1時間の街、1.5時間の街、2時間の街
これまでの外出先の片道の移動時間を思い出してみよう。
(だいたい)1時間の街、1.5時間の街、2時間の街では、どんな傾向があるだろうか。
たとえば自分は東京都の調布市というところに住んでいるのだが…
都内は1時間以内で行けるけど、他県に足を伸ばすと1時間半を越えてくる…といった感じだ。
1時間の街には、目的がある
お台場や横浜は関東に観光地 of 観光地だと思うけど、自分の住む多摩地域からでも1時間程度でいけるため、どうしても旅行という気分にはならない。
目的指向型というか、何か用事があって行く日常のギリギリのキワといった場所だ。
今後の人生で、まあまた行くことがあるだろうな…というのが、1時間の街なのだ。
そこで知り合いに偶然会っても、「おー!おー……びっくりだね〜」くらいのテンションである。
もしくはただの移動である。
大宮なんかも、移動の際の便利なターミナル駅といったイメージで、駅の写真を撮ったことがない。
2時間の街は、ふつうに旅行
旅情とは、駅におり立った時の感慨なのだと思う。
わざわざ2時間かけて来たのだ。
まず、遠くまで来たな…という感慨から旅行ははじまる。
2時間かけて行く街は、ふつうに旅行だ。
日帰りできなくもないけど、1泊しようと思うのが当たり前の距離感である。
こうして考えてみると、ガタンゴトンと電車に揺られる移動時間が、旅行気分を高めるうえで実は大きな役割を担っているのではないか。
片道1時間半というのは、ちょうどよい旅情を感じられる
そして、日常から非日常へのなだらかな行き来…といった感じがするのが、本題の片道1時間半の街である。
1時間半の街というのは、たとえば10時に家を出れば昼前に目的地につけるし、17時に帰っても夕食時には家につけるのだ。
無理なく日帰りできる距離である。
その割には、ついた!という感慨が確かにあるのだ。
横浜へ行くために電車に乗る時間はただの移動であって、早ければ早いほど嬉しい。
だけど、1時間半を越えてくると、移動そのものが醍醐味のひとつになる。
それが旅行だからだ。
また、安宿にサクッと泊まって、休日を満喫するのも1時間半の街の楽しみ方だ。
金曜の仕事終わりに鎌倉へ行き、ゲストハウスに泊まって、土曜の昼過ぎまで空いた鎌倉を巡って、激混みする前に帰る。
現実逃避するコスパとしては最高だった。
…と、ここまで読んできて、小田原も鎌倉も観光地として確立された街だろ、そりゃ旅情があって当然じゃないか!と思う方もいると思う。
時間ではなく、街そのものにそもそも旅情があるのでは…という話だ。
たしかに、これでは説得力がないので、今回は観光地然としていない片道1時間半の街に行ってみたい。