集中力の保ち方
安藤:ものづくりしているアーティストさんって、ずっと作っていられちゃうのかなと思ったら黒坂さんのブログには「つらい」「苦行のよう」「いよいよ精神が限界に近づいてまいりました」とか普通に書いてあって、ああ僕らと一緒なんだ、とちょっとほっとしました。
黒坂:もうね、毎回苦しんでますよ。集中力なんてそうそう続かないですし。
安藤:どうやってやる気を維持しているんですか。
黒坂:時間を決めて作業するようにしてます。2時間なら2時間、ラジオの番組を聴きながらそれが終わるまではとりあえず集中するようにして、みたいな感じで。それでも鼻先にエサをぶらさげていないともたないので、作業に区切りがついたらプレステやっていいことにしてます。
安藤:作業はご自宅ですか?
黒坂:完全に自宅ですね。ワンルームに作業机を置いてやってます。
安藤:自宅だと日常との区切りがつかなくないですか。前に取材した尺八を作っている富川さんなんかは、自宅が丸ごと工房になっていましたよ。
黒坂:ミニチュアフードはそんなに場所をとらないのでまだ大丈夫なんですが、こういう作業って結局終わらずにだらだらと続けてしまうので、プライベートとの区切りはまったくないですね。
次は各地の食べ物のミニチュア化
安藤:これから作ってみたいミニチュアフードってありますか。
黒坂:可愛いものならなんでも作ってみたいですが、やっぱり見たことがない食べ物よりも、なじみのあるものの方が人気なんですよね。
黒坂:この薬味3連は特に評判よかったです。
安藤:台湾のごはんだってかわいいのに。結局みんな身近にある薬味が好きということでしょうか。
黒坂:やっぱり知らない土地の食べ物よりも、地味だけど欠かせない薬味の方がモチーフとして身近でいいんでしょうね。あとはご当地グルメなんかにも挑戦したいです。各地の食べ物をミニチュア化していきたい。
安藤:僕の出身県の愛知県には変な食べ物がたくさんあるのでぜひ作ってもらいたいです。
黒坂:エビフライとか味噌カツとかではなく?
黒坂:大あんまきは初めて見ましたが、これはインパクトありますね。作ってみたい!その前にまず食べてみたい!
安藤:大あんまきがミニチュア化されたら小あんまきという名前でマルシェルで販売できると思いますよ。
最初はいちご大福から
安藤:この記事を読んだ人がミニチュアフード作りたくなった場合(僕ですが)、まず何から作るといいでしょう。
黒坂:実はわたしも誰かに習ったわけではないのでいい加減なんですが…。
安藤:独学ですか!
黒坂:そう、完全に独学です。わたしがミニチュアフード作りを始めた11年くらい前は、教則本や教室も身近にはなかったので、写真とか実物をなめるように観察しながらひたすら作っていました。
安藤:手探りでここまで来たのすごくないですか。ちなみに黒坂さんが最初に作ったミニチュアフードは何だったんですか?
黒坂:最初はたしかいちご大福だったと思います。はじめのうちはいきなり複雑な料理系には手を出さず、それこそバナナとかみかんみたいな単体から始めるといいと思いますよ。
安藤:なるほどなるほど。あとは根性ですね。今の黒坂さんのスキルでバナナ1本作るのにどのくらいの時間かかるんですか。
黒坂:どうだろう、今だと1時間くらいかなと思います。
安藤:速い!
作品を作ったらブログを書いて販売だ!
安藤:黒坂さんは昔から器用だったんですか?
黒坂:手芸や絵を描いたりするのは子どもの頃から好きでしたね。それから服飾の専門学校でデザインや縫製の勉強もしたので、細かい作業はわりと慣れているのかも。
安藤:作った作品をブログで紹介したりマルシェルで販売したりできるというのは、モチベーションの維持につながるものでしょうか。
黒坂:そうですね、前にデザフェスでお客さんが喜んでくれていたのを見て、やる気が出ました。
安藤:やっぱり反応がないと気持ちが維持できないですよね。
黒坂:そうなんです。その点、作る過程をブログに書いて、そのままマルシェルに出品して買ってくれた人の反応が見られるのはモチベーションの維持という点でかなり助かっています。
goo 橋本:マルシェルには黒坂さんや前回の地理人今泉さんはじめ、こだわりのすごいマニアブロガーさんをまとめたページがあるので見てください!
安藤:急に出てきた。
goo 橋本:ごめんなさい!
黒坂:お世話になってます!
安藤:黒坂さんの新作もこちらに出品されるんですね。これからも面白くて可愛いミニチュアフードを楽しみにしています!