルー、昔のおいしくなかった思い出を更新できて嬉しい。
古賀:ええ〜っ!悩ましい…けど…やっぱり阿闍梨餅が大好きだから贔屓したいよ〜!京都はどのお菓子食べてもおいしすぎるよ!かわいいぬいぐるみも入ってたし…。
JUNERAY:そうそう、皆さんが食べ物で勝負する中、「水族館のぬいぐるみ」を見つけてくれたこーだいさんのアイディアはすごくいいと思う。なによりぬいぐるみがかわいいし…
古賀:着眼点がよかったよね!水族館に行って買ってきてくれたのもポイント高い!
ということで、第一回「レターパックで○○送れ」選手権の優勝者は…
絶賛されたオオサンショウウオのぬいぐるみですが、こーだいさん自身も「最初に買ったやつは2、3日家に置いてるうちに愛着が湧いてしまったので、同じものをもう一つ買って送りました(そのせいで発送がぎりぎりになりました)」とのこと。納得の愛くるしさです。
現金よりもいいものを送り合えるレターパック、皆さんも遠く離れたご友人やご家族と送り合ってみてはいかがでしょうか。