特集 2024年8月22日

牡蠣をベビーとして愛でる文化が急に誕生した

ここ1~2年ほどの話だ。

ゲームセンターのアミューズメント景品を中心に、牡蠣を赤ちゃんに見立てて愛でる界隈が形成されている。

なんのこっちゃと思われるかもしれないが、文字通りなのだ。

おしゃぶりをした牡蠣の赤ちゃんが世にぞくぞくとあらわれているのである。

そんなあたらしいカルチャー(?)の話です。

平成元年生まれ。令和から原始まで、古いものと新しいものが好き。

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我が家の一角が牡蠣で埋まってしまった

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これは我が家の床の間である

去年から今年にかけて、我が家に牡蠣の姿をしたぬいぐるみが急速に増えていった。

千利休が見たら卒倒しそうな光景だが、自分でもいつの間にこれだけ集めてしまったんだ…と複雑な気持ちである。

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通るたびに圧を感じる

家族からも「どうにかしないとね」と言われているのだが、この牡蠣たち、次々と派生商品が発売されていくのだ。

ほいほいと乗せられて、次々に獲得してしまった。

今、牡蠣は着実にゲームセンターのクレーンゲームの1ジャンルとして定着しつつある。

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世界最多のクレーンゲーム数としてギネス記録に登録されたこともあるタイトーステーション府中くるる店

普段ゲームセンターとは無縁な方からすると、信じられないかもしれない。

試しに、約450のクレーンゲームがあるこのゲーセンに牡蠣モチーフはいくつあるか探してみよう。

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かぶりも含めて、10個のクレーンゲームが牡蠣。おむつを穿いてるのまでいる
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また、別のゲーセンにはあきらかな類似商品が3種類。どんどんあざとさを増していく

これはもう、ニッチなブームといってよいのではないか。

将来、令和文化のひとつとして語られる……なんてことなく忘れられる気がするので、今のうちに記録しておきたい。

どういう経緯でこうなったのか、ひも解いていこう。

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はじまりは何か

この牡蠣は、もともと「つぶらな瞳の水族館」という2019年2月に発売されたシリーズの派生商品なのだ。

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こんなやつです

これが結構人気となり、「つぶらな瞳の動物園」「つぶらな瞳の爬虫類館」が発売。

その後、「つぶらな瞳のお弁当箱」「つぶらな瞳の文房具」「つぶらな瞳の喫茶店」など、徐々に何でもありになってくる。

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これ、けっこう獲りやすくてどんどん集めてしまうのだ

自分がこのシリーズをとったのはたしか2022年1月が最初である。

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でかいかまぼこが最初だった。でかいやつは「まあとれないだろう→もしかしてとれるかも!」という過程は楽しいのだが、とった後は「はたしてウチに必要か」と複雑な気分になるのだ。でもかわいい
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サイズ違いがあると集めたくなってしまう心理

正直なところ、お店で売っていたら正規価格で買うかと言われると、うーん…となるのがゲーセンの怖いところだ。

「必要か必要でないか」ではなく「とれるかとれないか」というところに射幸心をあおられるのだろう。

まあ、見つめられるととりたくなってしまうのだ。

そして、牡蠣は公式Twitterによると2022年3月に発表(2022年7月発売)。

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もともと「つぶらな瞳の居酒屋」や「つぶらな瞳の和食屋」というシリーズのひとつだった

これが一部で人気となる。

また、2022年6月におしゃぶりをつけた牡蠣を公式Twitterが投稿。ファンの心をわしづかみにする。

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2023年4月には、はれて「ベビーなまがき」として商品化となったのである

もともとシリーズのひとつだったのものが、それを飛び越えて大ヒットするのはピカチュウみたいな感じかもしれない。

なお、ぬいぐるみ牡蠣界の2大巨頭のひとつである求心フレンズは2022年4月に発表。後述する。

⏩ あざとさとかわいさの狭間で次々と変貌する牡蠣

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