特集 2024年12月11日

『カタカナ新語辞典』を使い、最新のカタカナ語1000語覚えたい

『見やすいカタカナ新語辞典』という2023年の辞書がある。

今をときめく最新のカタカナ語が1000語以上載っているのだ。

これ、2020年代のネットでおなじみのミームから、全く聞きなじみのない新語まで載っていて、すごくおもしろい。

このソサエティー5.0の時代に、デジタルトランスフォーメーションにオプトインしアーリーマジョリティとなるため、カタカナ新語1000語をルックアップ&リメンバーしてみたい。

平成元年生まれ。令和から原始まで、古いものと新しいものが好き。

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> 個人サイト 畳の夢

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三省堂の『カタカナ新語辞典』第5版(2023年)を購入しました

約14500語が収録されているというこの辞典、カタカナ語だけで辞書を作れることにまず驚く。

受験で覚える英単語より多いじゃないか。

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ちゃんと厚みがあるぞ

その中で、約1050語が「最近約10年ほどの間に、新しく使われるようになった語、また、その間に何らか話題になった語」で、今回覚えたいカタカナ新語だ。

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「新」がついているのがカタカナ新語だ。例えば原監督のグータッチなんかも載っている(201pより)

ああちょっと前にこんなことあったなあ…とか、ああこういうカタカナ語使いたがる人いるよな…みたいな趣深い言葉が目白押しなのだ。

この数年の最も大きいトピックといえばコロナだが、そのコロナ関連にしても「ゼロコロナ」「スーパースプレッダー」「ブースター接種」など、もはやほんの少しだけなつかしさを感じる言葉もある。

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カタカナ新語約1050語を書き出してみた(引用を超えてしまいそうなので解像度を落としました)

これらの「新」がつく言葉をひとつひとつ見ていくと、この10年が総決算される思いで、大変ユニークだった。

インスタンス(実例)を交えながら、その一端をお見せしたい。

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現代社会は、グリーンでソーシャルでオープンでフリーでグローバルだし、スマートでサイバーでデジタルでマイクロでシェアしがち。でもハラスメントが多い…!

グリーントランスフォーメーション(脱炭素化に伴うビジネスや社会の変革)など、頭にこれらのつく単語が非常に多いのだ。

こうしてみると、世の中は着実に進んでいるし、過去が夢見た未来社会を生きているように思えてくるが…。

その中でも一番多かったのは「スマート」がつく単語。

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新語だけで17語もある

スマートフォンはもう新語ではない。

そういえば自分も2010年くらいにガラケーからスマホに変えた気がする。もう14年も前だ。

その後、スマートなものは世にこんだけ増えていたのだ。

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デジタルもこんなに多い

デジタイズも、デジタライズも。デジタライゼーションも、意味はデジタル化。

また、デジタル田園都市国家構想は岸田元総理が2021年に表明した国家構想である。

デジタル田園都市国家とは、超ザックリいえばデジタル化によって都市と地方の差を縮め、良いとこどりしてこうという国家構想だ。

今、デジタル田園都市国家構想交付金というものがあり、その中に新語「ソサエティー5.0」型というのがあるらしい。

自分のあずかり知らぬところで社会は動いているのだな。

その一方で、デジタル敗戦という不穏な用語が名を連ねているのも現代日本っぽい。

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ハラスメントも増えた

まあ、いろんなものがハラスメントとして浮かび上がってきたということは、逆説的に減ってきているのかもしれない。

また、グリーンやサステナビリティ関連でいうと、昔フェイクファーと呼ばれていた動物の毛皮の偽物が、新語では「エコファー」と良い意味になっていて面白かった。

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昔は安物の代名詞だったのに、今はサステイナブルなのだ
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食べ物系では韓国の躍進が目立つ

ジャンルとして一番多かったのはやっぱり食べ物だ。

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例えばハモンセラーノは、スペインの生ハムのこと。聞いたことはあるけど何だか説明できないものも多い

その中でもキンパ、ケジャン、コプチャン、サムギョプサル、センイルケーキ、タッカンマリ、タルゴナコーヒー、チーズタッカルビ、チーズドッグ、チュクミ、トッポギ、ハットグ、ポッサム、ユッケジャンなど、韓国の食べ物が目立った。

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サムギョプサルは「新」がついたけど、サムゲタンは「新」がついていなかった。初めて聞いた時はなんて愉快な発音なんだ!と思ったけど、今はサムギョプサル、口に馴染んでいる
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インスタントコーヒーとミルクを使ったタルゴナコーヒーも、韓国の流行りが日本に輸入されたものだ。見た目シュッとしてるのに甘くてジャンキーで美味しい
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定番のコンビニ飯になったということは、もう文化として定着したということだろう

この10年で伝統的な料理から流行のジャンクフードまで、韓国発信のものに容易に触れられるようになったのだな。

 

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スイーツ系は流行の波が早い

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2020年~2021年に話題となったマリトッツォ
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2019年頃から人気のバスクチーズケーキ

ここ最近のスイーツの流行はコンビニによるものが大きい。

コンビニの商品の入れ替わりはスパンが短いので、マリトッツォなんかはもう何年も前に感じる。

バスクチーズケーキは定着したけど、コンビニスイーツとして一世を風靡したのは2019年なのだそうだ。

コロナ前か。マリトッツォよりも最近な気がしていたけど、いやー違うのか。

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タピオカミルクティーは2010年代後半に2回目の流行がきたので新語として収録されている

辞書から消えていったカタカナ語も多いのだろう。

この第5版ではプレミアムフライデーが載っているけど、次はもうわからないぞ。

 

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新語はネットで話題になったものも多い

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ビリヤニもネットで話題になった後、今ではコンビニ飯にまでなった
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「ガチ中華」「ホアジャオ」なんかも新語として収録されている

食べ物以外では、サウナ関係の言葉(サウナー、プライベートサウナ、サ活、サ飯、ウィスキング)などもネットから知った新語だろう。

もっと直接的に、「ニキ」「ネキ」なんかのネットミームも新語として収録されている。

また、当サイトデイリーポータルZでも、玉置さんのビリヤニの記事や、パリッコさんの池袋のガチ中華の記事あたりは広く読まれ新語の流行に一役買っているかもしれない。

 

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わかりそうでわからない、ビジネス/IT関係の用語

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一例です

たとえばアジャイルは、「ソフトウェアの開発手法の一。顧客とエンジニアが小規模なチームを作り、小規模・短時間で完遂できる区分により使用決定・設計・実装・テストを行い、その区分を繰返すことで全体の完成度を適応的に高めていくもの。アジャイル開発。」(P20より)と書かれている。

言われてみればそういうものかと思うも、経験したことのないものはイメージできないのだ。

こうやって老いを感じていくのかもしれない。

なお、「アイデアソン」はアイデアを構想するイベントのこと。これはDPZのネタ会議と思えばよいのだろうか。

最後に3問クイズを出します

最後に、新語1000語超から3問だけクイズを出したい。

どれもこの10年で辞典に収録されるまでになった言葉なのだが、皆さんはわかるだろうか?

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なんとなく意味はわかるだろうけど、具体例をひとつ出してください

答えは…

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昔でいえば、ヴィジュアル系バンド・ルナシーのスレイブだろうか

デイリーポータルZにも、はげます会という熱狂的なファンコミュニティがあり、その会員は「はげましスト」と呼ばれているとか、呼ばれていないとか…。

(いつもありがとうございます)

 

では、第2問に行きたい。

急に難しくなります。

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どんな景色か思い浮かべてください。

答えは…

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「この道路は舗装路だけど、脇道は砂利道だ」
バーン…①道路。②スキー場のコース。(p566)
ターマック…舗装路。主に自動車・自転車の分野でいう。もと商標名。(p427)
グラベル…未舗装路。主に自動車・自転車の分野でいう。砂利、砂利道の意。(p215)

おそらくこんな使い方はしないのだろうけど、この何気ない景色をみて、新語と頭の中で結びついたのだ。

言葉を知ると景色は違ってみえてくるのが楽しい。

バーンはアイスバーンなどで使われているけど、バーン単体で新語となっていた。

 

それでは、最後の問題です。

これも超むりやりですが…

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どんな場面か思い浮かべてください…!

答えは…

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自分でごめんなさい
「酒を飲まないことを敢えて選択するライフスタイルなので、炭酸水を飲みながら自撮りをする眉より上の位置で前髪を切りそろえた男」

お酒をほとんど飲めないのは体質なので昔からなのだが、時代が追いついてきたのだろうか。

これからは、「お酒を飲めないので炭酸水で…」というより、「ソバーキュリアスなのでセルツァーを…」と言った方がスマートだ。

たぶん。

 


なんだかんだ便利なカタカナ語

1000語を覚えてみて、新しい技術、モノっていくらでも出てくるものだとあらためて感じた。

それらは既存の言葉にできない、言葉にするとめんどくさいものが多い。

例えばタッチ決済だって、非接触型決済と毎回言うほど現代人は暇ではないだろう。

これからも、どんどんカタカナ語を使っていきたい。

来週にはアンラーニング(あえて忘れること)しそうだが。

見やすいカタカナ新語辞典 第5版

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