近すぎて知らない場所がある
僕は神奈川県に住んでいて東京の会社に通っているので、千葉には電車で寝過ごしちゃったレベルで行くことができる。
これまで、近すぎてわざわざ観光してこなかった場所もまだまだありそうなので、あまり遠出ができない今だからこそ近所に面白いものを見つけるチャンスなんだと思います。
あなご丼がもう一度食べたいのでまた行きます。
房総半島は果物のびわが有名。ここ道の駅とみうらは「枇杷倶楽部」の看板が出ていて、5月6月はびわでいっぱいになるのだとか。
残念ながら取材したのは春先だったためびわの時期にはまだ早かったのだけれど、オープンテラスのレストランではびわを使ったメニューを食べることができた。
びわカレーパンもその一つ。
デニッシュは注文すると焼いてくれるから焼きたてが食べられるのだ。そんなパン屋聞いたことないだろう。
びわカレーデニッシュのびわカレーは、その名のとおりびわのペーストが入ったカレー。
カレーっていろんなものを隠し味に入れたりするけど、最終的にどれもカレー味にいきつくだろう。恥ずかしながら僕はそう思っていた。
でもこのびわカレーはちゃんとびわの甘さが感じられるのだ。それでいてちゃんとスパイシーという奇跡のバランスである。うまい。2個食べた。
びわはまだだが、この時期はイチゴが山のように売られていた。おかげで入った瞬間に甘酸っぱい香りに引き寄せられる。
聞くと、この時期はいつもならばいちご狩りがさかんなのだけれど、今年はコロナの影響もあってこうやって箱で販売したものが売れているのだとか。
ふつうのイチゴも十分に魅力的だが、房総半島でもここでしか手に入らないという黒イチゴなるものをおすすめされたので買ってきた。
家に帰って洗って食べた。千葉の黒イチゴは実の中までしっかり黒くて、その黒さはふつうのイチゴを3個分くらい煮詰めたような濃厚な「イチゴ味」だった。
最後に立ち寄ったのはこちら、沖ノ島である。
ライターの松本さんがイルカの耳石を探していた記事を読んで、その時の景色が忘れられなかったのだ。
沖ノ島は自衛隊の基地のすぐ横にあるので、この日はひっきりなしにヘリが上空を飛んでいた。
島は無人島で、しかもそれほど観光地として整備されているわけでもない。僕が行った時にはまったく人の気配がなかった。カラスが何かの死骸をつついていて地の果てみたいなところだなと思った。
島の入口には観光案内のイラストマップが設置されているのだけれど、これがまた最高にアバウトなんである。
上陸してみると、対岸から見ているよりもずっと広くて深い森がある島だとわかる。街灯とかないので行くなら明るいうちに帰ってくるべき。
途中、分かれ道があったので細い方へ入っていくと、だしぬけに岩がくりぬかれてトンネルになっていた。これ、入っていいのだろうか。
入っていくといくつも分かれ道がある。暗い方へ迷い込んでしまわぬよう注意して進むと、すごい景色に出るからがんばってついてきてほしい。
穴から出ると目の前がこの景色である。
チバニアンは人知れず70万年前の地層を見せてくれていたが、ここ沖ノ島はさらに人知れずダイナミックに傾斜した地層を見せてくれる。
千葉の底力を見せつけられた感じである。千葉すごい。千葉というか、今日見に来たのは地球だった気がする。
僕は神奈川県に住んでいて東京の会社に通っているので、千葉には電車で寝過ごしちゃったレベルで行くことができる。
これまで、近すぎてわざわざ観光してこなかった場所もまだまだありそうなので、あまり遠出ができない今だからこそ近所に面白いものを見つけるチャンスなんだと思います。
あなご丼がもう一度食べたいのでまた行きます。
<もどる | ▽デイリーポータルZトップへ | |
▲デイリーポータルZトップへ | バックナンバーいちらんへ |