小出し記事 2020年12月24日

ハンコ廃止の今だから!すすんで押したいハンコづくり その4

今回の主人公、猫のじゃんけん氏。わがままボディの10歳。

ハンコに逆風が吹く昨今、敢えてハンコを作って押していこうという連載の4回目。今回は現代のテクノロジーを使って精緻だけどしょーもないハンコを作っていきたいと思います。

主人公はうちの猫。

編集部よりあらすじ
逆風のハンコに光を当てる連載。全5回の3回目まで費やしてイモばんを彫ってきたのが前回まで。いよいよ新章、テクノロジー編に突入です!

あばよ涙、よろしく勇気、こんにちは松本です。

1976年千葉県鴨川市(内浦)生まれ。システムエンジニアなどやってましたが、2010年にライター兼アプリ作家として自由業化。iPhoneアプリはDIY GPS、速攻乗換案内、立体録音部、Here.info、雨かしら?などを開発しました。著書は「チェーン店B級グルメ メニュー別ガチンコ食べ比べ」「30日間マクドナルド生活」の2冊。買ってくだされ。(動画インタビュー)

前の記事:ハンコ廃止の今だから!すすんで押したいハンコづくり その3

> 個人サイト keiziweb DIY GPS 速攻乗換案内

小出し記事「ハンコ廃止の今だから!すすんで押したいハンコづくり」
ライター:松本圭司

第一回:「いもばん」の楽しさをもう一度
第二回:いもばんであのハンコが完成!

※小出し記事は書けたところから即、小出しに公開する連載企画です!

肉球のハンコは間違いなくかわいい

猫は全体的にも可愛い生き物ですが、肉球が特に可愛いのです。しっとりしていてぷにぷにした感触。テディベアを逆さにしたような形がたまりません。

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肉球の色は猫によって違います。茶白のじゃんけん氏はピンク色。

その可愛い部位を取り出してハンコにしたいと思うのは必然でありましょう。

肉球を写し取る

肉球をハンコにするにあたって、形を写し取る必要があります。肉球にインクを付けて紙に押そうかとも考えたんですが、紙に押す前に逃げられたら床に点々と肉球ハンコが押されていく惨事が容易に想像されます。
(悲惨でありながらかなり可愛いことになるのも想像出来ます)

そこで、過去に購入しつつ使っていなかった便利アイテムを思い出しました。これです。

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一見、ザラッとしたただの灰色の紙。

水習字の紙

これは水を付けた筆で文字や絵を書くと色が変わって何度も習字の練習を出来るという紙です。どこかのお店で実演してて面白いと思って買った記憶があります。

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指に水を付けて水を書いてみました。

これなら使うのは水なので大惨事は防げます。じゃんけん氏の手に水を付けてスタンプしてみましょう。

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嫌がっていたがご協力いただきました。

結果。

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意外と難しかった。なぜなら、肉球の間にある毛に付いた水でも跡がつくから。

形が崩れたものが多いものの、中には猫の足跡っぽいものもあります。これを画像編集ソフトで開いて肉球の形を切り抜きます。

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透明レイヤーに肉球の形で色を塗ってPNG形式で保存後、SVG形式に変換。

作った肉球画像を3DCADのソフト(Fusion360)で読み込みます。やった事が無い人が思っているほど難しい事をしているわけじゃなく、30分もあればハンコの3Dモデルを作れます。

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SVG形式にするとCAD(Fusion360)で読み込めます。

こういう、コンピュータを使う手順を細かく解説するサイトじゃないので色々割愛しますが、いろいろやっていくとハンコの立体がパソコンの画面に顕現します。

どやさー。

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写真で撮った肉球の形が立体になりました。
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上下が分かるように凹み(アタリ)も作りました。

これを、3Dプリンターでプリントするために形式に変換してUSBメモリにコピーして3Dプリンターに送る、と。

IMG_4320.jpg
ここにデータが入ってます。

今回は紫外線で硬化するレジンを使って作るので、下が透明なフィルムになっているバットにレジンを注ぎます。

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量を計りつつ、実は適当です。本当は必要量ピッタリくらいで作るといいんですが。

あとは印刷するデータを選んで開始ボタンを押すだけ。 

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液晶画面でモデルデータを確認できます。

開始すると上からプラットフォーム(造形物の底面がくっついて生えてくる土台)が降りてきて一定時間ごとに上下しながら造形していきます。

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下に紫外線が出る液晶モニターがあって、固める部分だけ光ります。紫外線で固まったレジンが積層されることで造形物が出来上がります。

2時間後。

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こんな感じでプラットフォームにハンコが生えました。

プラットフォームから造形物を外します。

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底面が広いと固着して剥がすのがちょっと大変ですが、ヘラで剥がします(ちょっと怪我をしました)。

ガッチリくっついてましたが取れました。

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レジンはアレルギー反応を起こすことがあるので素手では扱いません。使い捨て手袋をします。

取れたら余分なレジンを洗浄。

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イソプロパノールという、エタノールよりちょっと毒性が強くて飲めないアルコールで洗います。

洗浄したら紫外線ランプで二次硬化をしたりサンドペーパーで磨いて滑らかにしたりUVカットスプレーを掛けたり更なる後処理をしてようやく完成。

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光沢UVカットスプレー。レジンは更に紫外線を浴びると変色してしまうのでUVカットスプレーを掛けます。透明感が出てキレイになりますし。

どーん、じゃんけん氏の肉球ハンコ

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精緻に作られた、くだらないハンコ。

後ろの部分にはじゃんけん氏のハンコだと分かるように『じゃ』と刻印しました。

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『じゃ』と書かれてもなぁという感じはある。

では、さっそく押印の儀。

 

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ニャっと朱肉に押し付けまして。

ニャっと紙に押します。 

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ニャッ。

キレイに押せました。猫の肉球が紙に赤いハンコとして押されるのを見ると、なんかこう、良いなと。ハンコを押すの、良いなと思いました。思わずニヤけてしまいます。

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自分で作ったハンコだからこその感情がこみ上げます。

自分で作ったハンコを押すのは楽しいので、ニャニャニャニャニャと連打してみました。

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ニャーを連打。

ひとしりき楽しんだあと、ベッドの隅で惰眠を貪っていたじゃんけん氏に見せました。

とても迷惑そうにしていました。

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んっだよ、って声が聞こえてきそうな顔をしています。僕は爪を切るのでじゃんけん氏に嫌われており、妻になついています。

次は何をハンコにしようか、次回に続くのニャ。

小出し記事「ハンコ廃止の今だから!すすんで押したいハンコづくり」
ライター:松本圭司

第一回:「いもばん」の楽しさをもう一度
第二回:いもばんであのハンコが完成!

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