からげってなんだよ唐揚げみたいだな
十把一絡げ(じっぱひとからげ)とは、様々なものを区別せずにひとまとめにして扱うという意味の慣用句だ。主にネガティブな意味で使われる。
それはそれとして、なんだ、からげって。唐揚げみたいな響きしやがってよお、カロリーあんのかテメェ。
そういうわけで、今回は十把ひと唐揚げを作りたい。元の言葉のとおり、いろんな食材を用意してひとつの唐揚げにするのだ。絶対に美味しいに違いない。

通常は一緒くたにされることのない様々な食材を用意した。使用するのは下記の10品目である。
餃子、牛肉、鶏肉、イカ、数の子、味付き玉子(もうたま卵)、にんにく、玉ねぎ、ミニトマト、こんにゃく、チーズ
ちゃんと数えたら11品目でした。指を使わずに2桁まで数が数えられることをすかさず褒めてください。
「十把ひと唐揚げ」を作ろう
用意した食材を下ごしらえしていこう。まずはそれぞれ小さく切ってジップロックにいれていく。



こんなに多くの食材を十把一絡げに扱ったことがないのでドキドキした。つぎに醤油と酒を加えて下味をつける。せっかくだから茶色くて美味しそうな唐揚げにするのだ。



しばらく時間をおいて味を染み込ませつつ、食材を常温にもどす。最後に片栗粉と小麦粉をまぶして揚げる。


これが十把ひと唐揚げである。何にも形容できない圧倒的な迫力がたまらない。
十把ひと唐揚げは居酒屋メニューにいいんじゃないか
それでは十把ひと唐揚げを食べてみよう。



様々な食材がひと唐揚げになっているので噛むごとに全然ちがう味がする。
カリッと揚がった牛肉を引き当てると嬉しい。口の中で牛肉とこんにゃくが混ざると牛すじ煮込みのように感じる。次の瞬間、数の子の磯の香りがする。チーズはどこに消えた?
やっていることの割に味わいとしてゲテモノ感はなく、居酒屋なんかにあれば盛り上がりそうだ。

惜しむらくは、しっかり味わうと生だった。
衣が生っぽいし油を吸いすぎている。具材が多いのに揚げ油の量をケチったせいだ。それだと揚げている最中に油温が下がってベチャベチャになってしまう。
あと、がっつり夕食を食べたあとに撮影をしているので脂っこいものはそもそも食べられなかった。おれは昔話の欲張りな悪役か。
残りは次の日に回すことにした。


次の日の朝と昼ごはんにして食べたら、レンジで余計な水分が飛んだおかげかめちゃくちゃ美味かった。
失敗作でこの美味さなら成功したらどうなってしまうんだ。ここはリベンジしよう。