子どもの独自の言葉を、親だけが使い続けることがある
うちの子が幼いころ、くっつくことを「ペタリつく」と言っていた。うまい表現だなと感心して自分も一緒に使っていたのだが、当の子どもはすぐに本来の言葉を覚えて、ほんの短い期間しかそれを使わなかった。いまでは親である自分だけがたまに使っている。
編集部の石川さんのお子さんは、食べ放題のバイキングのことを「なんでも食べやさん」と言っていたそうだ。石川さんも一緒になって使っていたが、いまでは石川さんだけが使うことがあるらしい。
そういうことってありませんか。
募集したらいろいろと教えてもらった
他の家庭の例も知りたい、と思ってSNSで聞いてみた。
子どもの小さい頃の独自の言葉遣いを、親だけがまだ使ってることってありませんか?
— 三土たつお (@mitsuchi) October 7, 2024
・くっつくことを「ペタリつく」という
・バイキングのことを「なんでも食べやさん」という
わが家ではこんな言葉、という例があればよければ教えていただけないでしょうか。DPZの記事にできればと思っています。
するとたくさん教えてもらい、なるほどいろんなパターンがあるものだなと感心した。
自分としては、「そんな表現があったか」という子どもの発明に近い言葉遣いが見られればと思っていた。しかし世の中はそんなに単純ではないのだった。
激しく同意系
まずは、このことを広く聞いてみたいと思った動機にぴったりだった回答を紹介したい。
娘2歳が寝る前の「おやすみ」のことを「まーに」と言うのですが最近まーにを卒業してしまい、周りの家族が(なんとなくさみしくて)まーにを使ってますね https://t.co/9ijxVSPngG
— たけうち🚄どこかの海闘士 (@mahfaeraak_od) October 8, 2024
分かる!!!!!
分かるよ。2歳というと、言葉をじょうずに話し始めて、でもまだまだ舌足らずでかわいいときだ。それがおやすみのときに「まーに」というなんてもう想像するだけで笑顔になる。なのに子どもの側はそんんな親の気持ちも知らず、ただ言わなくなってしまうんですよね・・。
たいていの場合、子どもはいつの間にかその言葉を言わなくなって、親だけが自然と使い続ける状況になる。この場合みたいに、「卒業」したことを意識して、かえって親が使うようになるのもさみしさがある。
でもいいのだよ。子どもよ、すくすくと育っておくれ・・。とまあこんな気持ちです。今回の記事は。
舌足らず系
多かったものの一つは、子どもの舌足らずな(かわいい)言葉を、親が気に入って使うというパターンだった。
子供が小さい頃、「ありがとう」を「あーとぅ」と言っていたのですが、あの可愛らしさが忘れられず、私だけが家族間で「あーとぅ」と使ってしまいます。 https://t.co/00ueFCEFuL
— マルコ(・🤙・)🌗 (@waihakatsuoya) October 7, 2024
2歳から3歳ぐらいまで、靴下を「くちた」と言ってたの、未だに私が言ってます🤣 https://t.co/X0gaNvfbKa
— しゃばだば@BOOTHぬい販売中 (@syabadaba1032) October 8, 2024
分かる!!!!!
分かるってばよ。このパターンもあるよ。
「くちた」とただ文字で書くと分かりづらいかもしれない。ぜひ、幼い子が靴下を探しながらたどたどしい声で「くちた どこ?」と言っているような状況を想像して欲しい。親としては、かわいさに悶絶しながら「くちた さがそうね!」となるしかない。子どもの使った言葉をそのまま使って返すことで、コミュニケーションが成立するのだ。
そして子どもはいつか「くちた」と言わなくなる・・。ううう。さみしい。さみしいけどそのことはさっき言ったからいったん忘れよう。
舌足らず系、ほかにはこんな情報もあった。
(üzΔm さん)
ぽんぽんタイタイ(腹痛)とおなかピッピ(おなか壊した時)。私と下の子小5がついつい使っちゃってます
(㍍㌔さん)
おなかピッピの件、小5の子の下にさらに小さい子がいて、その子の言葉遣いを小5が真似するっていうことですよね。
なんというか、こどもの言葉遣いが可愛くて親心でつい使ってしまう、ということだと思ってたんだけど、お兄ちゃんやお姉ちゃんにとっても、小さな弟や妹の言葉はかわいいということなのかな。それとも、さっき書いたように相手の言葉遣いをそのまま返すことがやっぱり基本になって、自然と使うことになるのかもしれない。このへんは幼児教育の本にありそうだな・・。
オノマトペ系
「わんわん」や「ぶうぶう」のように、こどものために対象を擬音語や擬態語(オノマトペ)で表すことがある。すると子どもは自分でオノマトペを発明することになる。
ほろほろ(or ほろほろ卵) ←スクランブルエッグ or 炒り卵
— 東大島優子 (@higashiojimaUK) October 7, 2024
「ほろほろ」はどうやって使うかというと、「今朝の卵は何にしよう。目玉焼き?ゆで卵?ほろほろ?」のように、メニューの名前として使うそうだ。
小さい子どもにとって「スクランブルエッグ」は長いし発音しづらいから「ほろほろ」と呼んだのだろう。そしてそれが家族の共通語になったと。むちゃくちゃ想像できる。
オノマトペは他にもこんな例があった。
(兎さん)
(サムタミハジさん)
(だんぶさん)
(からからさん)
ガンゴンとチャカチャカについては、自分の子どもが言っていたのではなくて、自分が子どもの頃に言っていたのを親が今でも使っているというパターンだ。これはこれでちょっと角度の違ういい話なので後でまとめて紹介する。