大食いチャレンジへのあこがれがあった
テレビやYouTubeで大盛りのご飯を食べきるというコンテンツをよく見る。子供の頃に『TVチャンピオン』で大食いを競う人たちを見ていた時から変わっていない。食べ物がすいすいと人の体に入っていくのを見るのはなんともいえない爽快感がある。筆者もあれをやりたい。
食べることは大好きだがYouTuberのようにドカドカと大食いすることは難しい。飲み物でやればいいんじゃないか。
大容量の飲み物を飲み切るといってもペットボトルで売られる最大容量はせいぜい2リットルくらいだ。割と余裕そうである。
となると自動販売機である。あいつを全種類飲んだらさぞ達成感があるだろう。わくわくしてきたな。
同じ種類の飲み物が並びすぎている
さっそく近所の自販機の偵察に行くと、あることに気づく。自販機、同じ種類の飲料を並べがちである。
どうせならバラエティに富んだラインナップでチャレンジしたい。なるべく商品の被りがない自販機を探すことにした。
ニュー新橋ビルの目の前によさそうな自販機があった。3つ並んでいるうち、一番右側の機械が綺麗に1種類ずつ飲み物が並んでいたのだ。
筆者が苦手とするコーヒーが少なく、いろんな種類がある。
これにしよう、と決意して持参したスーツケースを広げる。一気に買って一気に飲む想定だ。思い返すとこれが後悔の始まりだった。
繰り広げられるパズルと冷たい視線
自販機には缶とペットボトルが全部で36本ある。これをスーツケースに詰めていく。これが骨の折れる作業だった。
5本ずつくらい買ってはスーツケースに詰める。幸い歩道がそこそこ広いので人の邪魔になるということはないが、いかんせん人通りの多い道だ。スーツケースを広げてジュースを大量購入している人間が居たらそれはそれは視線を集める。みんな怪しいやつを見る目をしている。飲み物を買っているだけなんですよ。
歩道のちょうど真ん中あたりに街路樹があり、そこを拠点に普段からキャッチをしているのだろうな、という男性がいた。木に寄っかかって腕を組んでいる。こちらを見ないように気を使っている気配がする。その真横で筆者は一心不乱にジュースを買ってはスーツケースに詰め込んでいる。お互いいたたまれない時間だ。
無理やり30本弱を詰め込み、残りは手提げ袋に入れて無事すべてを買切ることができた。20分ほど経っていた。全部で5890円。ジュースって高いんだな。
スーツケースを引こうとするとその重さにびっくりする。海外旅行だったら超過料金を取られているに違いない。
幸い撮影日は6月で今みたいな猛暑ではなかったが、それでも汗だくになりながら横浜の自宅まで死に物狂いで持ち帰った。腰にダイレクトに響き、どうにもならなかったので翌日タイ古式マッサージに駆け込んだ。
自販機を全部購入したいという思いのある方は数日に分けるか、複数人での実施を強くお勧めしたい。