快活CLUBといえば、その名の通り、過ごしやすさ、快適さが数ある競合の中でも群を抜いているネットカフェチェーンである。
以前オカモトラボさんが膨大な数のフライドポテトを食べ比べ、晴れて理想のフライドポテトに認定されていたあのお店だ。
漫画喫茶・ネットカフェといえば必ずと言っていいほどついてくるのがドリンクバー。
学生の時分、夏にはソフトクリームを食べまくり、冬はコーンポタージュをスポーツドリンクの如く胃に流し込んでいた。だっておいしいから。
大学時代のある日、たまたま入った快活CLUBでコーンポタージュが売り切れていた。
仕方なく紅茶類のティーバッグが並んでいる棚に目を向けたとき、出会ったのがお吸いものであった。
まず、注目してほしいのがそのパッケージだ。
中央にでかでかと「お吸いもの」であることを主張しているが、やわらかいチェリーピンクと黒の2色を基調としたうるさくないデザイン。つつましさとわかりやすさが同居している。
このお吸いものの素をコーヒーマシンのお湯で溶かして飲む。
店舗によってしっかりお椀を用意してくれているところもあるのがうれしい。
できあがったのがこちら。
お伝えできないのが心苦しいが、ほんのりとお出汁のいい匂いがして心が和らぐ。
わたしがこの匂いを香水にするとしたら「YASURAGI(安らぎ)」と名づけます。
具はお麩とわかめ。
肝心の味は、一言でいうと「奥ゆかしい」。
口に広がる調和のとれたまろやかな塩味が心地いい。
和を以て貴しとなす。
もしかして聖徳太子はこのお吸いものを飲みながら十七条憲法を考えたのではないか。
やさしいかつおのお出汁が日々の疲れ、鬱憤、かなしみ、すべてを包み込む。
あたたかくてうまみのある水はすごい。われわれをありのまま受け止め、癒してくれる。
わかめが入っているため、噛む動作も入り、小腹がすいた時にちょうどいい。
原材料のラインナップには一部ケミカルさを感じるものの、それらが演出してくれる味わい深さたるや。ああ、私たちは21世紀に生きている。
宇宙人と出会い、食文化を紹介する機会があるとすれば、まずこれを飲んでもらいたい。
「おお、これが”UMAMI”というやつか……」と納得してもらえると思う。
最初は地球人の生体に訝しげだった彼らも、お吸いものの慈悲深い味に解きほぐされ、いつの間にか仲良くなってるはずだ。たぶん地球にぶつかりそうな隕石とかずらしてくれる。
販売元のアミュード株式会社の公式サイトをみると、
「鰹だしがベースのわかめ入りお吸いものです。まろやかで上品な味に仕上げました。」とある。
(引用元:取扱商品 | 小袋調味料の製造販売 アミュード株式会社)
大人の人たちが「まろやかで上品な味を作ろう」と決めてこの味にしたのだと思うと感慨深い。お吸いものの素、一粒一粒が努力の結晶である。ありがとう。
同社はお弁当と合わせるような小袋調味料商品を取り扱っている。
なんと松茸や柚子風味のお吸いものも取り扱っているようだ。
また、このお吸いもの、何とかお家で飲めないものかと思っていたのだが、オンラインショップでお取り寄せもできる。アマゾンや楽天でも一部商品を取り扱っている。
ちなみに筆者はお吸いもの各3種が合計1,000食のセットになっている「お吸いものセット
」を注文するか結構本気で悩んでいる。絶対に飲み切れるという強い自信があるので。
おうちの近くに快活CLUBがない人、ご自宅で楽しみたい人はぜひ購入してみてほしい。