特集 2019年9月7日

こーだいさんインタビュー~自作は基本、『買った方がいい』との戦い

今週土日は総集編ウィーク。先月8月に人気だったライター二人とへのインタビューと、人気記事のランキングをお送りします。

この記事では、こーだいさんにインタビュー。
ドイツにあるグミショップを紹介した「HARIBOのアウトレットショップはグミ好きのユートピアだった」が人気でした。

インタビュアーは編集部・石川です。

インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

前の記事:厳戒態勢の午後には、優雅な紅茶を~自由ポータルZ

> 個人サイト デイリーポータルZ

――こーだいさんは、毎週金曜にやってる記事の投稿コーナー「自由ポータルZ」出身の新しいライターさんです。かなり長期にわたって、ほとんど毎週みたいなペースで投稿してくれていて。

こーだい:さっきブログの過去記事を確認したら初回の投稿は3年以上前でした。時が経つのははやいですね。

――生き物とか山でなにか採る系の記事が多かったイメージです。

こーだい:最初は自分の好きな生き物などについて書こうと思っていたのですが、最近は奇妙な行事を取材したり、工作を発表したり、面白そうなことはなんでもやってみようという感じにシフトしてきています。

DPZ好きの友達に進められて投稿を始めたんですが、最初のうちはライター登用される日が来るとは思ってませんでした。

――3年の間にみるみる実力をつけていったので(笑)

こーだい:初めて自由ポータルに載った時に、それまで1日15件程度だったアクセス数が数千件に跳ね上がった時のことはわすれません。

――僕も実はデイリーの投稿コーナー出身なんですよ。今と名前が違いますが、コネタ道場っていう。もう10年以上前ですが。なのでその気持ちすごいわかります。

こーだい:そのサイト、まだ残ってますか?

――サイトとしては残ってないんですけど、データをDVDに焼いて持ってます。ライターの大北君と一緒にやってたので、大北君と僕が1枚ずつ。去年の周年企画でその振り返り配信をやりまして、その中でちょっと見られます。

 

こーだい:見てみます!

――インタビューなのに自分の話になってしまった。
こーだいさんが投稿していただいた記事の中で、気に入っているものとかありますか?

こーだい:どじょうずしの記事です。

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超珍味『どじょうずし』あらわる」より

滋賀県栗東市の神社のお祭りで奉納されるお寿司なんですが、まずはその見た目がすごいです。

――ほぼ泥ですね。

こーだい:琵琶湖博物館にこれの模型が展示されていて、一目見て「現物を見て、食べてみたい!」と思ったので、お祭りの日に神社まで行ってきました。

展示されてた模型は、誇張されてるか変色したものなのかな~なんて思ってたんですが、実際に出てきたものは模型とそっくりだったので笑ってしまいました。

――食べ物としては完全に見たことのないビジュアルですよね。

こーだい:食べると、僕は意外と美味しいなと思ったんですが、横で食べてた人はあんまり好きじゃないようでしたね。癖のある味です

――でもこーだいさんは全然抵抗感なさそうというかかなりフラットに書いていて、これは肝が座ってるな…と思いました。

あと、これ覚えてます?2017年の。

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薪割り三昧」より

薪割りのことがすげえわかるという

こーだい:もちろん、覚えています。
友達の家に泊めてもらった時の記事ですね。

――薪割りって、普通に木を斧で叩くだけじゃダメなんですね。

こーだい:この家では薪割りは家事の一種というか、単に面倒な仕事という扱いで、こんなん見る人が見たら皿洗いの解説記事と同じじゃんと思いつつ投稿したんですが、採用されたので驚きました。「都会人!薪割りの記事で喜ぶのかよ!」と思いましたね。

――あはは。
まんまと載せてしまいました。
あとは肉まんに野菜丸ごと入れたりとか、

20180529015339.jpg
肉まんに野菜丸ごと入れてみた」より

毒キノコで紙作ったりとか。

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毒キノコから紙を作ろうとした話」より

かなり長く投稿していただいてただけあって、こうして振り返ってみると感慨深いですね。

こーだい:投稿が原動力になったこともありました。投稿するっていうと、ただブログを書くよりも「見られる」ことを意識するので、凝ったことをやろうとしたり伝わりやすい表現を模索する原動力になりました。

――有効活用していただけたようでなによりです。

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――話は変わりますが、普段は何されてるんですか?差し支えない範囲で

こーだい:いまは自然環境の調査とかをしつつ、趣味では剥製(標本)を作っています。

――こないだ、こーだいさんも参加してた飲み会で仕事の話をしてて。

たしか仕事の景気がいいとか悪いとかの話でしたっけ。僕が「環境調査って人類が余力のある時にやる行為ですよね」って言ったら、きだてさんが「デイリーポータルが言うな!」って(笑)
人類の余力がなくなったら真っ先になくなるサイト。

調査って具体的にはどんなことするんですか?

こーだい:何がどれくらいいるか生息数数えるとか、貴重な種がいたら、それを保全するにはどうしたらいいかとか。
外来種の侵入がどこまで進んでいるかなんかも調査したりします。

――面白そうですね。今度環境調査のやり方教えてください

こーだい:はい。

――同じやり方で最近あんまり売ってないお菓子の販売状況とか調べたいと思います。外来種HARIBOに駆逐されつつある日本の駄菓子とか。

こーだい:強いですよね、ハリボ

――そしてなだらかに今月の記事の話に行きます。

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HARIBOのアウトレットショップはグミ好きのユートピアだった」より

――HARIBOでは何派ですか?いろんな種類ありますが。

こーだい:カエル派です!(即答)

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――カエル…。
僕もHARIBO好きで、同士と思って聞いたのですが、全く食べたことないやつが出てきました。
これ何味ですか?

こーだい:青リンゴです。
緑の部分が青りんご味で、白い部分はマシュマロです。

――見た目に反して普通においしそうですねそれ。

こーだい:サイズが本物のアマガエルと同じくらいなのも気に入っています。

――環境調査に従事する人ならではの観点!
僕は断然、王道のゴールドベアです。というかそれしかほとんど食べてない。
以前記事にもしたんですけど、ゴールドベアを干して食べてます。

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固いグミが好きで好きでたまらない」より。固いグミを自作しようとして失敗、結局HARIBOゴールドベアを干して食べるのが最高という結論の記事


こーだい:ベアも美味しいですよね。硬くて食べ応えもあるし。

――日本でも固いグミって最近結構あるけど、あの感触のやつはないんですよね。日本の固いグミはわりと弾力がありがちというか。もっと固く、そして硬くあってほしい。

こーだい:グミの自作は私も以前やりました。

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とにかく大きなグミが食べたくて、自分で作ってみた」より

――グミ自作の同志!
この記事、「飲み込むまでの間がもたない」っていう表現が秀逸ですね。
あと「買った方がいいな」っていう結論が一致してて笑いました。

こーだい:ほんとですね。自作は基本、「買った方がいい」との戦いですよね。

――そうですよね。グミに限らずあらゆる自作は。
何か自作して「作ってよかった」って思ったことあります?

こーだい:これとかですかね。

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手軽に鯛の活け造りができる皿を作った」より

工作系は基本、売ってないものを作ることにしてるんですが、

――ないよ!これは売ってない奴ですよ!

こーだい:実は鯛の活け造りを演出する皿は市販品にもあるんです。

――あるんだ…

こーだい:でも、売ってるやつは動かないから、動くものができてよかったなと思います。

――生け作りの皿、探してリンク入れときます。

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――ちょうどいい流れで工作の話になりましたが、今月のもう一本の記事がこちら。

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イカの筆を作って書道をしてみた」より

――こーだいさん、さっきのタイもそうなんですけど、造形うまいんですよね

こーだい:そう言ってもらえるとうれしいです!

――既存ライターでいうと玉置さん枠かと思ってたのですが、意外に乙幡さん枠もあるなと思って。

こーだい:それはなんとなく思ってました。ハイブリッドだなと。

――で、おかしいのは、こう形だけを忠実になぞるんじゃなくて、ちゃんと生物の知識が裏付けになっててよくできてるという。
工作記事なのに「イカの皮膚の表面には色素胞という器官がびっしりと並んでいる」みたいなのが急に出てきて。

こーだい:剥製作りの延長ですね。

――あー、なるほど。そうか剥製なのかあれは。生体を使わない剥製。

こーだい:そうなんです。

――普通に剥製作るときも、そういう生体以外のものを使うんですか?

こーだい:眼球はガラスや樹脂製です。あと形を作るために中に詰め物をするんですが、木毛という木を削った時に出る削りカスや紙粘土を使ってますね。

――紙粘土なんだ。

こーだい:安くて乾くの早いので紙粘土が一番気軽に使えます。

――剥製づくりのノウハウも是非いつか書いてください。全然なじみがないので。

こーだい:ぜひ書きたいと思います。
HARIBOの記事にも、無理やり剥製要素を入れ込んだりしてましたね。

――あの博物館すごいですよね。

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HARIBOのアウトレットショップはグミ好きのユートピアだった」より、アレキサンダー・ケーニヒ・ミュージアム(ドイツ、ボン)

こーだい:さすがドイツで3本の指に入る博物館だけのことはあるなと。
ボンに行ったのは博物館がメインの目的でハリボはついでだったんですけど、思った以上にこっちも面白くて、これは嬉しい誤算でした。

――HARIBOに惹かれてきたお菓子好きにドイツの博物館の圧倒的な展示を見せるという、新たな目覚めのありそうな記事でしたね

こーだい:お菓子で釣るスタイルですね。

――小学生の誘拐と同じ手口だ。


総集編は明日も

8月総集編はトルーへのインタビューも同時公開。

そして明日は記事の月間ランキング発表もあります。そちらもぜひ!

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