休日におじいちゃんと焼却炉をつくってモルタルが余った
仕事が休みの日は祖父の手伝いをしている。祖父は神職なので神社の作業がほとんどだ。掃除をしたり、神事に使う道具を奉製したり、シーズンがおわったストーブを片付けたり、細々したことがたくさんある。


この前に会いに行ったときは御守を焼納するための炉を作っていたのでその補佐をした。
順を追って話せば、神社に返された御守はお清めの神事ののちに焚き上げられるのが一般的である。祖父はその焼却炉を手作りしていたのだ。

祖父はもともと左官職人として働いていた期間が長く、たいていの大工仕事ができるスーパーおじいちゃんなのだ。
そんなわけで、焼却炉を組み立てるのに使っていたモルタルが余ったという次第である。休日におじいちゃんと焼却炉をつくってモルタルが余ったという稀有な状況。


あまったセメントを見て、この中に何かを埋めて掘り出すとかってできますかね!と祖父に聞くと「できる」と即答してくれた。それじゃあ宝を埋めることにしようじゃないか!

余ったモルタルに宝を埋める
モルタルは適当な容器に流し込んで固めるといいと教わったので、半分に切った空きペットボトルに流し込むことにした。

モルタルを素手で扱うと手が荒れて危ないということを、まさに素手で扱っている最中に聞いた。孫をもっと大切に扱ってくれ!(手は荒れませんでした)





何を隠そう、モルタルが扱えるようになったのがいちばん嬉しくてテンションがあがった。
細い木くらいならチェーンソーで切れるし、建築基準法さえ無視すれば簡単な家が建てられるかもしれない。これで自分の国をつくるという夢に一歩近づいた。

モルタルが固まった!宝を削り出そう
それから3日ほどして宝を埋めたモルタルが固まった。

モルタルを持ち上げてみると硬くて重くて鈍器になっていた。最高だ。まずは型のボトルを切り取ってモルタルをむき出しにしよう。


ペットボトル型に固まったモルタルがそもそも石細工のようで格好いい。あと持ちやすい。あとはこれを削っていくのだが、その前にどうしても一点だけ共有させてほしい。


嗅ぎ癖があるのでモルタルの匂いを嗅いでみると、こんにゃくみたいで臭かったのだ。君みたいなのは無臭であれよ。ペットボトルを型にしたのがまずかったのかもしれない。
さて、本題に戻りましょう。工具を使ってモルタルを削っていきます。


工具で削ると少しずつモルタルが削れていく。ただ、そこまでもろいわけでもなく、素手じゃ絶対に太刀打ちできない硬さで、何がいいたいかと言えば、やりがいがあって楽しい。これだよこれ。

宝のまわりは特に崩れやすいようなので、そこを重点的に攻めていく。
続けていると、物を掘り当てるよろこびのほかに破壊欲求の発散の楽しさもあることに気づいた。これはれっきとしたレジャーだ。くんくん、金儲けの匂いがしてきましたね




ハンマーでコツコツ音を鳴らしながらコツコツやっていく。コツコツの語源ってこれなのかもしれない。
宝を掘り当てる
挑むこと数十分、やっと宝が見えた!


バールの尖っている部分で勢いよく叩いたせいで、缶に穴があいていた。宝は無事だろうか。発掘を仕事にしなくてよかったと思う。
そしてそのときは急にやってきた。モルタルが宝を中心に割れたのだ。



さあ、宝の缶は取り出せた。缶にワクワクするのはチョコボールのおもちゃのカンヅメ以来である。いざ開かん。






我ながらいい試みだったと思う。今回ばかりは楽しさしかなかった。みんな絶対に宝を埋めたほうがいい。どこを探しても見つからなかったあなただけの楽しみはモルタルのなかにある。
して、割ったあとのモルタルはピッタリの使い道があったのでそれを紹介して終わりたい。

